コンボルブルス(這性タイプ・サバティウス種)の育て方

コンボルブルス(這性タイプ)の基本情報

科名:ヒルガオ科 Convolvulaceae
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属名:セイヨウアサガオ属(コンボルブルス属)
   Convolvulus
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学名:Convolvulus sabatius
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異名(Synonym):Convolvulus mauritanicus
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流通名:コンボルブルス
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別名:セイヨウアサガオ(西洋朝顔=Convolvulus arvensis)
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英名:Ground blue-convolvulus
   Blue rock bindweed
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原産:イタリア・アフリカ北部
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開花時期:5月~7月
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高さ(つる長さ):10㎝(~60㎝)
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耐暑性:やや強い
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耐寒性:やや弱い
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コンボルブルス(這性タイプ)の特徴

コンボルブルスは、ヨーロッパからアジア地域原産のヒルガオ科セイヨウヒルガオ属(コンボルブルス属)の植物の総称で、通称「コンボルブルス」とよぶ際は園芸植物として流通するコンボルブルスの原種・園芸品種を指します。

コンボルブルスのうち這性の多年草として流通する種類は、コンボルブルス・サバティウス(Convolvulus sabatius)やサバティウス系の園芸品種で、爽やかな薄紫の小さなヒルガオのような花を咲かせます。

サバティウス系のコンボルブルスは地表を這って高さがある場合は下垂するため、地植えでグランドカバーとして演出したり、ハンギングポットなどでの演出などで楽しめます。

コンボルブルス(這性タイプ)の仲間

流通上「コンボルブルス」と呼ばれる種類は這性のサバティウス種以外にもいくつかあり、種ごとにツルに育つものや、一年草・多年草・低木などと幅広いです。

コンボルブルス属の中で初期に日本に入ってきたツル性のコンボルブルス・アルべンシス(Convolvulus arvensis)は「セイヨウヒルガオ(西洋昼顔)」という和名があり、そのことからサバティウス種などもセイヨウヒルガオと呼ばれることもあります。

その他に一年草のコンボルブルス・トリコロール(Convolvulus tricolor)またはトリカラー種は花縁は鮮やかな青で花の中心に向かって白・黄の花色でサバティウス種とは趣の異なる三色花です。

低木性のコンボルブルス・クネオルム(Convolvulus cneorum)はメタリックなシルバーリーフと白花が特徴で、カラーリーフとして寄せ植えの花材としても魅力的です。

コンボルブルス(這性タイプ)の管理と置き場所

コンボルブルス(這性種)は陽当たりよく、風通りと排水性の良い環境で育てます。

特に多湿を嫌うため梅雨時期や夏場の長雨で葉が傷みやすいため、数日間雨が続く場合は屋根下など雨の当たらない明るい場所に移動します。

自生地では多年草ですが、寒さは苦手で霜・雪または地面の凍結で枯れるため、暖地以外は一年草として育てるか、室内または雪・霜の当たらない場所に移動して多年草として育てます。

匍匐・下垂する性質を活かし、鉢植え・地植えともに育てることができます。

鉢植え

吊り鉢やワインカップ型の鉢に植えることで垂れ下がって咲く性質を活かした演出ができます。

多年草として育てる場合は晩秋から寒さの当たらない場所へ移動します。

暖地や雪・霜が比較的穏やかな温暖地では屋根下に移動するだけで越冬できることがありますが、多くの地域では室内の明るい窓辺に置きます。

地植え

草丈が高くならないため花壇であれば前方に植えグランドカバーとして演出するか、段のある花壇のときは花壇縁から垂れ下がるような演出もできます。

多年草として育てる場合は地植えであれば秋に掘り上げて鉢に移し、鉢栽培のものと同様に雪・霜の影響がない場所に移動します。

コンボルブルス(這性タイプ)の年間管理表
 
コンボルブルス(這性タイプ)の植え替え

苗や開花株を購入後、一回り大きな鉢、または花壇などに植え替えます。

鉢植えの場合は、直径21㎝~27㎝の鉢であれば3株くらいを目安に植え付けます。

成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、随時植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。

