ルドべキアの育て方

ルドべキアの基本情報

科名:キク科 Asteraceae
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属名:オオハンゴンソウ属(ルドべキア属)
   Rudbeckia
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学名:Rudbeckia
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和名:アラゲハンゴンソウ
   (粗毛反魂草=Rudbeckia hirta)
和名:オオハンゴンソウ
   (大反魂草=Rudbeckia laciniata)
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別名:ルドべキア
   キヌガサギク(衣笠菊=Rudbeckia hirta
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英名:Coneflowers
   Black-eyed-susans
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原産:北アメリカ
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開花時期:6月~10月
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高さ:40㎝~1.5m
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耐暑性:やや強い
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耐寒性:やや弱い
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ルドべキアの特徴

ルドべキア属は北米原産の一~二年草または多年草で、小ぶりなヒマワリのような花を上向きに咲かせ、単色黄花や中央にブラウン系のブロッチが入る黄花などの花色があります。

花は咲き進むと花弁(舌状花)が下向きに反り、花の中央(緑色~黒色の管状花の部分)を頂点とした円錐(Cone)のような形になるため英名は「Coneflowers」という名があります。

「ルドべキア」として店頭にならぶ花はルドべキア・ヒルタ(Rudbeckia hirta)やその園芸品種が多く、基本種の草丈は1m前後まで育ち株立ちに茂ります。

一方で草丈低いルドべキア・トリロバ(Rudbeckia triloba)やランナー状の茎で株が茂るルドべキア・フルギダ(Rudbeckia fulgida)などの多年性ルドべキアなどをもとに矮性の園芸品種も作られており草丈40~50㎝の品種もあります。

日本へ明治中期に多年草のオオハンゴンソウ(大反魂草=Rudbeckia laciniata)が観賞用として入ってきましたが、現在オオハンゴウソウは特定外来生物に指定されています。

ルドべキアの名前の由来

属名の「Rudbeckia」はスウェーデンのウプサラ大学の医学の教授で、科学者・植物学者・鳥類学者でもあったオロフ・ルドべック(Olof Rudbeck the Younger)と彼の父オロフ・ルドべック(Olof Rudbeck the Elder)に由来します。

命名者のカール・フォン・リンネはオロフ・ルドべック(Olof Rudbeck the Younger)の教え子にあたり、オロフ・ルドべックはリンネのパトロンであり、植物学者として仲間でもあった人物です。

オロフの父もウプサラ大学で教授だった人物で、リンパ系の発見などの功績があり、息子と同名のオロフ・ルドべック(Olof Rudbeck the Elder)という名のため「the Younger」「the Elder」などで区別されます。

リンネはオロフ・ルドべック父子に敬意を表し、Rudbeckia hirtaなど当時発見していたいくつかの種に「Rudbeckia」として命名しています。

ルドべキアの管理・置き場所

ルドべキアは陽当たりよく、風通りと排水性の良い環境で育てます。

品種によって耐暑性・耐寒性が異なりますが、一~二年草タイプは耐暑性が強めで耐寒性がやや弱く、多年草タイプは耐寒性が強めで耐暑性がやや弱い場合があります。

一~二年草タイプは苗を購入して植え付ける以外に種まきから育てることもできます。

半耐寒性のため長期間の凍結や強い霜が苦手なので、寒地・寒冷地では春から種を撒き夏に開花させる一年草として育てます。

暖地・温暖地では春撒きの一年草として育てる以外に、秋から種を撒き越冬させて翌夏に開花させる二年草として育てることもできます。

多年草タイプは苗を植え付けることが多く、梅雨から夏の高温多湿で枯れないように排水の良い土で育てます。

また鉢植えで育てている場合は梅雨時期のみ軒下の雨の当たらない場所に移動した方が良いです。

ルドべキアの年間管理表
 
ルドべキアの植え替え

一~二年草・多年草タイプともに苗を購入後、一回り大きな鉢、寄せ植えまたは花壇などに植え替えます。

5月前後から開花株も店頭に並ぶようになりますが、開花株は根詰まりしていることがあるため、根鉢を取り出して根が回っている場合は、根鉢の底と上部を少しずつ崩したうえで植え替えを行います。

