リキュウバイ(利休梅)/ バイカシモツケ(梅花下野)の育て方

リキュウバイ(利休梅)/ バイカシモツケ(梅花下野)の基本情報

科名:バラ科 Rosaceae
————————
属名:ヤナギザクラ属 Exochorda
————————
学名:Exochorda racemosa
————————
和名:リキュウバイ(利休梅)
————————
別名:バイカシモツケ(梅花下野)
   マルバヤナギザクラ(丸葉柳桜)
   ウメザキウツギ(梅咲空木)
————————
英名:pearlbush
   common pearlbush
————————
開花時期:4月~5月
————————
高さ:2~5m
————————
原産:中国(揚子江下流域)
————————
耐暑性:強い
————————
耐寒性:強い
————————

リキュウバイ(利休梅)/ バイカシモツケ(梅花下野)の特徴

リキュウバイ(利休梅)は中国原産の落葉低木で、春に真っ白で美しいながらも清楚な雰囲気のある花を咲かせます。

日本へは明治期末に輸入され、花の魅力だけでなく丸みのある葉やしなやかに茂る枝など、主張し過ぎない姿から茶花や庭園樹としても楽しまれている花木です。

和名の「リキュウバイ(利休梅)」は、茶花の銘花とされたことから茶聖「千利休」にちなんで名づけられています。

耐寒性も高く広い地域の庭園や公園などに植栽されている他、切り花では花だけでなく枝葉のみもグリーンとして利用されます。

リキュウバイ(利休梅)/ バイカシモツケ(梅花下野)の管理と置き場所

リキュウバイは風通しの良く、排水性の良い肥沃な土壌を好みます。

陽当たりの良い場所から明るい半日陰まで生育できますが、夏の強い日差しはやや苦手なので、周囲にも落葉樹があり春~初夏までは良く陽が当たり夏に軽く日差しを遮るような環境が理想です。

低木なので鉢栽培もできますが、本来は3m以上に育つ樹木なので、長期的には地植えで育てた方がより多くの開花を楽しめます。

リキュウバイ(利休梅)/ バイカシモツケ(梅花下野)の年間管理表
 
リキュウバイ(利休梅)/ バイカシモツケ(梅花下野)の植え替え・植え付け

植え替えは落葉中の12月~3月中旬ですが、地域によって厳寒期は避けた方が良いので1月(または12月下旬~2月上旬)の期間を避けます。

地植え

株の根回りの大きさにより掘る深さや大きさが変わりますが、ポット苗などの小さな株でも少なくとも直径・深さが30㎝~50㎝は掘り返した方が良いです。

根鉢が20㎝以上ある場合は、根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘った方が良いです。

掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。

鉢植え

ポットサイズの苗でも5号~6号サイズの鉢に植え替えます。

成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、落葉期に植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。

成株の場合は2年に1回の頻度で植え替えを行います。4年以上経つと鉢から取り出しにくくなるため、遅くとも3年までには植え替えを行った方が良いです。

成株の場合は、鉢から取り出し、土を変えるとともに根を整理して植えなおします。

リキュウバイ(利休梅)/ バイカシモツケ(梅花下野)の用土の選び方

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

鉢植えの場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3を混合した土に植え替えます。

リキュウバイ(利休梅)/ バイカシモツケ(梅花下野)の水やり

リキュウバイの水やりは一般的な樹木の水の与え方に準じます。

庭植え

概ね天候に任せた水やりとなりますが、植えた時期から一年間は土の状態を見つつ水を与えます。

特に植え替えた直後にたっぷり水を与え、一年目の夏だけは雨が降らない日が続くようであれば夕方にたっぷりと水を与えます。

9月末から10月以降で気温が下がり始めたら、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

鉢植え

年間を通して鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

リキュウバイ(利休梅)/ バイカシモツケ(梅花下野)の肥料の与え方
元肥

植えるときに完熟有機肥料と完熟堆肥を元肥として根回りに混ぜ込みます。

もし完熟まで至っていない(発酵や未発酵の)有機肥料や堆肥の場合は、根や根鉢に直接当たらないように根鉢周辺よりさらに深く掘りこんで混ぜ込みます。

追肥

植えて数年経った株やある程度育った樹の場合は、1月~2月中旬に寒肥を施します。

樹の周囲(樹冠の真下あたり)の土を掘り返し、完熟堆肥や完熟肥料を混ぜ込みます。この際に土と一緒に根も切ることで、新根の発生も促すようにします。

リキュウバイ(利休梅)/ バイカシモツケ(梅花下野)の剪定・刈り込み

リキュウバイの花芽は短い枝の枝先に付き、長く伸びた枝には付きにくいという性質があります。

剪定は主に落葉後(12月~3月)に行い、春~秋までの生育期は込み合った枝などを切る程度にします。

落葉後の剪定では、細い枝や込み合った枝は付け根から切り取り、徒長枝も数節残して剪定しながら樹高・樹形を整えます。

また古木化した枝(または4~5年経過した枝)は花が咲きにくくなるため、落葉期の剪定の際に付け根から切り落とします。

リキュウバイ(利休梅)/ バイカシモツケ(梅花下野)の増やし方

リキュウバイは「種まき」「株分け」で増やします。

種まき

まき時期は10月あたりに採種後すぐに播種するか、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保管して翌3月に播種します。

開花後に花を切らずに残すと実(蒴果)ができ、秋に種が熟すと実は茶色に変色して果実が割れて種が零れ落ちるので、種が落ちる前に実ごと種を採種します。

とり蒔きの場合は採種後すぐ種まきを行うので、植え替えに使うものと同じ用土をポットに入れて、1粒ずつ種を埋め込み、たっぷりと水を与え、明るい日陰に置きます。

とり蒔きの場合は発芽が翌年になるため、発芽まで乾かないように水を与えつつ管理します。

春蒔きする場合は採種後湿らせたパーライトまたはバーミキュライトと一緒にビニール袋に入れて冷蔵庫に入れて春まで保管します。

3月になったら種を取り出し、とり蒔きと同じように種まきして、明るい日陰で芽が出るまで乾かないように水を与えつつ管理します。

株分け

時期は落葉後から開花前の12月~3月上旬に行います。

勢いよく成長しているリキュウバイは株回りや地際からも株立ち状に枝が生育するため、発根している枝を根ごと掘り取って株分けします。

親株から切り分けにくい場合はノコギリなどを使って切り分けます。

リキュウバイ(利休梅)/ バイカシモツケ(梅花下野)の病害虫

比較的病害虫に強いですが、病気として「うどんこ病」などが発生することがあります。

病気

「うどんこ病」
葉の表面に粉状の白い斑紋が発生します。被害が酷いと葉が委縮したり、光合成に悪影響を及ぼします。

陽当たりと風通しが悪い場所(陽当たりと風通しが悪い枝)に発生しやすいため、剪定などで環境改善を行うことで、発生しにくい環境づくりも大事になります。

退治・治療方法

各病害虫が発生した場合は、市販の薬剤またはスプレー剤で「樹木(類)」の登録と対象病害虫が記載されている薬剤を使って退治します。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする