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セイヨウベニカナメ「レッドロビン」の基本情報
科名:バラ科 Rosaceae
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属名:カナメモチ属(フォチニア属)
Photinia
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学名: Photinia × fraseri ‘Red Robin’
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別名:レッドロビン
セイヨウカナメ
セイヨウベニカナメモチ
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原産:(園芸品種)
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観賞時期:3月末~5月
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高さ:3m~10m
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耐暑性:強い
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耐寒性:強い
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セイヨウベニカナメ「レッドロビン」の特徴
新芽が鮮やかな赤色に染まり、管理も容易なため、生垣などで人気の高い常緑樹です。本来は高木ですが、剪定により樹形をコントロールできるため、生垣以外の植栽に使われることもあります。
ベニカナメ(ベニカナメモチ=Photinia glabra f. benikaname)と混同されることもありますが、「ベニカナメ」は元々新芽が色づくカナメモチ(P. glabra)の中から特に発色が良い個体を選抜した園芸品種群なのに対して、「レッドロビン」はカナメモチとオオカナメモチ(P. serrulata)の交配種として確立された品種です。
そのためレッドロビンは「セイヨウカナメ」、「セイヨウベニカナメ」、「セイヨウベニカナメモチ」とも呼ばれます。
「レッドロビン」は「ベニカナメ」「セイヨウベニカナメモチ」など色々な名で店頭にならぶこともありますが、概ねレッドロビンであることが多いです。
ベニカナメとレッドロビンの違いは、
●オカナメモチの性質を引き継いでいるレッドロビンの葉の方が大きい
●ベニカナメの葉の鋸歯よりレッドロビンの鋸歯が極めて小さい
●同じ環境下ならばレッドロビンの方が葉がより赤く色づく
両種を並べると違いは分かりやすいですが、特に小さな苗の場合は店頭に並んでいる期間によっても変わるものの屋根下では葉の大きさや葉質が変わったり葉色がくすむため見分けは難しいです。
セイヨウベニカナメ「レッドロビン」の管理と置き場所
レッドロビンは陽当たりと肥沃で排水性の良い場所で育てます。
やや日陰または過湿の場所でもある程度生育はしますが、新芽の赤色の鮮やかさがなくなったり、病気の発生も考えられるため避けた方が無難です。
レッドロビンは各地に植えられているため新芽が出る時期は地域によって差はあるものの3月末~5月あたりが観賞期間です。新芽は成長にともない緑へと変わります。
セイヨウベニカナメ「レッドロビン」の年間管理表
セイヨウベニカナメ「レッドロビン」の植え替え
植え替えは3月~4月、または9月~10月に行います。暖地など比較的冬場の霜や積雪が緩やかな地域であれば2月中・下旬~4月、9月~11月の植え替えもできます。
生垣など地植えで育てることが多いですが、苗が小さい場合(生長すると陽当たりは良いが丈が低いと陽当たりが悪いなど)は鉢植えで育ててから地植えに移行することもできます。
また苗を生垣として植える場合でも、苗木の間隔は60~70㎝あけた方が良いです。
地植えの場合
株の根回りの大きさにより掘る深さや大きさが変わりますが、ポットの苗などの小さな株でも少なくとも直径・深さが30㎝~50㎝は掘り返した方が良いです。
根鉢が20㎝以上ある場合は、根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘った方が良いです。
掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。
鉢植えの場合
ポットサイズの苗でも5号~6号サイズの鉢に植え替えて下さい。成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、適宜植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。
1年~数年育てて株が大きくなったら地植えにします。
セイヨウベニカナメ「レッドロビン」の用土の選び方
保水・排水の良い用土で植え替えます。
地植え
植えこむ周囲の土量に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。
鉢植え
赤玉土小粒:腐葉土:完熟堆肥=6:2:2を混合した土に植え替えるか、市販の植木類を植えられる用土で植え替えます。
市販の花用の培養土で育たないわけではないですが、植え付け初期は土の過湿ぎみになるため根腐れを起こすことがあります。