多年草タイプの越冬株の植え替えは4月~5月に行います。生育状態で変わりますが2~3年に一回の頻度で植え替えを行います。

鉢植えの場合は根鉢を取り出し、土を半分から1/3程度落として、伸びすぎた根を切って整理し、新しい土と鉢に植え替えます。

ルドべキアの用土の選び方

市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。ただし土の過湿を嫌うため土質によっては赤玉土小粒や軽石小粒などを1~2割程度混ぜて排水良く作り替えると良いです。

またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

ルドべキアの水やり

ルドべキアの水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫ですが、夏場は雨が降らない日が続くようであれば夕方あたりにたっぷりと水を与えます。

なお土の過湿は苦手ですが、葉が垂れるほど水枯れすると葉が茶色く枯れ込むことがあるため極度の乾きに注意します。

ルドべキアの肥料の与え方
地植えの場合

土質改良のための堆肥類とともに完熟の有機肥料を混ぜてから植え付けます。

追肥は一~二年草タイプであれば与えなくても開花します。多年草タイプであれば4月に株元から離した株の周囲に完熟の有機肥料か緩効性の化成肥料を与えます。

鉢植えの場合

植え替え時に根を傷めない緩効性の化成肥料を土に混ぜて植え付けます。

以降4月~10月の間は追肥として2ヶ月に1回の頻度で緩効性の化成肥料を株元から離した株の周囲に与えます。

肥料を与える頻度はお持ちの肥料の説明に準じたほうが良いですが、鉢植えで置き肥を与えるなら月に1度は与えた方が良いと思います。

ルドべキアの手入れ
花柄摘み

開花期間中は花が咲き終わり次第に随時花柄摘みを行います。

花柄摘みは花茎を残すと見た目が悪くなるため、花茎の付け根から切り取った方が良いです。

ルドべキアの増やし方

ルドべキアは一~二年草タイプは種まき、多年草タイプは株分けで増やします。

種まき

春または秋に行います。住んでいる地域の気候によって撒き時期が異なり、寒地や寒冷地では春(4月)に種を撒き、温暖地や暖地では秋(9月~10月)または春(3月)に種を撒きます。

ルドべキアの種は好光性種子(明るい環境下で発芽する種子)のため覆土はせず、種も極めて小さいため用土はピートバンや市販の種まき培土のように土の目が細かいものを使います。

種まきトレイに用土を入れた後、種が小さく水やりなどで流されやすいため、種まきの前にたっぷりと土に水を染み込ませます。ピートバンの場合は水に浸して給水させます。

種まき後に種が埋まらない程度に土表面を軽く押さえ、種と土が密着させた後、再度地表全体に水を与えます。

発芽後本葉が出たあたりで間引きします。根が傷まないように間引きの際は土から引き抜くのではなくハサミなどで切ると周囲の根を傷めません。

間引きは葉が重なるくらいに育ったあたりで随時行い、本葉が4枚になったあたりでポットに植え替えて苗を作ります。

株分け

4月~5月に行います。植え替えの際に根鉢を半分~1/3に切り分けてそれぞれの株を植え替えます。

なお切り分けはナイフやノコギリなどを使って行いますが、分けた株それぞれに根がつくように分けます。

ルドべキアの病害虫

害虫として「アブラムシ」「エカキムシ」などが発生することがあります。

害虫

「アブラムシ」
新芽や蕾、花弁裏側から広がるように発生しますが、特に日陰や風通しが悪く過湿な環境でアブラムシが発生しやすくなるため、環境改善も重要になります。

「エカキムシ」
ハモグリバエの幼虫で、3月~10月に葉の表皮下の葉肉を食害するため、葉面に模様のような白い食害痕ができます。

退治・治療方法

市販の薬剤またはスプレー剤で「花き」の登録と「アブラムシ」「エカキムシ(ハモグリバエ)」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

またエカキムシは表皮下を食害するため接触剤での退治が難しいため、アセフェートやクロアチニジンを含む粒剤のような浸透移行性で植物内に残効する薬剤を株の周囲に撒くことで予防や退治がしやすくなります。

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