アメリカンブルー(エボルブルス)の育て方

アメリカンブルー(エボルブルス)の基本情報

科名:ヒルガオ科 Convolvulaceae
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属名:アサガオガラクサ属(エボルブルス属)
   Evolvulus
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学名:Evolvulus
Evolvulus nuttallianus または Evolvulus glomeratus または両種の交配種
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異名(Synonym):
Evolvulus pilosus(=Evolvulus nuttallianus)
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流通名:アメリカンブルー
    エボルブルス
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英名:dwarf morning glories
   Blue Daze
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原産:アメリカ大陸
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開花時期:5月~10月
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高さ:20㎝~40㎝
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耐暑性:強い
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耐寒性:弱い
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アメリカンブルー(エボルブルス)の特徴

アメリカンブルーを含むエボルブルス属はアメリカ大陸~アジアにかけて自生するヒルガオ科の植物です。

春から秋まで咲き続け、花は2~3㎝の青い小花を咲かせます。特に夏でも良く咲くため、暑い季節に青花の涼し気な雰囲気を楽しめます。

枝は細くしなやかで匍匐するように茂り、高さがある場合は下垂するので、地植えでグランドカバーのように育てたりハンギングバスケットなどにできます。

日本に入ってきた当初はハワイで作出された「ブルーデイズ ‘Blue Daze’」という品種でしたが、現在ではその他の園芸品種も作られており、「アメリカンホワイト」という白花品種もあります。

アメリカンブルーの仲間を総じて属名から「エボルブルス」とも呼ばれます。

アメリカンブルー(エボルブルス)の管理と置き場所

アメリカンブルー(エボルブルス)は陽当たりよく、風通りと排水性の良い環境で育てます。

また花が咲き終わって種が付くと花付きが悪くなるので、開花状況をみつつ摘芯や切り戻しを適宜行います。

自生地では多年草ですが、寒さは苦手で霜・雪または地面の凍結で枯れるため、暖地以外は一年草として育てるか、室内または雪・霜の当たらない場所に移動して多年草として育てます。

匍匐・下垂する性質を活かし、鉢植え・地植えともに育てることができます。

鉢植え

吊り鉢やワインカップ型の鉢に植えることで垂れ下がって咲く性質を活かした演出ができます。

多年草として育てる場合は晩秋から寒さの当たらない場所へ移動します。

暖地や雪・霜が比較的穏やかな温暖地では屋根下に移動するだけで越冬できることがありますが、多くの地域では室内の明るい窓辺に置きます。

地植え

草丈が高くならないため花壇であれば前方に植えグランドカバーとして演出するか、段のある花壇のときは花壇縁から垂れ下がるような演出もできます。

多年草として育てる場合は地植えであれば秋に掘り上げて鉢に移し、鉢栽培のものと同様に雪・霜の影響がない場所に移動します。

アメリカンブルー(エボルブルス)の年間管理表
 
アメリカンブルー(エボルブルス)の植え替え

苗や開花株を購入後、一回り大きな鉢、または花壇などに植え替えます。

鉢植えの場合は、直径21㎝~27㎝の鉢であれば3株くらいを目安に植え付けます。

成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、随時植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。

地植えの場合は、陽当たりの良い場所に、排水良く根が張りやすいように土を作って植え付けます。

植え付ける場所の周囲に完熟堆肥や完熟有機肥料などを混ぜ込んでから植え付けると良いです。

アメリカンブルー(エボルブルス)の用土の選び方

市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

アメリカンブルー(エボルブルス)の水やり

アメリカンブルー(エボルブルス)の水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

特に夏は乾きやすいため、水枯れしないように気を付けます。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

夏場は雨が降らない日が続くようであれば夕方あたりにたっぷりと水を与えます。

アメリカンブルー(エボルブルス)の肥料の与え方

鉢植えの場合は、元肥として根を傷めない緩効性の化成肥料を土に混ぜてから植え付けます。

地植えの場合は、土質改良のための完熟堆肥とともに完熟の有機肥料か根を傷めない緩効性の化成肥料を土に混ぜてから植え付けます。

以降は地植え・鉢植えともに4月~10月まで追肥として1ヶ月に1回の頻度で株回りの株元から離れたところに置き肥を与えるか、月に2~3回の頻度で花用の液体肥料を与えます。

アメリカンブルー(エボルブルス)の手入れ
摘芯(ピンチ)

アメリカンブルーは枝を伸ばしながら花を咲かせるため、花数の多少は枝数に左右されます。

また開花中の枝は側枝が出にくく枝数が増えにくいため、苗を植え付け時に摘芯して枝数を増やします。

摘芯する際は一枝に3枚以上葉を残して摘み取ります。

花柄摘み

アメリカンブルーは枝先から新しい蕾を作りつつ花を咲かせ、一花の寿命は数日間のため、咲き進むと茶色い葉ながらが目立つようになります。

見た目を良くするために茶色に変色した花弁を取り除いても良いですが、開花を維持するためには種が付かないように花茎ごと付け根から随時摘み取ることで、次の花が咲きやすくなります。

切り戻し

夏に開花しにくくなるため株姿を整えて秋にきれいに咲かせるために、株の高さの半分まで切り戻しを行います。

ただし高温期に葉がなくなるほどの剪定を行うと株が傷みやすいため、葉が残るように剪定する高さを調整します。

アメリカンブルー(エボルブルス)の増やし方

アメリカンブルーは挿し芽で増やします。

挿し芽

5月~9月あたりに行います。その年に伸びた新芽を5~7㎝で切り取り、土に挿すところまでの葉を落とし、挿し穂を水につけて給水させます。

鹿沼土か赤玉土小粒のような清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後、挿し穂を1節以上土の中に入るように挿します。発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。

日陰で水を与えながら管理します。新芽が出始めたら発根したと考えられますので、根を傷めないよう土ごと苗を取り出し、植え替えします。

アメリカンブルー(エボルブルス)の病害虫

害虫として「ハダニ」、病気として「灰色かび病」が発生することがあります。

害虫

「ハダニ」は夏期の雨の少なく乾燥した状態で発生しやすくなります。また鉢植えで屋根下のような雨の当たりにくい環境に置いている場合も発生しやすくなります。主に葉裏に発生し、被害が酷くなると葉裏からの吸汁のためカスリ状に葉色が悪くなり、蜘蛛の巣のような糸が葉や枝を覆います。

発生初期は葉裏から勢いよく水を吹きかけて抑えることができます。蜘蛛の巣状に糸が覆っている場合は、葉裏から水を吹きかけた後、消毒をします。

病気

「灰色かび病」は蒸れや風通しが悪い環境で発生しやすく、灰色~灰褐色の胞子が舞って周囲へ伝播します。

特に湿度が高い梅雨時期から夏の長雨で発生することが多く、終わった花柄や枯れた葉などの発生源を適宜取り除いて防除します。

市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と「ハダニ」「灰色かび病」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

また害虫の場合はアセフェートやクロアチニジンを含む粒剤を株の周囲に撒くことで予防や退治ができます。

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