ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)の基本情報
科名:アカバナ科 Onagraceae
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属名:マツヨイグサ属(オエノセラ属) Oenothera
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学名:Oenothera speciosa
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異名(Synonym):Hartmannia speciosa
異名(”):Xylopleurum speciosum
異名(”):Hartmannia berlandieri
異名(”):Oenothera tetraptera var. childsii
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和名:ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)
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英名:Pinkladies, Pink evening primrose, Showy evening primrose, Mexican primrose, Amapola
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原産:北米大陸内陸部(米国内陸の州~メキシコ北部の州)
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開花時期:4月中旬~7月
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高さ:30㎝~40㎝
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耐暑性:強い
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耐寒性:やや強い
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ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)の特徴
ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)は、ツキミソウ(月見草)やマツヨイグサ(待宵草)の仲間で、花の中央(蕊の周囲)は黄色で淡いピンクの花が咲く多年草です。名前の通り月見草の仲間ですが夕方から夜に開花せず、日中に花を咲かせます。
開花は早い地域で4月中旬から始まり、4月~6月または5月~7月にかけて開花し続けます。
北米大陸の内陸の州で草原、道端、牧草地のような比較的荒れた土地が自生地で、土の過湿は嫌うものの陽当たりと排水性の良い環境が整うと簡単に育ちます。大正時代に観賞用として日本に持ち込まれ、痩せ地に強い性質から中部地方以西では帰化植物となっています。
草丈は30~40㎝で匍匐するように横にも枝を出し幅40㎝前後の株へと育ちます。周囲に植物を植えている花壇や草原のような場所では周囲の植物の間を縫うように茂り、草丈50㎝・株幅80㎝あたりまで育つこともあります。
数種の変種がありますが、濃いめのピンクの花を咲かせるヒルザキツキミソウはモモイロヒルザキツキミソウ(桃色昼咲月見草=Oenothera speciosa var. childsii)として変種の一つとして別名が付いています。
ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)の管理/置き場所
ヒルザキツキミソウは耐暑性の高く、陽当たりと排水の良い環境であれば夏越しは簡単です。一方ある程度の耐寒性はありますが、霜が厳しい地域や積雪期間が長い地域では防寒なしで越冬は難しいです。
育てる環境は、陽当たりや風通りよく、排水の良い環境で育てます。特に土の過湿は苦手なので排水の良い環境が重要になります。
地下茎を伸ばし大きな株へと育つため、花壇に植える場合は周囲の植物内に混ざるように茂ります。特に暖地や温暖地などの越冬しやすい地域の場合は、他の植物と混色する際はヒルザキツキミソウの性質を考慮して植えた方が良いです。
ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)の育て方/年間管理
ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)の植え替え
温暖な地域では秋(10月前後)または春(3月~4月)に苗を植え付け、寒い地域では春(3月~4月)に苗を植え付けます。
根を崩し過ぎると生育が著しく悪くなることがあるので、根づまりが起きている場合を除き鉢土を崩さず植え替えます。また根詰まりが起きている場合は、鉢土の下面と上面の縁を少し崩してから植え替えると良いです。
ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)の用土の選び方
鉢植えの場合:市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。土の過湿が続くことを嫌うため排水の良い用土で植えてください。根腐れが気になる場合は、市販の培養土に赤玉土小粒や軽石小粒などを1~2割まぜて排水を良くしたものを使うこともできます。
またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。
庭植えの場合:排水性を良くするために完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、腐葉土、完熟有機肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けてください。
また粘土質の土壌は嫌うため、植える場所が粘土質の場合は堆肥類以外にもパーライト、軽石小粒、川砂などを混ぜ込み土質を作り変えます。
ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)の水やり
ヒルザキツキミソウの水やりは一般的な花の水の与え方に準じますが、土の過湿を嫌うため定期的な水やりを避けて、土の乾きを確認しながら水を与えた方が良いです。
鉢植えの場合:基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。
庭植えの場合:植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。
ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)の肥料の与え方
ヒルザキツキミソウは元々荒れ地に自生できる植物のためあまり肥料は与えません。また肥料を多く与えすぎると徒長して倒れやすくなったり、病害虫が発生しやすくなるため少量の肥料で育てます。
庭植えの場合:苗の定植・種を花壇などに直撒きする場合は、元肥は与えず土質改良のための堆肥類を混ぜるだけにします。定植後も肥料は与えません。
鉢植えの場合:鉢植えの場合は肥料が切れることがあるため少量の肥料を与えます。植え替え時に元肥を混ぜて植え付けます。鉢植えの場合は肥料が切れることがあるため、翌春に蕾が大きくなったあたりに追肥として株の周囲に追肥を少量与えます。
ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)の増やし方
ヒルザキツキミソウは株分け・種まきで増やします。
株分け:暖かい地域では秋(9月末~10月)・春(3月前後)に行い、寒い地域では春(3月前後)に株分けします。地下茎で広がるため、根の出ている部分から切り分けて移植します。
種まき:種まきは暖かい地域では秋(9月末~10月)と春(3月前後)、寒い地域では春(3月前後)が適期です。春に種を撒いた場合は開花は翌年から始まります。また秋に採種し春に撒く場合は、種を冷蔵庫で保管します。
ビニールポットに培養土を入れ、1ポットにつき数粒の種を撒いて薄く覆土し、たっぷりと水を与えます。
発芽後は直撒きと同様に間引きを行い、1ポットに1苗になるまで間引きつつ育成します。
ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)の病害虫
害虫:「アブラムシ」などが発生することがあります。
「アブラムシ」は春先に蕾周辺に発生します。風通しが悪い場所や油粕などの窒素肥料過多で発生量が増えることがあるので、育てている環境の改善も行うと良いです。
「アブラムシ」が発生してしまった場合は、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。