アメリカデイゴ/カイコウズ(海紅豆)の育て方

アメリカデイゴ/カイコウズ(海紅豆)の基本情報

科名:マメ科 Fabaceae
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属名:デイゴ属(エリスリナ属)
   Erythrina
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学名:Erythrina crista-galli
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和名:カイコウズ(海紅豆)
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別名:アメリカデイゴ(アメリカ梯梧)
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英名:Cockspur coral tree
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原産:南米(アルゼンチン・ウルグアイ・パラグアイ・ブラジル南部)
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開花期:6月~7月・8月~10月
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高さ:5m~8m
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耐暑性:強い
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耐寒性:やや強い
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アメリカデイゴ/カイコウズ(海紅豆)の特徴

アメリカデイゴ(アメリカ梯梧)は、南米原産のマメ科デイゴ属の落葉性中高木で、沖縄周辺地域が北限のデイゴ(梯梧=Erythrina variegata)の仲間です。

江戸時代末に日本に入っており、標準和名で「カイコウズ(海紅豆)」という名がありますが、別名のアメリカデイゴの方が周知されています。

デイゴより耐寒性が高く関東以西で太平洋側地域であれば屋外植栽できます。

初夏と夏~初秋にオレンジがかった赤色の花を咲かせ、花色・花形ともにトロピカルな雰囲気が強く、温暖地で熱帯演出をすることができる花木の一つです。

アメリカデイゴは、アルゼンチン・ウルグアイの国花であり、アルゼンチンでは国木にも指定されています。日本では鹿児島県の県花です。(なお沖縄県の県花はデイゴ)

アメリカデイゴ/カイコウズ(海紅豆)の管理と置き場所

アメリカデイゴは陽当たりと風通りの良い環境で育てます。特に直射日光を好むため基本的に屋外管理します。

自生環境は、ギャラリーフォレストと呼ばれる乾燥地の川沿いにできる小さな森林地帯に自生していたり、沼地や湿地の周辺まで自生しているため、土質は排水が良い方が理想ですが比較的土質を選ばず育てられます。

またマメ科なので根に根粒菌という窒素固定細菌が共生しているため、痩せた土壌でも育ちます。

樹高は5~8mの中木~高木で、アルゼンチンでは10mに達するアメリカデイゴもあるようですが、日本では剪定を行いつつ5m前後で管理することが多いです。

樹幅も樹高と同じくらいに広がるためある程度開けた場所が理想ですが、樹高と同じく剪定でコントロールします。

アメリカデイゴには枝は不規則に棘があるため、植え替え作業や剪定などの作業を行う場合は手袋などで手を保護するか注意して作業します。

アメリカデイゴ/カイコウズ(海紅豆)の年間管理表

アメリカデイゴ/カイコウズ(海紅豆)の植え替え

アメリカデイゴの植え替えは、4月~5月で気温が上がり芽吹く前の時期が理想です。暖地の場合は3月から植え替えることができます。

痩せた土で育つことができるくらい土質を選びませんが、腐植質のある柔らかい土質の方が生育は良いので、特に小さな苗から育てる場合は土質を作り変えて植え付けた方が良いです。

植え付ける際は、株の根回りの大きさにより掘る深さや大きさが変わります。

早めに大きく育てたい場合はポット苗のような小さな株でも少なくとも直径・深さが30㎝~50㎝は掘り返した方が良いです。

根鉢が20㎝以上ある場合は、根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘った方が良いです。

掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。排水が悪い場合は盛り土にして植えるか、堆肥類以外に軽石小粒や山砂など砂質のものを混ぜて土質を改良します。

幹立ちの大きな株は専門業者に植え付け依頼をすることが多いですが、個人で植える場合は根付くまでの間に強風などで傾いたり根が切れることがあるので、支柱を立てて幹を固定します。

