ユーフォルビア・グロボーサ「玉鱗宝」の育て方

ユーフォルビア・グロボーサの基本情報

科名:トウダイグサ科 Euphorbiaceae
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属名:トウダイグサ属(ユーフォルビア属)
   Euphorbia
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学名: Euphorbia globosa 
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和名:玉鱗宝
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原産:南アフリカ・東ケープ州
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高さ:~10㎝
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耐暑性:強い
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耐寒性:弱い
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ユーフォルビア・グロボーサの特徴

玉のような枝を積み重ねるように育ち、ドーム状の株姿で成長する多肉植物です。

伸び始めの枝は緑色の丸い玉状でコロコロとした独特な姿で、成熟するとともに枝部は木質化し石ころのような雰囲気になります。

種小名のglobosa(グロボーサ)もラテン語で「玉のような、球状の」という意味で特徴を良くとらえた名が付けられています。

またある程度大きな株に育つと地下に塊根を作り、乾燥への耐性が高まり、塊根植物としての一面もあります。

ユーフォルビア・プセウドグロボーサ(Euphorbia pseudoglobosa)あるいは和名の「稚児麒麟」というユーフォルビアが似た姿をしているため混同されますが、グロボーサの花茎が伸びあがるのに対してプセウドグロボーサの花茎はやや短く枝近くで開花します。

ユーフォルビア・グロボーサの管理/置き場所

ユーフォルビア・グロボーサは陽当たりと風通りの良い環境が理想です。環境が悪いと枝が徒長し棒状に育つため、十分な陽当たりと抑え気味の水やりで締まった株を作ると良いです。

十分な光量を確保するためにも春から秋までは屋外に置き、春と秋は直射日光に当てて育て、夏は日陰に移動すると良いです。

寒さは苦手です。地域にもより屋内取り込みのタイミングは変わりますが、およそ11月あたりで最低温度が10℃を切る時期になったら屋内に取り込みます。

健康的な生育のためには屋内でも5℃を下回る場所は避けた方が良いですが、冬期の水やりを極度に抑えることで5℃以下でも屋内越冬は可能です。

ユーフォルビア・グロボーサの年間管理表
屋外気温をもとにした管理表です。
 
ユーフォルビア・グロボーサの植え替え

春から夏までの期間で、鉢が手狭な場合は植え替えを行います。9月~10月に植え替えも可能ですが、冬が間近に迫る時期なので、鉢のサイズアップは一回りまでにした方が良いです。

ユーフォルビア・グロボーサの用土の選び方

市販の多肉植物用または観葉植物用の培養土でも大丈夫です。観葉植物用の培養土の場合は排水を良くするために軽石や鹿沼土の小粒をそれぞれ1割程度混ぜるとより排水が良くなり根腐れなどの失敗が少なくなります。

サボテン用の培養土などで目の細かい砂質の物の場合は、株の上部が重いため植え替え後に鉢内で安定しないので避けた方が良いです。

またブレンドする場合は硬質赤玉土小粒:軽石小粒:鹿沼土小粒:ヤシ繊維=4:2:2:2の土に植え替えもできます。

ユーフォルビア・グロボーサの水やり

年間通して屋内管理する場合と春から秋までは屋外に出す場合で水やりの頻度は大きく変わります。

年間通して屋内管理する場合は、使用している用土によって大きく変わりますが鉢土が乾いてから5日~2週間後に水を与えます。

上記の用土の場合、多肉または観葉植物用の培養土では1~2週間あたりを目安にし、ブレンド用土の場合は5日~1週間あたりが目安になります。(空調を含め室温が高い時期は1週間、室温が低い時期は2週間)

屋外管理をする場合は、春に屋外に出した後は鉢土の表面の乾きを目安に徐々に水やりの頻度を増やし、夏期は鉢土の表面が乾くようならば毎日でも水を与えます。

秋に向かって気温の低下に合わせて水やりの頻度を減らし、室内管理の水やりへ移行します。

ユーフォルビア・グロボーサの肥料の与え方

肥料やりは屋内外ともに抑え気味の方が締まった株に育ちます。栄養欠乏にならない程度に少量ずつ与えていくと良いです。

ユーフォルビア・グロボーサの増やし方

ユーフォルビア・グロボーサは挿し木で増やします。

なお画像付きでさらに詳しい説明は下記リンク先を参照してください。

玉単位で枝を切り取り1玉~数玉毎に挿し木します。枝は手で折り取ることができないためカッターなどで分けますが、玉と玉の隙間が狭いため周囲を傷つけないように丁寧に切り取る必要があります。

あるいは徒長して棒状になった枝が切り取りやすいので、徒長枝を利用して増やすと良いです。切り取り後に切り口から白い乳液が出るので水で洗い流します。

なおこの際にでる乳液は肌が弱い方はかぶれる場合があるので、直接触れないように手袋を着けるか、着いた後はすぐに洗い流します。

切り口を洗い流した後は挿し穂を日陰で風通しの良い場所に2~3日くらい置き切り口を乾かします。切り口が周囲に接触して雑菌が付かないようにします。

切り口が十分乾いたら植え替えに用いる培養土と同じものに、挿し穂の1/4~1/3の長さまで差し込みます。差し込み後に茎が倒れないように軽く土を押さえて固定し、明るい日陰に置いて水を与えて管理します。

挿し木用の土はベラボンのようなヤシの繊維でも可能です。雑菌が少なく排水・通気も良く失敗が少ないです。

5月~9月までの期間で屋外であれば挿し木後1ヵ月で発根します。半年から1年間育てて十分根が育ったところで植え替えを行います。

ユーフォルビア・グロボーサの病害虫

病害虫に強いですが、「カイガラムシ」「ネジラミ」が発生することがあります。

害虫

「カイガラムシ」は数㎜程度の小さな茶褐色の斑点が広がり、被害が酷いとカサブタ状に被害後が残ったり、すす病を併発します。

ただ傷ついて出る乳液が乾いた後もカサブタ状で似た症状になることもあるので、カサブタ状の痕=カイガラムシではありません。

「ネジラミ」は地上部では変化に気づきにくいですが、植え替えの際に根や鉢の内縁に白い綿状や粉上の付着物があることで気づくことができます。

いづれの害虫も吸汁して植物の体力を奪いますので、気づき次第薬剤で退治するか、あらかじめ予防をします。

アセフェートやクロアチニジンを含む粒剤などを鉢内に撒くことでどちらの害虫も予防と退治ができます。

また「カイガラムシ」であれば市販のスプレータイプの薬剤で「観葉植物」の登録と「カイガラムシ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

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