コケサンゴ(苔珊瑚)の育て方

コケサンゴ(苔珊瑚)の基本情報

科名:アカネ科 Rubiaceae
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属名:ネルテラ属 Nertera
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学名:Nertera granadensis
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和名:コケサンゴ(苔珊瑚)
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英名:Coral bead plant
   Pin-cushion plant
   Coral moss
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原産:環太平洋の温暖な地域
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観賞時期:5月~6月(開花期:4月~5月)
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高さ:2㎝~4㎝(株幅:20㎝~40㎝)
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耐暑性:弱い
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耐寒性:弱い
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コケサンゴ(苔珊瑚)の特徴

コケサンゴ(苔珊瑚)は、15種あるアカネ科ネルテラ属の一種で、グランドカバー状に茂る株に生る白・クリーム・オレンジ・赤色の小さな実を観賞する植物です。

自生地は太平洋を囲む温帯地域で、東からアルゼンチン西部~グァテマラ北部、ハワイ、台湾、東南アジア、オーストラリア西部、ニュージーランドなど大陸を跨ぐ広い地域の直射日光が当たらない明るい日陰で自生しています。

冷涼~温暖な気候を好むため、自生地域のうち熱帯アジアでは標高の高い地域に自生しています。

入手しやすい価格帯で、実や株姿も可愛らしく人気もありますが、鉢栽培としては「気温は冷涼」「空中湿度は高め」「土の過湿は嫌う」など難しい条件がそろっており、初心者には難易度が高い植物です。

一方で明るい日陰を好むため通年室内管理ができ、上記の条件をクリアできるテラリウムやパルダリウムに植える植物として理想的です。

コケサンゴ(苔珊瑚)の管理と置き場所

コケサンゴ(苔珊瑚)は冷涼~温暖な気温で直射日光の当たらない明るい日陰を好みます。また土は保水性と排水性のバランスの良い用土を好みます。

販売されているコケサンゴは実付きでそのまま観賞できる株が店頭に並んでおり、実はおよそ1ヵ月~1ヵ月半にかけて観賞できます。

栽培時は冬の低温を経て春から開花し、実は晩春から初夏に着果します。

暑さと寒さが苦手で、冬の寒さは5~8℃あたりで生育が止まり0℃あたりでは株が傷みはじめます。

夏は気温が30℃を超えるあたりから生育が悪化し株中央から蒸れて傷みます。

寒さは苦手なものの低温にされされることで開花するため、秋に最低気温が5℃前後までは屋外に出しておくか、室内管理の場合は暖房の入らず室温が5℃前後まで冷え込む場所で育てます。

以下に「鉢栽培」「テラリウム/パルダリウム栽培」について説明します。

鉢栽培

鉢植えでは、購入後に実のついている期間だけ観賞する場合と季節に応じて環境を整えつつ多年草として育てる場合があります。

観賞期間だけ管理する場合
直射日光の当たらない明るい窓辺に置き、土が乾き鉢が少し軽くなって水を与えるか、薄く水を張った受け皿に鉢を入れ下側から給水させて水を与えます。

室内が空調などで乾燥しやすい場合は底面給水の方が良いです。

多年草として育てる場合
季節ごとに室内に入る日差しが変わるため直射光が当たらない明るい場所へ移動させていきます。

南向きの窓辺の場合は秋から春の日差しが入ってくる時期だけレースのカーテンで日差しを弱めます。

また夏場に南側が高温になる場合は朝日のみ当たる東側の窓辺などが良いです。

夏場で日中は空調が止まっており室温が高くなる場合は、春~秋に屋外の風通しの良い日陰にだし、素焼きの鉢に植え替えて広めの受け皿に水を張って鉢を付け、給水させつつ気化熱で株の温度を下げます。

テラリウム/パルダリウム栽培

コケサンゴの育て方として湿度を保ちやすいテラリウムやパルダリウムでの管理が適しており、最も楽です。

明るさも育成灯で葉焼けしない光量に調節すれば、室内のどの場所でも育てることができます。

注意点は夏場の高温による蒸れと冬の室温が高すぎて開花しなくなることです。

夏の管理
外出中は空調を止め日中室温が高くなる場合は、移動しにくいパルダリウムであれば予め室温が高くなりにくい場所に移しておき、移動しやすいテラリウムであれば外出中のみ屋外の日陰に出すと良いです。

