ヒルデウィンテラ・カラデモノニス(クレイストカクタス・ウィンテリ・カラデモノニス)の増やし方

ヒルデウィンテラ・カラデモノニス(Hildewintera colademononis)は動物の尻尾を思わせる白い棘が全体を覆い独特の質感のあるサボテンで、現在はクレイストカクタス属の一種としてクレイストカクタス・ウィンテリ・カラデモノ(Cleistocactus winteri subsp. colademono)という学名ですが、今でも旧名のヒルデウィンテラ・カラデモノニスの名で良く知られています。

質感の面白さだけでなく紅や赤の鮮やかな花も魅力のヒルデウィンテラ・カラデモノニスの増やし方を解説します。

ヒルデウィンテラ・カラデモノニスの基本情報

科名:サボテン科 Cactaceae
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属名:クレイストカクタス属 Cleistocactus
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学名:Cleistocactus winteri subsp. colademono
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異名(Synonym):
   Cleistocactus colademononis
   Hildewintera colademononis
   Winterocereus colademononis
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原産:ボリビア(フロリダ州 セロ・エル・フライレ山)
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高さ:~2.5m
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耐暑性:やや強い
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耐寒性:やや弱い
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その他ヒルデウィンテラ・カラデモノニス(クレイストカクタス・ウィンテリ・カラデモノ)の情報は以下のリンクを参照してください。

 

ヒルデウィンテラ・カラデモノニスの増やし方

動物の尻尾のような茎を切り取り挿し木することでふやすことができます。

時期は5月~9月の暖かい期間に行った方が良く、暖かい地域ならば4月から行うこともできます。

挿し木に必要なもの

良く切れるカッター(ナイフ)またはハサミ、ポット(2号~4号あたり)、全体的に棘は柔らかいですが固めの棘も混ざっているので作業用に手袋などが必要です。

①ベラボン、②市販のサボテン・多肉植物用の土、③塊根植物用の混合培土です。

サボテン・多肉植物用の土や塊根植物用の混合培土は通水・通気が良く挿し穂が傷みにくいですが、流動性があるため挿し穂の長さによって安定しないことがあります。

植え込み材用のヤシ繊維である「ベラボン」は、通水・通気が良く比較的雑菌も出にくく、抑え込むことで挿し穂を固定しやすいというメリットもありおすすめです。

ポットの大きさは挿し穂の本数により変えます。1本の場合は2号~2.5号くらいのポットを使い、3本~4本の場合は3.5号~4号のポットの大きさにします。

挿し木の手順

挿し穂に使う茎を切り取ります。

挿し穂は10㎝以上の長さはほしいので、1茎から1本の挿し穂を切り取る場合は短くても①の場所より長くなるように切り、1茎から幾本か挿し穂を作る場合は土上近辺の②のあたりで切り取り、さらに10㎝前後の長さで切り分けます。

以下は切り分けるパターンで説明を続けます。

土上近辺で切り取る場合は、地際スレスレで切り取ると切り口が汚れ、雑菌などで傷むことがあるので、地際から1~2㎝上あたりで切り取ります。

切り取る際は、切り口を潰さないように良く切れるハサミかナイフまたはカッターなどを使って切り分けます。

切り取った茎を10㎝前後の長さで切り分けます。

切り口が接地しないように置いて、日陰で4~5日間切り口を乾かします。

ベラボンを使った植え替え

挿し穂の切り口が乾いたら鉢に植え付けます。上の画像で右側が乾いているベラボン、左側が乾いているベラボンです。

まずベラボンを水に漬け給水させます。

なおベラボンを先に給水させるのは、挿し穂の固定にベラボンを押し込んで圧縮するという作業があるためで、給水後のベラボンは乾燥時のベラボンよりかなり圧縮できるためです。

もし乾燥ベラボンをかなり圧縮しながら植えた場合でも、植え替え後の水やりでベラボンを足す必要がでてきます。圧縮後の通水・通気の悪化が気になりますが、ベラボン繊維内の空間が潰れにくいため通水・通気性はそこまで損なわれません。

上の図は植えこんだ際の断面図です。挿し穂は土中に1/3程度埋め込みます。土中に深く挿しこむと茎が腐ることがあるので、もし挿し穂が長くても3~4㎝程度にとどめます。

給水したベラボンを軽く絞り、鉢に軽く押し込みながら入れていき、1⃣の部分までベラボンを入れます。

挿し穂を入れる前に2⃣の部分のベラボンを先にいれます。挿し穂を挿しこんだ後にベラボンを押し込みながら挿し穂を固定するので、この時点では圧縮せずに鉢の縁かやや溢れるくらいまで盛ります。

柔らかく盛った部分を穴をあけ、挿し穂を挿しこみます。

挿し穂を挿しこみ終わったら、盛っていたベラボンを押し込みながら挿し穂を固定します。想定よりベラボンが少なく、挿し穂が安定しない場合はさらに上から湿ったベラボンを追加して押し込んで固定します。

全ての作業が終わったら水を与えて陽当たりの良い場所に置きます。

塊根植物用土を使った植え替え

サボテン・多肉植物用の土を使って植え替える場合もほぼ同じ植え替え方になります。

粒径の荒い用土で挿し木をする場合は、挿し穂が長すぎると安定せず抜け落ちやすくなります。挿し穂の固定を特別に行わない場合は10㎝前後の長さのものが良いです。

また以下の植え替えは1本での植え替えを説明していますが、複数本の植え替えでも同じ作業方法です。

挿し穂が3㎝前後土中に入るところまでポットに用土を入れます。

挿し穂が倒れないようにしつつ周囲に用土を足していきます。用土を入れ終わったら、軽く用土を押さえます。

以上の植え替えが終わったらベラボンの場合と同じく水を与え明るい場所で管理します。

用土の乾きを確認しつつ水を与えます。挿し木1年目はあまり茎の成長は見られませんが、順調に発根していれば2年目から勢いよく成長を始めます。

以降の管理は下記のリンク先「ヒルデウィンテラ・カラデモノニス(クレイストカクタス・ウィンテリ・カラデモノ)の育て方」を参照してください。

 

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