斑入りオオナワシログミ「ギルドエッジ(ギルトエッジ)」の育て方

斑入りオオナワシログミ「ギルドエッジ(ギルトエッジ)」の基本情報

科名:グミ科 Elaeagnaceae
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属名:グミ属 Elaeagnus
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学名:Elaeagnus × submacrophylla ‘Gilt Edge’
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学名:Elaeagnus × ebbingei ‘Gilt Edge’
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和名:オオナワシログミ ‘ギルトエッジ’
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流通名:グミ ‘ギルドエッジ’
    斑入りグミ ‘ギルドエッジ’
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原産:園芸品種
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観賞時期:一年中(葉の観賞)
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開花時期:10月
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高さ:1~3m
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耐暑性:強い
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耐寒性:やや強い
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斑入りオオナワシログミ「ギルドエッジ(ギルトエッジ)」の特徴

グミの仲間(グミ属)はアジア・ヨーロッパ・北アメリカに約90種あり、特にアジアの温帯~亜熱帯に多くの原種が自生しており、日本にも10種以上が自生しています。

グミ属には落葉タイプと常緑タイプがありますが、オオナワシログミ(Elaeagnus × submacrophylla)は常緑タイプの原種を交配した葉の観賞を目的とした交配種群で、園芸品種が多く作られています。

オオナワシログミの交配親は、日本にも自生しているマルバグミ(Elaeagnus macrophylla)とナワシログミ(Elaeagnus pungens)で、多くの園芸品種も関東南部以西であれば問題なく育ちます。

オオナワシログミの斑入り品種「ギルドエッジ(ギルトエッジ)」は、「Gilt(金箔)」「Edge(縁)」の品種名の通り黄色の発色が強い外斑の園芸品種です。

本来の品種名であれば「ギルトエッジ」という名になるはずですが、「ギルト」という響きを嫌ってか「ギルドエッジ」という品種名で流通します。

グミの園芸品種の中でも華やかさと育てやすさから多く流通する品種で、英国王立園芸協会(Royal Horticultural Society:RHS)でガーデンメリット賞(Award of Garden Merit:AGM)を受賞している品種です。

なお剪定にも強く生垣などにも良く使われますが、前年枝を残すような剪定を行えば秋に開花し、春に他のグミと同じような楕円形の実を付けることがあります。

斑入りオオナワシログミ「ギルドエッジ(ギルトエッジ)」の管理と置き場所

フイリグミ「ギルドエッジ(ギルトエッジ)」は陽当たり・風通しの良い環境で、あまり土質を選ばない樹木ですが腐植質に富んだ排水性の良い土壌では良く育ち、管理も楽になります。

フイリグミ「ギルドエッジ」は常緑タイプのグミで、落葉タイプのグミと比べるとやや耐寒性は劣るものの東北南部あたりまでは地植えで植栽できます。

鉢栽培するには樹高がやや高く、生育が旺盛で根が張りやすいこともあり難易度はやや高いため、管理上は地植えが育てやすいです。

斑入りオオナワシログミ「ギルドエッジ(ギルトエッジ)」の年間管理表
 
斑入りオオナワシログミ「ギルドエッジ(ギルトエッジ)」の植え替え
植え替え時期

植え替えは厳寒期を除く11月~3月に行います。

植え替え方法

株の根回りの大きさにより掘る深さや大きさが変わります。

ポット苗のような比較的小ぶりな苗でも50㎝~60㎝の穴は掘って植え付け、根鉢が大きい場合は根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘って植え付けます。

