ブラシの木/キンポウジュ(金宝樹)/カリステモンの育て方

ブラシの木/キンポウジュ/カリステモンの基本情報

科名:フトモモ科 Myrtaceae
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属名:カリステモン属  Callistemon
(または メラレウカ属  Melaleuca)
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学名:Callistemon または Melaleuca
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和名:ブラシノキ
Callistemon speciosus または Melaleuca glauca
和名:ハナマキ(花槙)
Callistemon citrinus または Melaleuca citrina
和名:マキバブラシノキ
Callistemon rigidus または Melaleuca linearis
和名:シロバナブラシノキ
Callistemon salignus または Melaleuca salicina
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別名:カリステモン
   キンポウジュ(金宝樹=ハナマキ)
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英名:Bottlebrush
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原産:オーストラリア
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開花時期:5月
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高さ:~3m
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耐暑性:強い
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耐寒性:やや強い
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ブラシの木/キンポウジュ/カリステモンの特徴

ブラシの木の仲間はオーストラリアに自生するフトモモ科の常緑樹で、蕊が長く伸びたブラシのような赤や白の花穂を咲かせます。

特徴的なブラシのような花穂から英名は「Bottlebrush」、和名も「ブラシノキ」という名前が付いていて、店頭ではブラシノキの近縁種や園芸種などとともに属名から「カリステモン」とも呼ばれます。

樹高は3m前後の低木で、種によって樹形は変わるものの小株の頃は枝は直立型に枝を伸ばしますが、大きく育った株では長く伸びた枝がたわむ様に茂ります。

暑さや乾燥に強く、強い霜や寒風は苦手なものの暖地や温暖地でも地域によって防寒なしに屋外花木として植栽できます。

ブラシの木/キンポウジュ/カリステモンの名前の違いと由来

ブラシノキの仲間は、「ブラシノキ」「ハナマキ」「キンポウジュ」「カリステモン」などの名を店頭で見かけます。

同じような花を色々な名で呼んでいるため、同じ植物を色々な呼び方をしているように思えますが、全ての名が同じ植物を指しているわけではありません。

「ブラシノキ」はカリステモン・スぺキオスス(Callistemon speciosus)の標準和名です。

「ハナマキ(花槙)」はカリステモン・シトリヌス(Callistemon citrinus)の標準和名でハナマキの別名が「キンポウジュ(金宝樹)」です。

「カリステモン」はブラシノキの仲間の属名「Callistemon」に由来し、交配種や園芸種なども総じてカリステモンとも呼ばれています。

属名の「Callistemon」は、ギリシヤ語の「callis(=美)」と「stemon(=雄蕊)」を組み合わせた名で、蕊がブラシのように伸びた特徴的な花を表しています。

ブラシノキの仲間は現在「カリステモン」に分類する場合と「メラレウカ」に分類する場合があるようです。※

※ブラシノキの仲間が正式に記述されるのは、1814年スコットランドの植物学者ロバート・ブラウン(Robert Brown)にメラレウカによく似た特徴をもつメトロシデス(Metrosideros)種として最初に記述されています。

以降種ごとに「Metrosideros」「Melaleuca」「Callistemon」として分類されたり変更されていましたが、2006年・2009年のDNA解析からメラレウカとする発表があったようです。

現状では一部のハーバリウムで取り入れているものの、全てではないようなので本説明では「Callistemon」を主として「Melaleuca」についても説明を加えました。

ブラシの木/キンポウジュ/カリステモンの管理と置き場所

ブラシノキの仲間は陽当たり、風通し、排水性の良い環境で育てます。

暑さや渇きに強く、寒さもある程度の耐性はあるものの寒風・強い霜・長期間の降雪で傷むことがあります。

暖地では霜が比較的穏やかで積雪期間の短いため冬期に防寒することなく屋外花木として植栽できます。

温暖地や寒冷地では地域によって防寒の必要があります。特に日本海側の冬場に乾燥しやすい地域や積雪期間が長い地域などでは冬期に霜よけようの不織布を被せる等の防寒対策が必要になります。

寒地~寒冷地では鉢栽培で育てるようにし、冬期は直接寒風や寒さが当たらない場所に移動しつつ育てます。

ブラシの木/キンポウジュ/カリステモンの年間管理表
 
ブラシの木/キンポウジュ/カリステモンの植え替え

植え替えは3月末~7月(暖かい地域では3月上旬~、寒い地域では4月中旬~)で、特に大きく根を崩すような植え替えは早春の新芽が伸び始める前(3月上旬~3月末)か花が終わったあたり(5月下旬~6月中旬)が良いです。

