トウガラシ(唐辛子)

 基本情報

科名:ナス科 Solanaceae
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属名:トウガラシ属 Capsicum
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学名: Capsicum または Capsicum annuum
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原産:中央アメリカ~南米
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収穫時期:5~11月
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高さ:20~1m
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耐暑性:強い
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耐寒性:弱い
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辛い香辛料の代表的なものといえばトウガラシ。良く見かける品種の「鷹の爪」から、激辛品種「ハバネロ」「プリックキーヌゥ」「ブート・ジョロキア」など辛さの度合い・風味の違いで幅広い品種があります。

辛みの成分はカプサイシンで、これは本来味覚ではなく痛覚を刺激する成分です。そのためトウガラシを触った手で目などの刺激に弱い部分を触ると大変なことになるので気を付けてください。ちなみに辛さの度合いを計る値として「スコヴィル値」というものが使われます。現状スコヴィル値が世界最高の品種は、先述の「ブート・ジョロキア」です。

日本の主なトウガラシはCapsicum annuumの種類になりますが、「島トウガラシ」や「プリッキーヌゥ」などのキダチトウガラシ(Capsicum frutescens)の仲間、ハバネロなどのシネンセ(Capsicum chinense)の仲間などがあります。

トウガラシの仲間は一般的にイメージする辛い種類のレッドペッパーと、シシトウやピーマンなどの辛みのない種類スィートペッパーがあります。

ここではシシトウ、ピーマンを除く、辛い種類と甘長トウガラシまでを含めた説明を行います。

 年間管理表

 育て方/置き場所

トウガラシは熱帯地域では本来は多年草ですが、日本の冬の寒さは耐えることができないため非耐寒性一年草として扱います。

直射日光を好み、暑さにも強いので、より多く収穫するためにも育てる場所は屋外のよく陽の当たる場所で育ててください。

トウガラシの育て方は種を撒いて育てるか、苗から育てることになります。苗は3月~4月あたりから出回ります。10月までは収穫し続けることができ、11月~12月あたりから寒さで葉色が悪くなり落葉を始めます。

畑で栽培する場合は秋から冬野菜の準備もありますので9月~10月までで収穫を終わりにします。

 増やし方

種で増やすことができます。気温の上がる4月くらいから種まきをするのも良いですが、収穫時期を早めるために3月あたりに保温しつつ播種することもあります。

2.5~3号(直径7.5㎝~9㎝)くらいのポットの中央に2~3粒ほど種を撒きます。発芽後本葉が2~3枚になったら間引きをしつつ苗を1ポットに1株だけの状態にします。

その後本葉が8~9枚くらいまでポットで育てていき、鉢または畑へ定植します。

 用土の選び方

鉢植えの場合は市販の花と野菜の土で植え替えできます。鉢植え・庭植えともに排水性の良く、肥沃な土で植え替えてください。

畑に植える場合は、定植1週間前に苦土石灰を土に混ぜます。1週間後に完熟の牛糞または馬糞堆肥と肥料を周囲に混ぜ込み、畝を作ってから苗を植えてください。

なお発酵牛糞/馬糞を使う場合は、苦土石灰を定植2週間前に混ぜ、発酵牛糞/馬糞を混ぜてさらに1週間ほど置いてから定植した方が良いです。

何も混ぜずに固い土の場合でも、トウガラシは生命力は強いので枯れにくいですが、生育速度が極めて遅くなりあまり収穫が期待できなくなります。

土に空気が入り、柔らかくなるだけでも育ち方はかなり良くなります。

 水やり/肥料の与え方

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。

畑の場合は、植え付け後はたっぷりと水を与えます。その後は、天気の日だけは水を与え、梅雨をはさんで夏場になったら夕方あたりにたっぷりと水を与えてください。

肥料は先述の通り植えるときの元肥を与え、以降株元に追肥をしてください。

肥料を与える頻度はお持ちの肥料の説明に準じたほうが良いですが、鉢植えで置き肥を与えるなら月に1度は与えた方が良いと思います。

 製枝/剪定/収穫

トウガラシは花が付くたびに枝が2~3本に枝分かれします。そのまま育てると枝が混みあい、株全体に十分な光が当たりにくくなることや病害虫予防のためにも枝を整理します。

植え付け後、株が順調に大きくなり始めたら、枝を整理し3本または4本仕立てにして育てていきます。

収穫は甘長トウガラシや青トウガラシとして収穫する場合は、実が青い未成熟な果実のうちに収穫します。鷹の爪等の場合は赤く熟した後、1果ずつ摘み取るか、実の房が全部赤く色づいたころに株ごと全体を収穫します。

 病害虫

「ハダニ」「ハマキムシ」「アブラムシ」「ヨトウムシ」「コナジラミ」が発生することがあります。

ハダニは雨の当たらず乾燥する場所に置いている場合に葉裏に発生します。夏場など乾燥期に発生しますが、発生初期は葉色が薄くかすれたような色になり、ひどくなると蜘蛛の巣のようなものが張ってきます。雨の当たる場所では発生は少なくなります。

食べるものなので消毒はしたくないでしょうから、防虫ネットで予防するか捕殺または傷んだ葉と一緒に除去することになります。

もし消毒が可能であれば市販のスプレータイプの薬剤で「野菜類」と該当害虫が対象になっているものを使っていけば退治できます。

なお市販薬品のスプレーでも天然成分を主体としたものもありますので、防虫ネットや捕殺は面倒だけど、化学薬品は嫌だという方は天然成分の薬剤を使うのも良いかもしれません。

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