ハゼ(櫨・黄櫨)/ハゼノキの育て方

 ハゼ(ハゼノキ)の基本情報

科名:ウルシ科 Anacardiaceae
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属名:ウルシ属 Toxicodendron
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学名: Toxicodendron succedaneum
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和名:ハゼ(櫨・黄櫨)、ハゼノキ(櫨の木・黄櫨の木)
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別名:ロウノキ(蝋の木)、リュウキュウハゼ(琉球櫨)
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開花時期:5月末~6月
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高さ:~10m
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耐暑性:強い
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耐寒性:やや弱い
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 ハゼ(ハゼノキ)の特徴

関東以西の山野に生える落葉高木で、秋の紅葉が美しく庭木として植栽されることもあります。ハゼノキは雌雄異株で雌株につく実から木蝋という和蝋燭などに使う蝋の採種などを目的として琉球経由で中国から伝わっており、ロウノキ(蝋の木)、リュウキュウハゼ(琉球櫨)、トウハゼ(唐櫨)などの名前もあります。

本来は東アジア~東南アジアに自生しており、日本に伝わった時期はいくつかの説がありますが江戸時代頃と考えられています。その後各地に野生化したようです。日本原産のヤマハゼ(山櫨)という近縁種なども含めて広い意味でハゼと呼ぶこともあります。

ウルシ科の植物のため、個人差はありますがかぶれることがあります。特に樹液に触れた場合がかぶれやすいですが、生木を燃やした煙などでかぶれることもありますので注意が必要です。

 ハゼ(ハゼノキ)の管理/置き場所

ハゼノキを庭木として植栽する場合は陽当たりよく、風通りと排水性の良い環境で育てて下さい。関東以西の温暖地であれば露地に防寒することなく植えることができます。一方でその他の地域では鉢植えや盆栽などで管理し、冬期は防寒できる育て方が良いです。

開花は初夏で小さな黄緑~クリーム色の花が咲き、結実後は房状に実がつきます。実は落葉した冬場にも樹上に残り、冬期の枝に特異な存在感を演出したり、冬期の鳥たちの餌にもなるため鳥の訪れる庭を造りたい場合にも有効です。

秋には紅葉し、他の紅葉する植物と同じく秋の昼夜の寒暖差が激しくなると色合いが鮮やかになります。

 ハゼ(ハゼノキ)の育て方/年間管理
 ハゼ(ハゼノキ)の植え替え

植え替えは落葉時の12月から2月が適期です。またこの時期に株が出回ることが多く入手しやすいです。ただし温暖地の1月から2月でも降雪中や厳寒期間は避けて植えた方が根付きが良いです。

樹液によるかぶれを避けるため、ゴム手袋や長袖を着用して植え替えを行ってください。

露地植えの場合は、株の根回りの大きさにより掘る深さや大きさが変わります。およその目安で、根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘り、掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けて下さい。

鉢植えの場合は、成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、随時植え替えを行い鉢のサイズを大きくしてください。

 ハゼ(ハゼノキ)の用土の選び方

赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えてください。市販の花や野菜用の培養土で育つこともありますが、植え付け初期は土の過湿ぎみになるため根腐れを起こすことがあります。観葉植物用の土のような排水の良い土で植えた方が良く育つこともあります。

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けてください。

 ハゼ(ハゼノキ)の水やり/肥料の与え方

ハゼノキの水やりは一般的な樹木の水の与え方に準じます。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。植え付け1年目で夏場に雨が降らない日が続くようであれば夕方あたりにたっぷりと水を与えてください。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。

ハゼノキは肥料を与えなくても良く育ちますが、植えるときの元肥、冬期の寒肥と初夏の花後のお礼肥を与えると生育悪化のリスクを減らせます。肥料としては油粕の固形肥料などを樹冠あたりの土上に与えて下さい。

 ハゼ(ハゼノキ)の剪定/刈り込み

ハゼノキの剪定は落葉期間中の冬期に行います。

剪定では樹液に触れる可能性が高いのでゴム手袋や長袖の着用するなどの対策をして行ってください。また肌が弱い人は首回りなども保護した方が良い場合もあります。

各枝によく陽が当たるように、枯れ枝、同じ向きに伸びている枝(並行枝)、交差している枝(交差枝)、垂れ下がるように伸びている枝(下向き枝)、勢いよく伸びすぎている枝(徒長枝)などを切り取ります。その後、樹木内側への風通りが良くなるように、幹側へ向かって伸びる枝(逆さ枝)、幹から出る勢いの弱い枝などを切り取ります。

 ハゼ(ハゼノキ)の増やし方

ハゼノキは種まきで増やします。

また肌の弱い人は各作業の際には手袋などを付けた上で作業が良いです。

種まきをする場合は、秋から冬に採種し、果肉がある場合は洗います。翌年の3月~4月までに種まきします。

山野の木なので、土質さえ合っていればばら撒きでも芽は出ますが、雑草との違いが分からなくなるため、市販の種まき用土か花用の土に撒くことをお勧めします。種まきの土や花用の土をポットに入れて、3粒ずつ種を撒き、軽く覆土します。たっぷりと水を与えた後、発芽するまで明るい日陰に置きます。

発芽後に苗の生育にあわせて間引きしていきます。この間引きの際は土から引き抜くのではなく、ハサミなどで切ってください。本葉が3~4枚くらいの苗に育ったらポットに植え替えます。ポットで苗を大きく育てた後に定植する際は根が回る前に植え替えします。

 ハゼ(ハゼノキ)の病害虫

病害虫に極めて強いですが、「アブラムシ」「カメムシ」が発生することがあります。

もし被害が酷い場合は、市販のスプレータイプの薬剤で「樹木類」の登録と「アブラムシ」「カメムシ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

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