アメリカデイゴ/カイコウズ(海紅豆)の用土の選び方

アメリカデイゴは地植えで育てることが多いですが、苗の段階で鉢植えで育てることもできます。

鉢植えで育てる場合の土は、市販の観葉植物用の土など排水の良いもので植え付けるか、混合して土を作る場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の混合用土で植え付けます。

アメリカデイゴ/カイコウズ(海紅豆)の水やり

アメリカデイゴの水やりは一般的な樹木の水やりと同じです。

庭植え

根付いた株は基本的に水やりの必要はありませんが、定植した年は植えた直後にたっぷりと水を与え、表土の乾きを確認しつつ根付くまでの間は水やりを行います。

鉢植え

基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

アメリカデイゴ/カイコウズ(海紅豆)の肥料の与え方

地植え・鉢植えともに、植え付け時に堆肥類とともに元肥として根を傷めない緩効性化成肥料か完熟有機肥料を混ぜ込んで植え付け、以降追肥は春の芽吹く時期に完熟の有機肥料を株元から離した株回りに与えます。

なお根に共生菌から窒素肥料の供給があるので、肥料を与えすぎると枝葉が茂り開花量が減ることがあるので注意します。

アメリカデイゴ/カイコウズ(海紅豆)の剪定

アメリカデイゴの剪定は、6月~10月の花後の剪定と12月~2月の樹形を整える強剪定を行います。

またアメリカデイゴの枝には棘があるため革手袋などの頑丈な手袋を着けた方が作業がしやすいです。

花後の剪定

アメリカデイゴの最初の開花は、春から伸びた枝に6月あたりで開花を始めます。7月あたりに開花が一段落したら花が咲いた枝の基から葉を4~5枚残して剪定します。

剪定後に伸びた枝に8月あたりから再度開花を始め、9月から10月あたりまで開花します。

開花後に種を採るなどの目的がない場合は、9月~10月に開花が終わったあたりで再度剪定します。

冬の剪定

落葉した12月~2月に剪定を行います。アメリカデイゴは萌芽する力が強いので、樹高・樹幅を抑える場合は細い枝や高く伸びた枝・周囲に張り出した枝を強めに剪定します。

アメリカデイゴ/カイコウズ(海紅豆)の増やし方

アメリカデイゴは種まき・挿し木で増やします。

種まき

時期は4月~5月に行います。開花後に花を切らずに残すとマメのような鞘と鞘中に種ができ、種が熟すと鞘が変色します。鞘のままか鞘から種を取り出して春まで保管して種まきします。

植え替えに使うものと同じ用土をポットに入れて、1粒ずつ種を埋め込み、たっぷりと水を与えます。明るい日陰で芽が出るまで管理します。

挿し木

時期は7月の開花が終わるあたりに行い、その年に伸びた枝(新梢)から挿し穂を作ります。

新梢はやや細めの枝で固く充実したものを選び、先端の未熟な部分を除いた枝を使います。

葉が3枚毎に枝をカットし、良く切れるカッターやナイフで下側切り口を給水しやすいように斜めに切ります。その後挿し穂を数時間水につけて給水させます。

挿し穂の一番下の葉を取り除き、残った2枚の葉は、蒸散を抑えるため半分まで切ります。

鹿沼土細粒か赤玉土細粒のような清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後、挿し穂を土に挿します。発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。

ビニールなどで覆い保湿しつつ、日陰で水を与えながら管理します。

アメリカデイゴ/カイコウズ(海紅豆)の病害虫

病害虫被害は少ないですが、害虫として「カイガラムシ」が発生することがあります。

害虫

「カイガラムシ」は葉裏・葉柄・葉の付け根などに発生します。被害が酷くなると葉が黒く汚れる「すす病」を併発することがあるため注意が必要です。

風通しの悪い環境や日照量が足りない場所で発生しやすくなります。

退治・治療方法

「カイガラムシ」が発生した場合は、市販の薬剤またはスプレー剤で「樹木類」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

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