ノウゼンカズラ(凌霄花)の育て方

ノウゼンカズラ(凌霄花)の基本情報

科名:ノウゼンカズラ科 Bignoniaceae
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属名:ノウゼンカズラ属(カンプシス属)
   Campsis
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学名:Campsis grandiflora
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和名:ノウゼンカズラ(凌霄花)
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別名:ノショウ
   ノショウカズラ
   ノウゼン
   リョウショウカ
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英名:Chinese trumpet vine
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原産:中国
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開花時期:6月~8月
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高さ(樹の長さ):~10m
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耐暑性:強い
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耐寒性:強い
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ノウゼンカズラ(凌霄花)の特徴

ノウゼンカズラ(凌霄花)は中国原産のツル性の落葉樹で、古くから親しまれてきた花木の一つで平安時代の文献に古名で記述があることから平安時代の前期かそれまでには渡来していたようです。

ツルから付着根を出して周囲の木や壁などの障害物をよじ登り、障害物がなくなるとツルを垂らして茂るか地表を便って茂ります。また大きく育つと根元は太い幹になります。

花は7月~8月(暖かい地域は6月から)に濃いオレンジ色のトランペット型の花を連なるように咲かせ、花穂を垂れ下がるように開花します。

近縁種のアメリカノウゼンカズラの場合は、トランペット型の花がまとまって咲き、ノウゼンカズラのように連なるような花穂になりません。

ノウゼンカズラの花色はオレンジ花以外に黄花や赤花(紅系オレンジ)などの園芸種もあり、アメリカノウゼンカズラとの交配種などもあります。

ノウゼンカズラ(凌霄花)の管理と置き場所

ノウゼンカズラは陽当たり、風通し、排水性の良い環境で育てます。また山林の植物のため、砂質のような排水性ではなく腐植質を含み適度な保水性も必要です。

自生環境では他の樹木の下で種が芽吹き、周囲の樹木を這い上って陽の当たる場所までツルを伸ばして開花します。

そのため日陰でも良く育ちますが、ツルが伸びるばかりで開花しないことがあるので、特に鉢植えの場合は良く陽の当たる場所に置くようにします。

花房は垂れ下がって咲きますが、支えがない場合はツルが地を這うように茂るため、支柱などで行灯仕立てにして支えるか、場所があれば「藤棚」のように棚で支えることで開花を美しく見せることができます。

ノウゼンカズラ(凌霄花)の年間管理表
 
ノウゼンカズラ(凌霄花)の植え替え

植え替え時期は目安として3月~4月で、ツルが伸びるため基本的に地植えで育てますが、コンパクトな品種や株が大きくなるまで鉢植えで育てることができます。

庭植え

株の根回りの大きさにより掘る深さや大きさが変わります。

およその目安で、根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘り、掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。

鉢植え

成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、適宜植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。

苗が大きくなり鉢のサイズを大きくすることができなくなったら庭植えにするか以下のように丁寧に土を崩して植え替えします。

ノウゼンカズラ(凌霄花)の用土の選び方

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

鉢植えの場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3を混合した土、または赤玉土小粒:黒土:鹿沼土小粒:腐葉土=3:3:2:2に植え替えます。

市販の花や野菜用の培養土で育たないわけではないですが、植え付け初期は土の過湿ぎみになるため根腐れを起こすことがありますので避けた方が良いです。

ノウゼンカズラ(凌霄花)の水やり

ノウゼンカズラの水やりは一般的な樹木の水の与え方に準じますが、自然状態は周囲に樹木があり土や根が乾ききるということがないため、水枯れを嫌います。

地植え・鉢植えともに夏の水枯れで開花できなくなる場合があるため注意が必要です。

庭植え

概ね天候に任せた水やりとなりますが、植えた時期から一年間は土の状態を見つつ水を与えます。

また夏は地植えであっても乾きやすくなるため、表土が乾く場合は夕方にたっぷりと水を与えます。

鉢植え

年間を通して鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

特に夏場は根の張り具合によっては1日1~2回水やりが必要になることがあります。

ノウゼンカズラ(凌霄花)の肥料の与え方
元肥

植えるときに完熟有機肥料と完熟堆肥を元肥として根回りに混ぜ込みます。

もし完熟まで至っていない(発酵や未発酵の)有機肥料や堆肥の場合は、根や根鉢に直接当たらないように混ぜて植え付けます。

追肥

植えて数年経った株やある程度育った樹の場合は、1月~2月の間に寒肥を施します。

樹の周囲(樹冠の真下あたり)の土を掘り返し、完熟堆肥や完熟肥料を混ぜ込みます。

この際に土と一緒に細根も切ることで、新根の発生も促すようにします。

追肥は新芽が伸びだす4月~5月に緩効性の化成肥料や有機肥料を根元から離した株の周囲に、有機肥料を与えます。

鉢植えの場合は肥料がきれることがあるので、葉がある期間は2月に一回の緩効性の化成肥料を鉢の縁側に与えます。

ノウゼンカズラ(凌霄花)の剪定

ノウゼンカズラの花は春から伸びた枝に花芽ができ、7月あたり(暖地は6月から)から開花を始めます。

そのため剪定は新芽が伸びだす前の3月末に行います。また開花後は伸びたツルを適宜剪定します。

ノウゼンカズラ(凌霄花)の増やし方

ノウゼンカズラは挿し木で増やします。

挿し木

時期は6月~7月上旬あたりに行います。その年に伸びた枝(新梢)から挿し穂を作ります。

新梢のうち、未熟な先端部分の枝と木質化しかけた根元部分を除いた部分の枝を使います。

葉が3枚毎に枝をカットし、良く切れるカッターやナイフで下側切り口を給水しやすいように斜めに切ります。

その後挿し穂を数時間水につけて給水させます。挿し穂の一番下の葉を取り除き、残った2枚の葉は、蒸散を抑えるため半分まで切ります。

鹿沼土細粒か赤玉土細粒のような清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後、挿し穂を土に挿します。

発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。ビニールなどで覆い保湿しつつ、日陰で水を与えながら管理します。

ノウゼンカズラ(凌霄花)の病害虫

害虫として「アブラムシ」などが発生することがあります。

害虫

「アブラムシ」は新芽や花に発生しやすいです。特に陽当たりや風通しの悪い環境で発生しやすくなります。

特に夏場で日陰で管理しているときは、風通しが悪く土が過湿気味になりやすいので注意が必要です。

退治・治療方法

「アブラムシ」の退治には、市販の薬剤またはスプレー剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

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