スイセン(水仙)属の育て方

スイセン(水仙)の基本情報

科名:ヒガンバナ科 Amaryllidaceae
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属名:スイセン属(ナルキッスス属)
   Narcissus
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学名:Narcissus
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原産:地中海沿岸地域
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開花時期:11月~4月
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高さ:10㎝~40㎝
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耐暑性:―
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耐寒性:強い
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スイセン(水仙)の特徴

早春の花として親しまれる球根植物で、白い花弁とラッパ状の黄色の副弁の二ホンズイセン(日本水仙)や花弁・副弁ともに黄色のキズイセンなどは季節の折に目にしやすい種類かもしれません。

スイセンの名は中国での同植物の「水仙」を音読みしたもので、二ホンズイセンは名前に反して日本原産植物ではなく中国経由で地中海から伝わった植物です。

学名のNarcissusは、ナルシストの語源でもあるギリシャ神話の池に写る自身の姿に恋して身を投げた美少年ナルシスに由来しています。

地中海沿岸からアジア地域にかけて30種の原種があり、園芸品種は約1万種を超えるほどの種類があります。

その中でも、花形・花色または草姿で系統分けされてラッパズイセン・房咲きスイセン・八重咲スイセンなどの系統名で呼ばれることもあります。

スイセン(水仙)の管理と置き場所

スイセンの仲間は陽当たりよく、風通りと排水性の良い環境が理想ですが、ある程度の日陰や多湿でも育ち、地植えであれば管理はほとんど必要としません。

晩秋から葉を出し、品種毎に冬から春にかけて随時開花して、夏には葉を枯らして休眠します。

二ホンズイセンは12月~1月、ラッパズイセンは3月~4月あたりに開花します。

肥沃な土壌が理想ですが、柔らかすぎる土質の場合は球根の分球が進み、開花するくらいに充実した球根が育ちにくくなります。

この場合、葉ばかりが茂る大きなコロニーを形成しますが、開花が少ないという状況が数年続きます。

また球根が充実しにくい極度の日陰で育てる場合にも同じようなことが起きます。

通常植え付ける深さより深めに植えて土の重みで分球しにくくさせるか、複数個の球根を塊状に植えて分球しにくくさせて開花できる球根をゆっくり増やすと良いです。

もし葉ばかりの株の場合は、植え直したうえで翌シーズンから翌々シーズンに開花できる球根に育ちます。

スイセン(水仙)の年間管理表
 
スイセン(水仙)の植え替え

葉が枯れて休眠する晩春から、生育期前(10月あたり)までの植え替えが良いです。また植え替えの際に球根の分球なども一緒に行うと良いです。

地植えの場合はほぼ放置ですが、大群生した場合などは上記の時期に地面から堀り上げて植え替えてください。

鉢植えの場合は、数年間は放置で構いませんが、やがて鉢内が球根で埋め尽くされるので、分球も含めて植え替えを行います。

スイセン(水仙)の用土の選び方

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けてください。

鉢植えの場合は、市販の花や野菜用の培養土でも育ちますが、スイセンにとっては保水が良すぎて根を腐らせたり、上記のように土質が柔らかすぎて次年度に開花しにくくなることがあります。

市販の培養土に赤玉土の小粒を3~4割混ぜて通水と土の重量を上げて植えると良いです。

またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。

スイセン(水仙)の水やり

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

スイセン(水仙)の肥料の与え方

地植えの場合それほど肥料を必要としませんが、植え付ける前に元肥として緩効性肥料を植え付け場所の周囲に施します。

一方で鉢植えの場合は、植え付け時の元肥以外に、葉が出始める頃にリン酸が多い肥料を与え、開花後にカリウムが多めの肥料を与えます。

スイセン(水仙)の増やし方

スイセンは球根を「分球」することで増やします。

分球

分球は植え替えの時期と同じく7月~9月上旬あたりに行います。

1球ごとに分けることもできますが、小さな球根では開花できないことがあるため、直径2㎝以下の大きさの球根までは分けないほうが良いです。

スイセン(水仙)の病害虫

病害虫に極めて強いですが、害虫として「アブラムシ」が発生することがあります。

害虫

「アブラムシ」
新芽・花芽など生長点付近から広がるように発生しますが、特に極度の日陰などで発生しやすくなるため、環境改善も重要になります。

退治・治療方法

市販の薬剤またはスプレー剤で「花き」の登録と「アブラムシ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

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