鉢植えで根詰まりしている場合は9月あたりに植え替えることもできますが、寒い地域は極力生育期前半に植え替えた方が良いです。

なお根が良く張るため、購入後の根鉢は根詰まりしているか根詰まり寸前ということがあります。

根鉢を両サイドから押すか地面に置いて踏みつけて根を切らずに解すか、根鉢の下側と根鉢の上部の端を少しずつ切って発根できるようにします。

庭植え

株の根回りの大きさにより掘る深さや大きさが変わります。

およその目安で、根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘り、掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。

鉢植え

成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、適宜植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。

同じサイズに植え替える場合は、早春か開花が終わったあたりで植え替える様にします。

根鉢を解して土を落とし、伸びすぎた根や傷んだ根を整理し、株上部も根の整理に合わせて剪定します。その後同サイズの新しい鉢と新しい土を使って植え替えます。

ブラシの木/キンポウジュ/カリステモンの用土の選び方

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けてください。

鉢植えの場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3を混合した土に植え替えます。

ブラシの木/キンポウジュ/カリステモンの水やり

ブラシノキの水やりは一般的な樹木の水の与え方に準じます。

庭植え

概ね天候に任せた水やりとなりますが、植えた時期から一年間は土の状態を見つつ水を与えます。

特に植え替えた直後にたっぷり水を与え、一年目の夏だけは雨が降らない日が続くようであれば夕方にたっぷりと水を与えます。

9月末から10月以降で気温が下がり始めたら、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

鉢植え

年間を通して鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。

ブラシの木/キンポウジュ/カリステモンの肥料の与え方
庭植え

植えるときに元肥として完熟有機肥料と完熟堆肥を根回りに混ぜ込みます。

もし完熟まで至っていない(発酵や未発酵の)有機肥料や堆肥の場合は、根や根鉢に直接当たらないように混ぜます。

植えて数年経った株やある程度育った樹の場合は、2月~3月の間に寒肥を施します。

樹の周囲(樹冠の真下あたり)の土を掘り返し、完熟堆肥や完熟肥料を混ぜ込みます。この際に土と一緒に根も切ることで、新根の発生も促すようにします。

鉢植え

植えるときに元肥として、根を傷めないような緩効性の化成肥料を土に混ぜ込んで植え付けます。

3月に追肥として有機肥料か緩効性化成肥料を鉢の縁に与えます。なお与える量は肥料の使用方法の説明に従って与えます。

ブラシの木/キンポウジュ/カリステモンの剪定

ブラシノキの仲間は春から伸びた枝に花を咲かせ、開花後も花穂の先から枝が伸びていきます。

そのためブラシノキの剪定は寒さが和らぎ枝が伸び始める3月上旬前後の早春か開花後に行います。

ブラシノキはある程度大きくなると長く伸びた枝がたわむ様に茂るため、樹形や樹高に大きな変化がでにくい花木です。

そのため周囲が開けた場所の場合は、込み合った枝や枯れた枝などを間引くように剪定して取り除き、樹全体の風通しと陽当たりが良くなるようにします。

一方で周辺に樹木がある場合は、ブラシノキの長く伸びた枝が周囲の樹木に伸し掛かるように茂るようになります。長く伸びた枝を切り取って周囲の樹木が傷まないようにします。

ブラシの木/キンポウジュ/カリステモンの増やし方

ブラシノキの仲間は「種まき」「挿し木」で増やします。

種まき

開花後の枝に木質で丸く扁平な実のようなものが沢山付きます。種が熟すと実の中央に穴が開き、小さな種が散るようにばら撒かれますが、実が熟すのに1年以上の時間を要することがあります。

熟した種(実が開き種が出る状態になったもの)を採種し、4月(暖かい地域では3月)から種を撒きます。

挿し木

時期は6月~7月上旬あたりに行います。挿し穂は、その年に伸びた枝(新梢)から固く充実した部分を使って挿し穂を作るので、先端の柔らかい枝や根元に前年の枝があれば切り取って挿し穂にします。

枝を10㎝前後でカットし、良く切れるカッターやナイフで下側切り口を斜めに切り直し、給水しやすいようにます。その後挿し穂を数時間水につけて給水させます。葉が3枚程度残るように下側から葉を取り除きます。

鹿沼土細粒か赤玉土細粒のような清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後、挿し穂を土に挿します。発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。

ビニールなどで覆い保湿しつつ、日陰で水を与えながら管理します。

ブラシの木/キンポウジュ/カリステモンの病害虫

比較的病害虫に強い樹木ですが、陽当たりや風通しが悪い環境では、害虫として「カイガラムシ」が発生する場合があります。

害虫

「カイガラムシ」
葉や葉の主軸周辺、新芽などに発生しやすく、風通しや陽当たりが悪い場合に発生しやすくなります。

大発生すると葉色が著しく悪くなり、すす病などを併発することがあります。

退治・治療方法

環境改善を行うだけで病害虫被害は抑えることができますが、大発生した場合は市販の薬剤またはスプレー剤で「樹木類」の登録と「カイガラムシ」の記載があるものを使っていけば退治できます。

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