もし市販の花や野菜用の用土を使う場合は、赤玉土小粒を等量~6割くらい混ぜて植えると過湿による根腐れは起きにくくなります。
セイヨウベニカナメ「レッドロビン」の水やり
レッドロビンは一般的な樹木の水の与え方に準じます。
庭植え
植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、梅雨前までは晴天が続く場合のみ水を与えます。
一度根を張ると夏までは水やりをしなくても元気に育ちます。一方で夏場は晴天の日の夕方あたりにたっぷりと水を与えます。
二年目以降は夏で晴天が続くような場合を除けば、基本的に天候任せで大丈夫です。
鉢植え
基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
セイヨウベニカナメ「レッドロビン」の肥料の与え方
植えるときに完熟有機肥料と完熟堆肥を元肥として根回りに与えます。
もし完熟まで至っていない(発酵や未発酵の)有機肥料や堆肥の場合は、根や根鉢に直接当たらないように混ぜて下さい。
定植後の株には2月末~3月あたりに、芽の成長を促すため有機肥料を株元を避つつ株回りに与えます。
セイヨウベニカナメ「レッドロビン」の剪定/刈り込み
レッドロビンは生育が良く樹形が乱れやすいため、剪定は6月~7月と9月~10月の2回行います。
6月~7月の剪定では、その年に伸びた枝を付け根で切るか、前年に伸びた枝のあたりで切るなどの強剪定を行います。
9月~10月の剪定では、7月以降に伸びた枝を剪定しつつ樹形を整えます。秋から翌春までは成長しないため、生垣などは綺麗に見える樹形を意識しつつ剪定します。
どちらの時期の剪定にも共通することとして、生垣の樹形のものでも本来の樹形に戻ろうと上方に太めの枝が多く出ます。
そのため見えやすい生垣側面だけでなく、上方の剪定も意識的に行うと良いです。
セイヨウベニカナメ「レッドロビン」の増やし方
レッドロビンは「挿し木」で増やすことができます。
挿し木
時期は6月下旬~7月あたりに行います。
その年に伸びた枝(新梢)のうち、極度に未熟な枝(剪定後に出た若葉のある枝など)を避けつつ充実しきる前の枝を使います。
枝を15㎝前後で切り取り、挿し穂を数時間水につけて給水させます。
葉を挿し穂上部から3~4枚残し、挿し穂下側の葉を取り除きます。
鹿沼土小粒か赤玉土小粒のような清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後、挿し穂を土に挿します。発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。
日陰で水を与えながら管理します。新芽が出始めたら発根したと考えられますので、根を傷めないよう土ごと苗を取り出し、植え替えします。
セイヨウベニカナメ「レッドロビン」の病害虫
害虫として「イラガ」「カイガラムシ」、病気として「ごま色斑点病」「褐斑病」などが発生することがあります。
害虫
「イラガ」
幼虫は黄緑色の短い毛虫で、棘に触れると激痛があることから地域によってはデンキムシという名でよばれることもあります。
発生時期は6月~7月、9月~10月上旬の年2回です。
親蛾は葉裏に卵嚢を産み付け、孵化した幼虫は葉裏に集まり集団で葉裏から食害します。
その後、ある程度育った幼虫は単独で行動し始め木全体へと散って食害します。
特に幼虫が小さいころは葉裏のため気づきにくく対応が遅れたり、気づかないうちに刺されることもあります。
発生時期が決まっているため、それぞれの時期に数回消毒をして発生を予防すると良いです。
「カイガラムシ」
白い蝋状の殻を被った害虫が枝などに発生します。被害が酷くなると葉が黒く汚れる「すす病」を併発することがあるため注意が必要です。
親虫は殻があるため退治に時間がかかるので、鉢植えならば消毒の前に柔らかい布や使い古しの歯ブラシなどで親虫をある程度取り除いてから薬剤をかけます。
生垣などの場合は手作業で取り除くには株が大きいため、消毒薬を満遍なく噴霧することで退治した方が良いです。
また極度の日陰や風通しが悪い場所で大発生しやすいため、剪定などで発生しにくい環境作りも大事です。
病気
「ごま色斑点病」
4月末~5月あたりからその年に成長した葉に赤い斑点が発生し、その後病斑は赤色から赤紫色の縁取りと中央に灰褐色の斑点へと変化します。
病斑の多い葉は赤~黄変して落葉し、病変している葉や落葉した病葉が病原となり別の葉へと移っていきます。
気温が下がる秋まで発生し続けるため、株全体で被害が酷い場合は、大半の葉が落葉してしまい株が枯死します。
日陰、株周辺や土の多湿、風通りの悪い環境、樹勢の衰えなどで発生しやすくなります。
樹木内側も適宜剪定しつつ風通りを良くし、土の経年劣化を防ぎ樹勢を維持するため、寒肥として完熟堆肥を株の周囲の土に混ぜ込み、土質改良を行うと良いです。
「炭そ病」
初期は黒褐色の小さな斑点が発生し、斑点は範囲を広げながら灰褐色の病斑ができ、病斑部位は枯れ落ちて穴があきます。
日陰、株周辺や土の多湿、風通りの悪い環境、樹勢の衰えなどで発生しやすくなります。
樹木内側も適宜剪定しつつ風通りを良くし、土の経年劣化を防ぎ樹勢を維持するため、寒肥として完熟堆肥を株の周囲の土に混ぜ込み、土質改良を行うと良いです。
退治・治療方法
市販の薬剤またはスプレー剤で「カナメモチ」または「樹木類」の表記、「イラガ(またはケムシ類)」と「カイガラムシ」が対象になっている薬剤を噴霧して退治します。
病気の場合は、感染源となる病葉(または落葉した病葉)は取り除き、「カナメモチ」と「ごま色斑点病」「炭そ病」の表記がある薬剤を株全体に噴霧して治療します。