コウモリラン/ビカクシダ属

 基本情報

科名:ウラボシ科 Polypodiaceae
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属名:ビカクシダ(プラティセリウム)属 Platycerium
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学名: Platycerium
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原産:南太平洋~インド洋周辺の熱帯地域
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耐暑性:やや強い
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耐寒性:弱い
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ビカクシダの仲間は熱帯の樹木などに着生するシダ植物です。独特な株姿が生きているオブジェのようで人気の高い観葉植物の一つです。

ビカクシダは麋角羊歯と書き、ヘラジカの角のような葉に由来しています。またコウモリランという名もあります。

育て方/年間管理
 置き場所/年間管理

ビカクシダの仲間は、胞子葉と呼ばれる鹿の角を思わせる葉と貯水葉と呼ばれるスポンジのような少し厚みのある葉の2種類で構成されています。貯水葉の内側には根が張り、着生する樹木に貯水葉と根を巻き付けるように茂っていきます。貯水葉は成熟した株では情報が反るような姿になり、上から落ちる葉などの腐植質を抱え込めるようになっています。胞子葉はその名の通り胞子形成と光合成を担っています。

樹木に着生していることもあり、直射日光は苦手です。置き場所は明るい日陰で育ててください。

また自生地が広いため品種によって耐暑性、耐寒性にかなりの差があります。霜が降りない暖地や温暖地では、ビフルカタム(P. bifurcatum)など一部の品種が屋外で越冬できる場合もありますが、基本的に冬場は屋内に取り込んでください。

 植え替え

鉢から鉢への植え替えの場合と、本来の着生する性質を生かして、木や板に付ける植え方もあります。

鉢から鉢への植え替えの場合で、極度の根詰まり状態の場合は一部の根をほぐしてから植え替えてください。根が細かく鉢の表面に集中して張るため、新しい土に根付きにくくなることがあります。

上述のとおり貯水葉の内側に根を張るため、根詰まりで枯れることはありませんが、水やりが難しくなるため2~3年に一度は植え替えをして下さい。

板付けや木への着生の場合は鉢土を落として、根の部分を水苔でまき、麻紐や針金などで固定します。約1年~2年で着生します。

植え替えまたは着生は気温が高くなり始める5月あたりからがお勧めです。温暖な地域では3~4月でも問題ありません。

8月~9月でも可能ですが、生育が止まる季節が近いので、緊急性がなければ翌年5月あたりまで待つ方が良いです。

 用土の選び方

シダ植物なので水を好みそうですが、樹上生活のためか過湿を嫌いますので排水の良い用土で植え替えて下さい。

鉢に植える場合は市販の観葉植物用の土でも構いません。またヤシ繊維のような植え込み材料も排水がよくお勧めです。着生する場合は水苔を植え込み材料としてつかいます。

 水やり・肥料の与え方

鉢土の表面が乾いてから水を与えてください。

ただ過湿を嫌うため、春~夏期は鉢土の表面が乾いたら鉢下から水がでるくらいたっぷりと与え、秋~冬は鉢土の表面が乾いて数日待ってから水を与えるくらいで良いです。

着生させている場合は、水苔などの植え込み材料表面が乾いて来たら、シャワーで水を与えるか、水を貯めたバケツなどに沈めて給水させてください。

肥料やりは生育が始まる5月から8月あたりまで緩効性の置き肥を鉢土の上に与えるか、液体肥料を水やりの際に与えてください。

着生の場合は、成熟した株で貯水葉の上部が反りだしているものは、内側に置き肥を入れ込んで肥料を与えることもできます。

増やし方

ビカクシダの仲間は成長すると子株出しながら群生するので株分けで増やすことができます。また胞子から育てることもできますが、新しい品種を作るなどの目的でなければ株分けの方が簡単です。

株分けは植え替えと同じく、気温が高くなり始める5月あたりからがお勧めです。株分けする子株は、貯水葉2枚と中心の生長点、生長点の裏側の根を1セットで分けます。子株が小さい場合は根が十分確保できないことも多いため、子株の貯水葉2枚の直径が10㎝以上で株分けが良いです。

病害虫

比較的病害虫も少なく管理しやすい観葉植物ですが「カイガラムシ」が発生することがあります。

もし発生した場合は、大まかなカイガラムシを布などで拭きとり、市販のスプレータイプの薬剤で「観葉植物」と「カイガラムシ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

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