シラ―・ぺルビアナ/オオツルボ(大蔓穂)の育て方

 シラ―・ぺルビアナの基本情報

科名:キジカクシ科 Asparagaceae
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属名:シラ―属 Scilla
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学名:Scilla peruviana
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和名:オオツルボ(大蔓穂)
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英名:Portuguese squill
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原産:南ヨーロッパ~北アフリカなどの地中海沿岸地域
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開花時期:4月~5月
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高さ:30㎝~1m
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耐暑性:―
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耐寒性:やや強い
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 シラ―・ぺルビアナの特徴

シラ―・ぺルビアナは、4月~5月に星形の小さな青紫花が集まった花穂を咲かせる球根植物で、比較的管理も楽で毎年花を楽しむことができるシラーの仲間です。花色は青紫以外にも白花もあります。

種小名の「peruviana」は「ペルーから、ペルー由来の」という意味ですが、シラ―・ぺルビアナはペルーに自生しておらず、地中海沿岸地域のイベリア半島、イタリア、北西アフリカなどが自生地です。

Scilla peruviana」は、チューリップの研究で知られている医師・園芸家のカロルス・クルシウス(Carolus Clusius)が名付けた「Hyacinthus stellatus peruanus」を引用してカール・フォン・リンネ(Carl von Linné)が命名しています。ペルー由来の誤解は、クルシウスがペルー由来と言われる植物群にこの花があったことから起きているようですが、スペインから北ヨーロッパへ植物を輸送した船名が「ペルー」だったという説もあります。

和名はオオツルボ(大蔓穂)で、以前はシラ―属に分類されていたキジカクシ科バルナルディア属のツルボ(=Barnardia japonica)に由来しています。

 シラ―・ぺルビアナの管理/置き場所

シラ―・ぺルビアナは陽当たりよく、風通りと排水性の良い環境で育でます。また梅雨や夏の多雨は嫌いますが、地植えの場合は排水良く土を作り替えておけば掘り上げることなく育てることができます。

晩秋から葉を出し、地域によって開花時期が変わりますが、4月~月に開花し、花丈は30㎝~50㎝くらいですが環境によって1mに達することもあります。

気温が上がるとともに葉は黄変して枯れ、初夏~初秋まで休眠します。また年を追うごとに分球し群生した株へと育っていきます。

 シラー・ぺルビアナの育て方/年間管理
 シラ―・ぺルビアナの植え替え

球根は秋に流通するので、秋植え球根として9月末~10月に植え付けます。また地植えの休眠中の球根を植え替える場合も同じ時期に行います。

地植えの場合は概ね放置で大丈夫ですが、土質的に梅雨や夏の多雨で球根が腐敗しやすい場合は掘り上げて保管し、植えなおします。夏場の保管場所は、風通しの良い冷暗所に置きます。

鉢植えの場合は、数年間は放置で構いませんが、やがて鉢内が球根で埋め尽くされるので、分球も含めて植え替えを行います。休眠中の鉢植えは水を与えずに土を乾かし、雨の当たらない場所で夏越しさせます。

 シラ―・ぺルビアナの用土の選び方

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けてください。

鉢植えの場合は、市販の花や野菜用の培養土でも育ちますが、シラ―・ぺルビアナにとっては保水が良すぎて根を腐らせることもあります。市販の培養土に赤玉土の小粒を3~4割混ぜて通水を良くして植えると良いです。またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。

 シラ―・ぺルビアナの水やり/肥料の与え方

水やり:庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。

肥料:地植えの場合それほど肥料を必要としませんが、植え付ける前に元肥として緩効性肥料を植え付け場所の周囲に施してください。一方で鉢植えの場合は、植え付け時の元肥以外に、葉が出始める頃にリン酸が多い肥料を与え、開花後にカリウムが多めの肥料を与えて下さい。

 シラ―・ぺルビアナの増やし方

シラ―・ぺルビアナは分球で増やします。

分球は植え替えの時期と同じく9月末~10月あたりに行います。1球ごとに分けることもできますが、小さな球根では開花できないことがあるため、直径2㎝以下の大きさの球根までは分けないほうが良いです。

 シラ―・ぺルビアナの病害虫

病害虫に極めて強いですが、「アブラムシ」が発生することがあります。

新芽・花芽など生長点付近から広がるように発生しますが、特に極度の日陰などで発生しやすくなるため、環境改善も重要になります。

市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と「アブラムシ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

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