ツルニチニチソウ/ヒメツルニチニチソウの育て方

 ツルニチニチソウの基本情報

科名:キョウチクトウ科 Apocynaceae
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属名:ツルニチニチソウ属(ビンカ属) Vinca
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学名:Vinca major(ツルニチニチソウ)
学名:Vinca minor(ヒメツルニチニチソウ)
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和名:ツルニチニチソウ(蔓日々草)
和名:ヒメツルニチニチソウ(姫蔓日々草)
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原産:南ヨーロッパ
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開花時期:3月~6月
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ツルの長さ:2~3m
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耐暑性:強い
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耐寒性:強い
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 ツルニチニチソウの特徴

「ツルニチニチソウ」として流通している花はツルニチニチソウ(Vinca major)とヒメツルニチニチソウ(Vinca minor)の2種で、どちらもキョウチクトウ科ツルニチニチソウ属(ビンカ属)のツル性の多年草で、春~初夏にかけて紫花・薄紫花・白花などを咲かせます。

花を観賞するだけでなく斑入り葉品種もあります。白斑や黄斑のものや斑の入り方にも幅があり、緑葉と比べるとやや花付きは少ないもののカラーリーフとしての観賞価値もあります。

障害物のない地植えではツルが地表を這い、各節から根を下ろしつつグランドカバーとして育ち、吊り鉢や擁壁近辺に植えた場合はツルが垂れ下がって育ちます。

として数年間経った株では根元が木質化します。

 ツルニチニチソウの管理/置き場所

ツルニチニチソウは陽当たりよく、風通りと排水性の良い土などが理想ですが、ある程度の耐陰性もあり極度に暗い場所でなければ育ちます。陽当たり良い場所の方が花付きが良くなりますが、斑入り品種の場合は明るい日陰の方が葉色が鮮やかです。

開花は春~初夏にかけてツル伸ばしながら葉の付け根に蕾を付けて随時開花します。

地植えではツルを伸ばしつつ各節から根を下ろし、周囲の様々な場所へと広がっていくので、茂った後のことを想定して植える場所を決めるか周囲の植物と絡む前に剪定を行うと良いです。

寒さには強いものの、寒さの度合いによっては葉が傷むことがあります。ヒメツルニチニチソウと比べるとツルニチニチソウの方がやや寒さに弱いため、葉を長く観賞したい場合は防寒した方が良いです。

 ツルニチニチソウの育て方/年間管理
 ツルニチニチソウの植え替え

3月~6月、9月~10月あたりに植え替えを行います。苗を購入後、一回り大きな鉢、または寄せ植えや花壇などに植え替えます。

地植から移植する場合は、生育が始まる少し前が良いので、2月末~3月中旬あたりに行います。根を温存するためなるべく大きく堀り上げ、蒸散を抑えるために掘り上げた土と同じくらいのボリュームまでツルを切り落とします。

 ツルニチニチソウの用土の選び方

市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫ですが、土の過湿が続くことを嫌うため排水の良い用土で植えてください。ブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。

庭や花壇に植える場合は、排水良くするために完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを土に混ぜ込んでから植え付けます。

 ツルニチニチソウの水やり/肥料の与え方

水やり:ツルニチニチソウの水やりは一般的な花の水の与え方に準じます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。一方で夏場は雨が降らない日が続くようであれば夕方あたりにたっぷりと水を与えてください。

肥料:植えるときの緩効性の化成肥料を元肥として混ぜ込んでから植え付けます。地植えの場合は堆肥などを土に混ぜ込み土質を改良した上で完熟の有機肥料も一緒に混ぜ込みます。

地植の場合はツルの茂りすぎを防ぐため、基本的に追肥は行いません。鉢植えの場合は肥料切れが起きることがあるので、緩効性の化成肥料か有機肥料を花後に与えます。

 ツルニチニチソウの剪定/刈り込み

茂りすぎた場合は、適宜刈り込みを行います。放置すると茂りすぎてしまい、周囲の丈が低い植物であればツルが他の植物の内側を絡みながらよじ登り、外観が悪くなるだけでなく周囲の植物の生育にも影響を与えます。

刈り込みは周年行うこともできますが、猛暑期、厳冬期は避け、開花期は全体を刈り込むと開花に影響がでるため刈り込む必要がある所だけを切り取ります。

また斑入り品種の場合は緑葉に戻ることがあるので、斑入りを維持するために緑葉になっているツル全体を切り取ります。

 ツルニチニチソウの増やし方

ニチニチソウは挿し木や株分けで増やします。

挿し木:5月~6月あたりに行います。ツルの先端部分と根元の木質化した部分は使わないため切り取り、2~3節ほどで切り分け、土に挿すところまでの葉を落とします。その後、挿し穂を水につけて給水させます。挿し木用の専用土、赤玉土小粒、バーミキュライトなどの清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後、挿し穂を土に挿します。また発根剤などを使うと成功率が上がります。

日陰で水を与えながら管理します。新芽が出始めたら発根したと考えられますので、根を傷めないよう土ごと苗を取り出し、植え替えします。

株分け:株元から複数のツルや芽が出ている場合は、いくつかのツルや芽ごとに株元から分けて株分けすることができます。根を傷めるため2月末~3月上旬あたりに行い、株元にスコップなどを差し込んで取り分けます。もし掘り上げた根よりもツルが長い場合は、根の量に合わせてツルを短く切ります。

また接地しているツルが発根している場合、根とともにツルを切り分けることでも株分けができます。この株分けの場合でも、根の量に対してツルが長すぎる場合は、根の量に合わせてツルを短く切ります。

 ツルニチニチソウの病害虫

比較的病害虫に強いですが「カイガラムシ」が発生することがあります。

「カイガラムシ」は葉の付け根や茎などに発生し、日陰、土の過湿、風通しの悪い環境などツルニチニチソウの生育が著しく悪くなる状況で大発生しやすくなるため、環境改善も重要になります。

市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と「カイガラムシ」が対象になっているものを使って退治するか、アセフェートやクロアチニジンを含む粒剤などを土に撒くことで退治または防虫できます。

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