冬の管理
上記の通り冬期の低温がなければ開花できなくなり結実しないため、部屋の気密性が高く室温が定温に維持される場合は結実しません。

冬期だけ暖房がなく5℃前後まで室温が下がる場所へ移動した方が良いです。

コケサンゴ(苔珊瑚)の年間管理表
 
コケサンゴ(苔珊瑚)の植え替え

コケサンゴ(苔珊瑚)を短期的に観賞する場合は植え替えの必要はありませんが、多年草として育てる場合は素焼き鉢に植え替えたり、テラリウムやパルダリウムに植え付けます。

購入した実付きの株の場合は実が終わったあたりで植え替えを行い、通年管理している株は春先または実が終わった後に植え替えます。

鉢栽培

販売されている株はピートモスなどを主体とした用土で植えられていることが多く、植え替え後の用土が観葉植物用の土など土質が似ているものの場合は、根鉢を下側から半分~1/3解して、新しい鉢に植え替えます。

一方で粒径が荒く通水良い用土など根鉢と土質が全く異なる用土で植え替える場合は、根鉢の下側から土の大半を落とし、新しい鉢に植え替えます。

この場合は株が安定しないので根付くまで株をピン止めします。

テラリウム/パルダリウム栽培

根鉢を下側から解して半分~1/3くらいの土を落として植え替えます。演出上傾斜部に植えて安定しない場合は根付くまでピン止めして固定します。

コケサンゴ(苔珊瑚)の用土の選び方

夏場の管理によって用土が変わります。

鉢栽培

比較的通水の良い市販の観葉植物用の土を使うか、ベラボンなどのヤシ繊維植え込み材などが使えます。

また素焼き鉢に植え替えて春~秋に屋外の日陰で腰水管理する場合は、山野草の土や塊根植物用の土など多孔質で通気性の良い用土も管理しやすいです。

この場合は根鉢の土質との差が大きいので根鉢を多めに崩して植え替え、ピン止めして固定した方が良いです。

テラリウム/パルダリウム栽培

熱帯魚用やパルダリウム用のソイルで植え替えます。テラリウムの場合は、専用ソイル以外にベラボンなどのヤシ繊維植え込み材やミズゴケなどでも植え替えできます。

ただしガラス容器のように水が抜ける穴がない容器の場合は、容器底面にゼオライトや珪酸塩白土などを入れ、水質の悪化を防いだ方が良いです。

コケサンゴ(苔珊瑚)の水やり

鉢植えのコケサンゴ(苔珊瑚)は開花・結実する春から初夏は水を良く吸い、生育が止まる冬はやや水やりを抑えて葉水などで管理します。

生育期は水枯れを嫌うものの土の過湿も嫌うため、一般の花のように渇きに応じて水やりをする方法から、底面給水で水を与える方法などがあり、以下にいくつかの方法について説明します。

水の管理方法はどちらが良いというものではなく、育てる環境・個人の生活サイクルによって理想の管理が変わります。

水やりによる管理

土の乾きに応じて水を与えますが、表土一面を株が覆っていることが多く、表土の湿り気を確認できないため鉢を持ちあげてやや軽くなった際に鉢下から水がでるくらいにたっぷりと水を与えます。この場合は湿度を上げるため霧吹き等で葉水を与えます。

利点は過湿による根腐れ・株元や実の腐れが起きにくくなり、欠点は乾かし過ぎによる枯死の可能性があります。

底面給水による管理

受け皿に薄く水を溜め鉢を水に漬けて管理します。室内で空調により乾燥しやすい場合や夏の屋外管理はこの方法が良いです。

夏の屋外管理の場合は受け皿を大きめのものを使い、気化熱で鉢や水温の上昇も防ぎます。

利点は渇きによる根や株の枯死が起きにくくなります。欠点は過湿による根腐れ・株元や実の腐れが起きたり、土質によっては株元にカビが発生することがあります。

コケサンゴ(苔珊瑚)の肥料の与え方

肥料は生育期の春と秋に与えます。鉢の縁に余裕があれば固形肥料を与え、鉢の縁に余裕がない場合は薄めた液体肥料を月に1~2回与えます。

コケサンゴ(苔珊瑚)の増やし方

コケサンゴは「株分け」で増やします。

株分け

植え替えの時期と同じく、実が終わった後に行います。

ハサミやカッターなどでケーキを切るように株を切り分け、新しい鉢と新しい用土で植え替えます。

株分けに使う用土は植え替えものと同じものを使います。

コケサンゴ(苔珊瑚)の病害虫

傷んだ実や過湿により株元にカビが生えることがあります。

実が傷んできたら取り除いて株を傷めないようにし、カビが生えた場合は薄めた殺菌剤で消毒します。

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