コエビソウ(小海老草)/ベロペロネの育て方

コエビソウ(小海老草)/ベロペロネの基本情報

科名:キツネノマゴ科 Acanthaceae
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属名:キツネノマゴ属 Justicia
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学名:Justicia brandegeeana
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異名(Synonym):Beloperone guttata
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和名:コエビソウ(小海老草)
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別名:ベロペロネ
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英名:Mexican shrimp plant
   Shrimp plant
   False hop
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原産:メキシコ
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開花時期:5月~10月
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高さ:~1m
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耐暑性:やや強い
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耐寒性:やや弱い
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コエビソウ(小海老草)/ベロペロネの特徴

コエビソウ(小海老草)はメキシコ原産のキツネノマゴの仲間で、朱色のホップのような苞がエビのように見えることから日本では「小海老草」、英名でも「Shrimp plant」などと呼ばれます。

自生地では常緑低木で、樹高は障害物のない良く陽の当たる環境では高さ1m前後・株幅60~90㎝の株に育ちますが、日陰や周囲に障害物があると枝がツルのように伸びあがることがあります。

日本では暖地を除き冬に地上部が枯れることが多く、多年草のように育てるため名前に「草」が付いているようです。

別名の「ベロペロネ」は旧学名の「Beloperone guttata」に由来しており、現在でもベロペロネの名前で店頭に並ぶことがあります。

野生種は苞が赤く色づきますが、苞が淡い黄色に色づく品種や斑入り葉品種などの園芸品種もあります。

コエビソウ(小海老草)/ベロペロネの管理と置き場所

コエビソウは風通りと排水性の良い環境で育てます。午前中に直射日光が当たる場所で育てると、株のまとまりも良く葉色もきれいに保てます。

なお生育だけならば陽当たりから日陰まで育ちますが、光量が多いとコンパクトな草姿に育つものの夏に葉焼けが起きることがあり、光量が少ないと枝はツル状に長くなり半ツル植物のような草姿に育ちます。

開花期は5月~10月(暖地では11月まで)で、鉢植えなどで年間通して暖かい気温が保てれば一年を通して開花します。

熱帯植物ですがある程度の耐寒性もあるため、地域によっては地植えで越冬できます。特に関東以南であれば、冬場に地上部は枯れるものの宿根して翌年も芽吹きます。

寒地・寒冷地の場合は秋に掘り上げて凍らない場所に移動させて越冬させます。

年間通して鉢栽培もできますが、株の大きさが1m前後まで育つため、成熟した株は10号以上の大きな鉢に植えるか、地植えにします。

コエビソウ(小海老草)/ベロペロネの年間管理表
 
コエビソウ(小海老草)/ベロペロネの植え替え

苗や開花株を購入後、一回り大きな鉢、または花壇などに植え替えます。

鉢植え

成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、4月~9月に随時植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。

成熟した株は、土の入れ替えと根詰まり解消のため、1~2年に一回、3月末~4月に土を落として根を整理して植え替えます。

大株の植え替えは、鉢から根鉢を取り出して1/3~半分の土を落とし、根を整理してから同サイズの新しい鉢と土を使って植え替えます。

地植え

陽当たりの良い場所に、排水良く根が張りやすいように土を作って植え付けます。

植え付ける場所の周囲に完熟堆肥や完熟有機肥料などを混ぜ込んでから植え付けると良いです。

コエビソウ(小海老草)/ベロペロネの用土の選び方

市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

コエビソウ(小海老草)/ベロペロネの水やり

コエビソウ(小海老草)の水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。夏場は雨が降らない日が続くようであれば夕方あたりにたっぷりと水を与えます。

コエビソウ(小海老草)/ベロペロネの肥料の与え方

コエビソウ(小海老草)は、地植えの場合あまり肥料を与えなくても良く開花しますが、土質維持のため3月~4月に完熟堆肥とともに完熟有機肥料を株回りに混ぜ込みます。

以降は花付き・株の状態をみつつ5月~9月にかけてリン酸が多めの花用の肥料を与えます。

鉢植えの場合は肥料がきれやすいので、5月~9月にかけて月に1回の頻度で緩効性の化成肥料を鉢の縁に与えるか、リン酸が多めの花用液体肥料を月に2回与えます。

コエビソウ(小海老草)/ベロペロネの剪定と切り戻し
花穂摘み

コエビソウの花は赤や黄色の苞の中から白い花を咲かせます。花が先端まで咲き終わると苞が黒く変色し始めるので、枯れ始めた苞は適宜切り取ります。

剪定・切り戻し

コエビソウは5月~9月まで開花しながら生育を続けるため、株姿が乱れたら随時剪定するか切り戻します。

ただし高温期に葉がなくなるほどの剪定を行うと株が傷みやすいため、葉が残るような剪定を行います。

暖地以外の地域では冬に枝が枯れ混むため、霜が降りる前か霜で枝が枯れたころに剪定して枯れ枝を取り除きます。

コエビソウ(小海老草)/ベロペロネの増やし方

コエビソウ(小海老草)は挿し木で増やします。

挿し木

4月~9月に行います。その年に伸びた新梢から先端部分を除いた5~7㎝ほどで切り取り、土に挿すところまでの葉を落として、挿し穂を水につけて給水させます。

鹿沼土か赤玉土小粒のような清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後、挿し穂を1節以上土の中に入るように挿します。発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。

日陰で水を与えながら管理します。新芽が出始めたら発根したと考えられますので、根を傷めないよう土ごと苗を取り出し、植え替えします。

コエビソウ(小海老草)/ベロペロネの病害虫

病害虫に強いですが「カイガラムシ」が発生することがあります。

害虫

「カイガラムシ」
葉の付け根や枝などに発生します。アブラムシ同様に陽当たりや風通しの悪い環境で発生しやすくなります。陽が当たりにくい枝を間引き、風通しを良くするなどの環境改善も重要になります。

退治・治療方法

市販の薬剤またはスプレー剤で「花き」の登録と「カイガラムシ」「ハダニ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

またアセフェートやクロアチニジンを含む粒剤を株の周囲に撒くことで予防や退治ができます。

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