ススキ(薄 / 芒)の育て方

ススキ(薄 / 芒)の基本情報

科名:イネ科 Poaceae
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属名:ススキ属 Miscanthus
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学名:Miscanthus sinensis
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和名:ススキ(薄 / 芒)
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別名:オバナ(尾花)
   カヤ(茅 / 萱)
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原産:中国・朝鮮半島・日本列島・台湾原産
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高さ:1m~2m
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耐暑性:強い
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耐寒性:強い
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ススキ(薄 / 芒)の特徴

ススキ(薄 / 芒)は、日本では全国的に自生している在来種で、平原や山地などの元々の自生地から市街地の空き地や道端など陽当たりが良い場所であれば見かけることができるイネ科の植物です。

秋に出る穂は動物の尾に見えることから「オバナ(尾花)」とも言われ、「秋の七草」の由来である万葉集の山上憶良の詩で尾花として読まれています。

俳句では秋の季語であり、十五夜の飾り・郷土玩具・茅葺き屋根の素材などに利用される歴史もあり文化的にも重要な秋の象徴する植物です。

また秋だけでなく冬の枯れ風情も魅力的で、特に霜の強い朝に枯れ葉や穂が霜で銀色に輝く景観も魅力の一つです。

幅広い地域に自生しているため変種もあり、また様々な園芸品種も作られ、斑入り種の「シマススキ」「タカノハススキ」、細葉の「イトススキ」などがあります。

またススキの園芸種やススキの近縁種で園芸利用される種類は属名から「ミスキャンタス」という名で店頭に並ぶこともあります。

演出上魅力の多いススキですが一方で地下茎で株が増える強健な性質で、空き地・道端・花壇では厄介な雑草という側面もあり、上手な付き合い方が必要な植物でもあります。

ススキ(薄 / 芒)の管理と置き場所

ススキは陽当たりと風通しの良い環境が良いです。ススキの仲間は排水が悪い土質でなければ、あまり土質を選びません。

鉢植え・地植えともに育てることができますが、ススキは大きく育つため地植えの場合は根域(根の張る範囲)を制限して株の大きさを抑えると良いです。

特に十分広い空間がない場合は周辺に地下茎が入り込んでススキが侵入するため、周辺の植栽から離した場所に植えた方が管理しやすくなります。

その他は植え替えと刈り込みを除き、管理作業が少ないため環境さえ整えれば管理は極めて簡単です。

ススキ(薄 / 芒)の除草と枯らし方

ススキは秋から冬の風情を楽しむ植物としてはとても魅力的な植物ですが、一方で花壇や庭では強健な性質が仇となり厄介な雑草となります。

特に地下茎で株が増えるため、花壇などでは花と花の間からススキの葉が出たり、葉を抜き取っても地下茎が残ると再度周辺から芽吹いてしまい根絶が難しい植物です。

ススキの葉や芽を抜き取る際は、地下茎ごと抜き取るようにスコップなども使いながら丁寧に抜き取ります。

特にススキの地下茎の新芽部分は一度地中に潜りながら伸びていくため、折れて地下に残らないように気を付けます。

また周辺の植物から十分離れている場合(樹木の場合は枝先から1m以上)は粒状の除草剤で枯らすことができます。

一方で周辺の植物への影響が気になる場合は、液体除草剤を緑葉がにかけて枯らします。

液体除草剤の場合は枯らしきるまでに数回作業が必要になることがあり、一度葉に除草剤をかけて枯らした後に地下茎から葉が芽吹いたら再度除草剤をかけ、芽吹かなくなるまで何度が除草します。

なお草花の隙間から生えたススキを根から取り除けない場合は、少しリスクが高いですが液体除草剤を液垂れしないように注意して(液垂れで草花に付かないように注意して)ススキだけに塗布することで枯らすことができます。