地植えの場合は、陽当たりの良い場所に、排水良く根が張りやすいように土を作って植え付けます。

植え付ける場所の周囲に完熟堆肥や完熟有機肥料などを混ぜ込んでから植え付けると良いです。

コンボルブルス(這性タイプ)の用土の選び方

市販の花用の培養土でも大丈夫ですが、他の植物より多湿を嫌うため市販の培養土に軽石や鹿沼土の小粒をそれぞれ1~2割ずつ混ぜ込むとより育てやすくなります。

またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土:軽石小粒=5:3:2の土に植え替えもできます。

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

コンボルブルス(這性タイプ)の水やり

コンボルブルス(這性タイプ)の水やりは一般的な花の水の与え方に準じますが、水やりすぎで過湿にならないように注意します。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾くのを確認してから鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

特に植え替え後など土量が多い場合は土が乾きにくく根腐れしやすいため、乾いたことを確認してから水を与えるように気を付けます。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

梅雨時期は長雨で葉が傷んで黒ずむことがあります。数日間にわたって雨が降り続くようならば雨除けの必要があります。

庭や花壇の雨除けは難しいですが、アーチ支柱や雨除けシートなどの専用資材を使って雨をしのぐか、簡易であれば大き目の衣装ケースを逆さまにして覆うなどで対処します。

コンボルブルス(這性タイプ)の肥料の与え方

鉢植えの場合は、元肥として根を傷めない緩効性の化成肥料を土に混ぜてから植え付けます。

地植えの場合は、土質改良のための完熟堆肥とともに完熟の有機肥料か根を傷めない緩効性の化成肥料を土に混ぜてから植え付けます。

以降は地植え・鉢植えともに4月~7月まで追肥として1ヶ月に1回の頻度で株回りの株元から離れたところに置き肥を与えるか、月に2回の頻度で花用の液体肥料を与えます。

コンボルブルス(這性タイプ)の手入れ
摘芯(ピンチ)

コンボルブルスは枝を伸ばしながら花を咲かせるため、花数の多少は枝数に左右されます。

苗を植え付け時に葉を5枚前後残るように摘み取り、枝数を増やします。

花柄摘み

コンボルブルスは枝先から新しい蕾を作りつつ花を咲かせ、一花の寿命は数日間のため、咲き進むと茶色い葉ながらが目立つようになります。

見た目を良くするために茶色に変色した花弁を取り除いても良いですが、開花を維持するためには種が付かないように花茎ごと付け根から随時摘み取ることで、次の花が咲きやすくなります。

切り戻し

枝が伸びて花が咲きにくくなったり、株姿が乱れてきたら、適宜切り戻して新しい芽がでるようにします。

ただし高温期に葉がなくなるほどの剪定を行うと株が傷みやすいため、葉が残るように剪定する高さを調整します。

コンボルブルス(這性タイプ)の増やし方

コンボルブルスは挿し芽で増やします。

挿し芽

5月・9月~10月あたりに行います。その年に伸びた新芽を5~7㎝で切り取り、土に挿すところまでの葉を落とし、挿し穂を水につけて給水させます。

鹿沼土か赤玉土小粒のような清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後、挿し穂を1節以上土の中に入るように挿します。発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。

日陰で水を与えながら管理します。新芽が出始めたら発根したと考えられますので、根を傷めないよう土ごと苗を取り出し、植え替えします。

コンボルブルス(這性タイプ)の病害虫

コンボルブルスは比較的病害虫に強いですが、害虫として「アブラムシ」が発生することがあります。

害虫

「アブラムシ」は花や新芽に発生しやすいです。特に土の過湿で植物が弱っている状態や風通しの悪い環境などで発生しやすくなります。発生しにくい環境を整えた上で消毒して退治します。

市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と「アブラムシ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

また害虫の場合はアセフェートやクロアチニジンを含む粒剤を株の周囲に撒くことで予防や退治ができます。

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