センニチコウ(千日紅)の育て方

 センニチコウの基本情報

科名:ヒユ科 Amaranthaceae
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属名:センニチコウ(ゴンフレナ)属 Gomphrena
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学名: Gomphrena globosa(センニチコウ) または G.haageana(キバナセンニチコウ)
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原産:各大陸の熱帯地域(Gomphrena属の自生分布)
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開花時期:6月~11月
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高さ:15㎝~1m
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耐暑性:強い
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耐寒性:弱い
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センニチコウは苞という丸い玉のような部位が赤、紫、白、ピンク、橙と色好き、苞の中で随時花が開花するため観賞期間も長く楽しめる花です。

また苞が少し固めで形が崩れにくく、色あせもしにくいためドライフラワーとしても利用されます。

秋遅くに気温が下がり始めると苞の色合いも濃くなり、季節に応じた楽しみもあります。

厳密にはセンニチコウはGomphrena globosaの種類をことですが、キバナセンニチコウをもとに改良された「ストロベリーフィールド」などの品種もセンニチコウとして流通していますので、広い意味でのセンニチコウとしてここでは説明します。

 センニチコウの管理/置き場所

センニチコウは暑さに強い一年草で、直射日光を好み暑さに強いので、屋外のよく陽の当たる場所で育ててください。

またセンニチコウは極端に日陰の場合では草丈が伸びあがり倒れるように茂るように育ちますし、強健な性質にも関わらず害虫が発生しやすくなるため、半日は直射日光が当たる場所が良いです。

一方でキバナセンニチコウは暖地などの氷点下にならない地域では越冬することがあり、半耐寒性多年草として扱える場合もあります。

またキバナセンニチコウやその改良種は、センニチコウより草丈が高く、1mくらいの高さに育つこともあります。鉢植え・庭植えなどの植える場所の用途に応じて、苗や種を購入する場合は草丈も確認しながら購入すると良いです。

 センニチコウの育て方/年間管理

 センニチコウの植え替え

苗を購入した場合は、一回り大きな鉢、または寄せ植えや花壇などに植え替えて下さい。

購入時に根詰まり状態の場合は、植え替え時に根が外に出やすくなるよう、ポットの土を崩します。ただし土を崩しすぎると根痛みや過湿状態から立ち枯れ病が発生することがありますので、鉢土の下部や上部を少し崩すくらいに留めた方が良いです。

なお春から鉢で育てている場合は、夏あたりで根詰まりを起こす可能性が高いです。秋まで楽しむためには一回り大きな鉢に植え替えを行ってください。

 センニチコウの用土の選び方

市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。鉢植え・庭植えともに排水性の良い土で植え替えてください。

 センニチコウの
 水やり/肥料の与え方

センニチコウは一般的な花苗の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。

庭植えの場合は、植えた当初はおおむね雨まかせでも大丈夫ですが、夏場は夕方あたりにたっぷりと水を与えてください。特に葉が大きい品種は蒸散量も多く地植えでも乾く傾向がありますので注意してください。

比較的肥料が少なくても良く育ちますが、夏場は勢いよく株が成長するため肥料切れも起きやすく適宜与えます。

肥料を与える頻度はお持ちの肥料の説明に準じたほうが良いですが、植えるときの元肥を土に少量混ぜて植え込み、鉢植えで置き肥を与えるなら月に1度程度与えた方が良いと思います。

 センニチコウの剪定/刈り込み

咲き終わった花穂を除去する場合や、または鉢植えや夏場の花壇などで茂りすぎた場合は適宜剪定や刈り込みを行ってください。葉の付け根から新しい芽が出て開花しますので、葉の数㎜上あたりで切るときれいな株姿に育ちます。

夏場に刈り込む場合は、株の負担にならないように葉を残しながら切り取ってください。

また切り取った花穂を逆さにして吊り下げることでドライフラワーにできます。より発色よくしたい場合はドライフラワー用の乾燥剤などを使うと良いです。

 センニチコウの増やし方

センニチコウは種で増やせます。

種まきは5月に行います。市販の種ではなく、採取した種の場合は種の周囲についている綿毛も除去してから撒くと発芽しやすくなります。

まず市販の種まき用土を種まきトレーや鉢などに入れて準備して種を撒き、数㎜覆土します。その後、土を攪拌しないようにシャワーのような水流でたっぷりと水を与えます。発芽するまで明るい日陰に置き、発芽後に苗の生育にあわせて間引きしていきます。この間引きの際は土から引き抜くのではなく、ハサミなどで切ってください。

本葉が3~4枚くらいでポットに植え替えます。ポットで苗を大きく育てた後に定植する際は根が回る前に植え替えします。

南米産の原種とキバナセンニチコウとの交配種とも言われている「ファイヤーワークス」という品種は種だけでなく挿し木で増やすこともできます。

挿し木は5月~6月に行います。枝を2~3節くらいで切り取り、土に挿すところまでの葉を落とします。その後、挿し穂を水につけて給水させます。挿し木用などの赤玉土の小粒など清潔な土を準備し、湿らせた後、挿し穂を土に挿します。

日陰で水を与えながら管理します。新芽が出始めたら発根したと考えられますので、根を傷めないよう土ごと苗を取り出し、植え替えします。

 センニチコウの病害虫

「立ち枯れ病」「カイガラムシ」「ハマキムシ」などが発生することがあります。

「立ち枯れ病」は土の過湿状態で発生します。排水の良い用土で植え、多頻度の水やりにならないように注意することで防ぐことができます。

「カイガラムシ」は葉の付け根や葉裏に発生しやすく、白い綿毛のようなカイガラムシが発生します。大発生すると葉の表など全体に広がります。大発生の場合は薬剤だけに頼らず、付近などでふき取って減らしてから消毒してください。

「ハマキムシ」は葉を巻き取るように丸めて、幼虫が内側から葉を食害します。被害の葉が少数なら葉ごと除去してください。一方で被害が酷い場合は、ほとんどの葉を除去しなくてはならない場合もあるため、葉を残したままで消毒で退治してください。

また「ハマキムシ」は丸めた葉の内側にいて、カイガラムシは白い綿の中にいるため薬が効きにくい害虫です。浸透移行タイプといわれる葉の中に浸透する薬剤で退治してください。

市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と上記の病害虫が対象になっているものを使っていけば退治できます。

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