エキウム ’ブルーベッダー’ / シャゼンムラサキの仲間の育て方

エキウム ’ブルーベッダー’ / シャゼンムラサキの仲間の基本情報

科名:ムラサキ科 Boraginaceae
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属名:シャゼンムラサキ属(エキウム属)
   Echium
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学名:Echium plantagineum ‘Blue Bedder’
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流通名:エキウム ’ブルーベッダー’
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和名:(Echium plantagineum)
   シャゼンムラサキ(車前紫)
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英名:(Echium plantagineum)
   Purple viper’s-bugloss
   Paterson’s curse
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原産:園芸品種
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開花時期(温暖地):5月~6月
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高さ:50~60㎝
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耐暑性:弱い
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耐寒性:やや強い
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エキウム ’ブルーベッダー’ / シャゼンムラサキの仲間の特徴

エキウムの仲間はヨーロッパ・アフリカ北部・西部~中央アジアなどに約70種あり、園芸植物として流通する種類は、太い花穂を立ちあげる「エキウム・ピニナナ(Echium pininana)」「エキウム・ウィルドプレッティ(E. wildpretii)」や青い小花を咲かせる「エキウム・プランタギネウム(E. plantagineum)」「エキウム・ブルガレ(E. vulgare)」などがあります。

「エキウム ’ブルーベッダー’(’Blue Bedder’)」は秋に種をまき春に開花する二年草(冬型一年草)で、エキウム・プランタギネウムの園芸品種とされています。

なお以前はエキウム・ブルガレの名前で流通していたことからブルガレの園芸品種という表記も見かけますが、形態的な部分はプランタギネウムに近いようです。

花色は咲始めからピンク→パープル→ブルーへと変化することで一株の中でも花色にグラデーションができ、一般的な花壇の植材だけでなくブルー・ピンク・パープルなどの色調に特化したガーデンとの相性も良い花です。

エキウム ’ブルーベッダー’ / シャゼンムラサキの仲間の管理と置き場所

エキウム陽当たりと風通りよく、排水の良い環境で育てます。

またエキウムは開花のために寒さが必要なため、秋に種をまき冬を経て春に開花させます。

ある程度の耐寒性はあり暖地や温暖地の冬は問題なく育ちますが、強い霜や降雪量の多い地域では霜雪の当たらないように防寒するか、大き目の鉢で植えて霜雪の当たらない場所で越冬させて春に植え付けます。

鉢植え・地植えともに育てることができますが、自生環境から酸性土壌を嫌い排水の良い用土を好むため、鉢栽培では排水の良い用土を使い、地植えでは良く育つように土作りを行ってから育てます。

エキウム ’ブルーベッダー’ / シャゼンムラサキの仲間の年間管理表
 
エキウム ’ブルーベッダー’ / シャゼンムラサキの仲間の植え付け

種まきから育てた苗または苗を購入後、一回り大きな鉢、または寄せ植えや花壇などに植え替えます。

エキウムの根は直根性で根が切れるなどの根痛みを嫌うため、植え替えの際は根鉢を解さずに植え替えます。

霜が強い地域や降雪量が多い地域の場合は、鉢栽培で冬の間は霜雪の当たらない屋外の陽の当たる場所で育てて春に霜の心配がなくなってから地植えにします。

なお寒さをうけて花を咲かせるためにある程度株が育っている必要があるため、越冬用の鉢栽培でも7~8号(小さくとも5号以上)の鉢に植えた方が良いです。

また地植えにする際は、酸性土壌を嫌うので予め苦土石灰を土に混ぜ込んで中和した方が生育が良いです。

エキウム ’ブルーベッダー’ / シャゼンムラサキの仲間の用土の選び方
地植え

苦土石灰を混入して中和し、1~2週間後に排水性を良くするために完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、腐葉土、完熟有機肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

また植え付け周囲を盛り土するか、レイズドベッドと呼ばれる土を一段盛り上げた花壇を作ると過湿になりにくく良く育ちます。

鉢植え

市販の花用の培養土でも育ちます。

土の過湿が続くことを嫌うため、土質によって市販の培養土に赤玉土小粒・軽石小粒をそれぞれ1割ずつ混ぜて植え替えます。

またブレンドする場合は、赤玉土小粒:腐葉土を=7:3の混合用土で植え付けできます。

エキウム ’ブルーベッダー’ / シャゼンムラサキの仲間の水やり

エキウム ’ブルーベッダー’ の水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

エキウム ’ブルーベッダー’ / シャゼンムラサキの仲間の肥料の与え方

エキウム ’ブルーベッダー’ は多肥管理すると徒長して株が倒れやすくなるので、生育に必要な最低限の肥料を施すだけにします。

元肥として、鉢植えであれば根が傷まない緩効性化成肥料を混ぜ、地植えであれば堆肥類とともに完熟有機肥料か緩効性化成肥料を混ぜてから植え付けます。

追肥は地植えの場合は与える必要はなく、鉢植えでは開花が始まるあたりで肥料切れしないように3月あたりに緩効性化成肥料を根元から離した株回りに与えます。

エキウム ’ブルーベッダー’ / シャゼンムラサキの仲間の手入れ
花摘み

花が咲き終わり次第、適宜花を摘み取ります。種が付くと蕾の開花に影響が出るため、採種などの目的がないのであれば種が付かないように花穂の下の節から切り取ります。

エキウム ’ブルーベッダー’ / シャゼンムラサキの仲間の増やし方

エキウム ’ブルーベッダー’ は「種まき」で増やします。

種まき

撒き時期:種まきは秋まき(9月中旬~10月)し、市販の種か採種したものを使って種まきします。

撒き方:種を撒く場合は、市販の種まき用土をポットまたは育苗トレーに入れ、種をばら撒きして軽く覆土し、たっぷりと水を与えます。

発芽するまで明るい日陰で管理し、発芽後に苗の生育にあわせて間引きしていきます。間引きの際は土から引き抜くのではなく、ハサミなどで切ると周囲の根を傷めません。

育苗トレーの場合は本葉が3~4枚くらいでポットに植え替えますが、エキウムは直根性で根が傷むのを嫌うため、根が切れないように丁寧に取り出して植え替えます。

エキウム ’ブルーベッダー’ / シャゼンムラサキの仲間の病害虫

病気として「疫病」が発生することがあります。

病気

「疫病」
比較的低温期の雨が良く降る多湿状態で発生しやすく、秋の長雨など雨水による泥はねが原因で発生します。

水やり時に泥はねに注意して丁寧な水やりを行ったり、株回りにマルチングを行って泥はねを防ぐなどで発生を抑えることができます。

退治・治療方法

「疫病」が発生した場合は、市販の薬剤で「花き」の登録と「疫病」の記載があるものを使って治療を行います。

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