ススキ(薄 / 芒)の年間管理表
 
ススキ(薄 / 芒)の植え替え

苗を入手後二回りくらい大きな鉢に植え替えるか、地植えにします。

越冬した株の植え替えは、2月~3月の休眠期間中で厳寒期を過ぎたあたりに行います。

地植え

極度に固く乾きやすい山砂・真砂土のみの場所や降雨後に水たまりができるような場所の場合は土質改良して植え付けます。

山砂・真砂土のみの場所に植えるときは植え付ける周囲の土に赤玉土小粒と完熟堆肥を2~3割ずつ混ぜて植え付けます。

一方で水たまりができやすい場所では山砂と堆肥類を2~3割ずつ混ぜて植え付けます。

地植え(根域制限)

地植えでススキが周囲に蔓延らせたくない場合は、根が張る領域を制限(根域制限)できるようにしてから地植えします。

根域制限はコンクリートブロックを深さ30~50㎝(地上部は数㎝くらい)で植栽周囲に隙間なく配置して中央に株を植えます。

また分厚めの鉢に植えてそのまま地植えすることもできますが、その場合は水抜き穴から地下茎が出ることがあるので注意します。

鉢植え

基本的に毎年植え替えを行い、株が大きくなるため植え替え時に株分けを行うか、株を減らして植えなおします。

地植えの場合でも放置すると株が大きくなりすぎるので、数年に一度は掘り上げて鉢植え同様に株分けか株を減らして植えなおします。

ススキ(薄 / 芒)の用土の選び方

市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。ただし土の過湿を嫌うため土質によっては赤玉土小粒や軽石小粒などを1~2割程度混ぜて排水良く作り替えると良いです。

またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。

地植えの場合、極度に固く乾きやすい山砂・真砂土のみの場所や降雨後に水たまりができるような場所の場合は土質改良して植え付けます。

山砂・真砂土のみの場所に植えるときは植え付ける周囲の土に赤玉土小粒と完熟堆肥を2~3割ずつ混ぜて植え付けます。

一方で水たまりができやすい場所では山砂と堆肥類を2~3割ずつ混ぜて植え付けます。

ススキ(薄 / 芒)の水やり

ススキの水やりは一般的な草花の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。植え付け1年目で夏場に雨が降らない日が続くようであれば夕方あたりにたっぷりと水を与えます。

ススキ(薄 / 芒)の肥料の与え方

ススキは肥料を与えなくても良く育ちますが、鉢植えの場合は肥料切れになることがあるため春~夏に緩効性の化成肥料を少量与えます。

ただし窒素肥料が多くなると葉の生育は良くなりますが、タカノハススキの場合は新葉の斑が少なくなるか斑が消えた葉が増えるので多肥を避けます。

ススキ(薄 / 芒)の刈り込み

ススキは株が大きくなりやすいので、5月~6月に株元数十㎝(鉢植えは20~30㎝・地植えは40~50㎝)を残して刈り込むことで株の大きさを抑えることができます。

ただし7月以降に刈り込むと秋の穂がでなくなることがあります。

冬にススキの枯れた風情を楽しんだ後、芽吹く前の3月あたりに枯れ葉を刈り込むと春からすっきりとした株姿で観賞できます。

もし冬に枯れススキを観賞しない場合は、葉が枯れた時点で刈り込むこともできます。

ススキ(薄 / 芒)の増やし方

ススキは株分けで増やします。

株分け

時期は植え替えと同じく2月~3月に行います。大きな株であればスコップやノコギリなどで半分~数分割して株分けします。

株をさらに細かく分割する場合でも、分けた後の株に根が付くように5~6株以上で株分けした方が良いです。

ススキ(薄 / 芒)の病害虫

病害虫に極めて強いですが「ハマキムシ」「バッタ類」が発生することがあります。

悩まされるほどの被害は出にくいですが、もし被害が酷い場合は日陰や風通りの悪い状態になっていないかを確認し、環境を改善するだけで発生を抑えることができます。

もし被害が酷い場合は、市販のスプレータイプの薬剤で「草花」の登録と「ハマキムシ」「バッタ類」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

またアセフェートやクロアチニジンを含む粒剤を株の周囲に撒くことで予防や退治ができます。

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