植え付けの際は、掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。

土質はあまり選ばない樹木ですが、極度に乾く土質では生育が悪化することがあります。

もし真砂土や山砂のような固く乾きやすい土壌の場合は、堆肥類を混ぜる前に掘り返した土の半量~3割程度の赤玉土を混ぜ保水性を高めます。

斑入りオオナワシログミ「ギルドエッジ(ギルトエッジ)」の用土の選び方

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

幼木を鉢栽培する場合は、赤玉土小粒:腐葉土=7:3を混合した土に植え替えます。

斑入りオオナワシログミ「ギルドエッジ(ギルトエッジ)」の水やり

フイリグミ「ギルドエッジ(ギルトエッジ)」の水やりは一般的な樹木の水の与え方に準じますが、根付いた後は概ね水やりの必要はありません。

ただし植えた時点から約一年間は土の状態を見つつ水を与えます。

植え替えた直後にたっぷり水を与え、特に一年目の夏だけは雨が降らない日が続くようであれば夕方にたっぷりと水を与えます。

9月末から10月以降で気温が下がり始めたら雨まかせでも大丈夫です。

斑入りオオナワシログミ「ギルドエッジ(ギルトエッジ)」の肥料の与え方
元肥

地植えの場合は植えるときに完熟有機肥料と完熟堆肥を元肥として根回りに混ぜ込みます。

もし完熟まで至っていない(発酵や未発酵の)有機肥料や堆肥の場合は、根や根鉢に直接当たらないように混ぜます。

追肥

追肥は10月~11月の開花が終わったあたりに固形の有機肥料などをお礼肥として株元から離した株の周囲に与えます。

植えて数年経った株やある程度育った樹の場合は、2月~3月頃に寒肥を施します。

樹の周囲(樹冠の真下あたり)の土を掘り返し、完熟堆肥や完熟肥料を混ぜ込みます。この際に土と一緒に根も切ることで、新根の発生も促すようにします。

斑入りオオナワシログミ「ギルドエッジ(ギルトエッジ)」の剪定

フイリグミ「ギルドエッジ(ギルトエッジ)」は自然樹形で楽しむ場合と生垣として植栽する場合で剪定が異なります。

なお前年の枝から伸びた新梢に花を咲かせるので、前年枝・新梢(当年枝)ともに剪定することが多い生垣では開花・結実させにくいことが多いです。

自然樹形の剪定

深い剪定は樹形が崩れるため、比較的浅い剪定をメインに行いつつ樹の生育や樹形に悪影響を与える枝を間引いていきます。

枝が込み合い風通しや陽当たりの悪い枝・内向きに伸びている枝・下垂している枝などを剪定し、樹形を整えます。

生垣の剪定

生育が良く樹形が乱れやすいため、剪定は6月~7月と9月~10月の2回行います。

6月~7月の剪定では、その年に伸びた枝を付け根で切るか、前年に伸びた枝のあたりで切るなどの強剪定を行います。

9月~10月の剪定では、7月以降に伸びた枝を剪定しつつ樹形を整えます。秋から翌春までは成長しないため、生垣などは綺麗に見える樹形を意識しつつ剪定します。

どちらの時期の剪定にも共通することとして、生垣の樹形のものでも本来の樹形に戻ろうと上方に太めの枝が多く出ます。

そのため見えやすい生垣側面だけでなく、上方の剪定も意識的に行うと良いです。

斑入りオオナワシログミ「ギルドエッジ(ギルトエッジ)」の増やし方

フイリグミ「ギルドエッジ(ギルトエッジ)」は「挿し木」で増やします。

挿し木

時期は6月~7月あたりに行い、その年に伸びた枝(新梢)から挿し穂を作ります。

挿し穂にする新梢は固く充実した枝を選び、枝先から10㎝前後でカットします。

土に挿さる挿し穂下側の葉を取り除いた後、良く切れるカッターやナイフで下側切り口を給水しやすいように斜めに切り、挿し穂を数時間水につけて給水させます。

鹿沼土細粒か赤玉土細粒のような清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後、挿し穂を土に挿します。

発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。ビニールなどで覆い保湿しつつ、日陰で水を与えながら管理します。

斑入りオオナワシログミ「ギルドエッジ(ギルトエッジ)」の病害虫

害虫として「ハマキムシ」「ハダニ」などが発生することがあります。

害虫

「ハマキムシ」
ハマキガという蛾の幼虫で、一枚~複数枚の葉を巻き取って幼虫が葉の内側から食害します。

巻いた葉の内側にいるため薬剤で直接退治が難しいため、被害葉を虫ごと除去するか浸透移行剤で退治します。

「ハダニ」

夏期の雨の少なく乾燥した状態で発生しやすくなります。また鉢植えで屋根下のような雨の当たりにくい環境に置いている場合も発生しやすくなります。

主に葉裏に発生し、被害が酷くなると葉裏からの吸汁のためカスリ状に葉色が悪くなり、蜘蛛の巣のような糸が葉や枝を覆います。

発生初期は葉裏から勢いよく水を吹きかけて抑えることができます。蜘蛛の巣状に糸が覆っている場合は、葉裏から水を吹きかけた後、消毒をします。

退治・治療

「ハマキムシ」「ハダニ」が発生した場合は、市販のスプレータイプの薬剤で「樹木類」または「グミの仲間」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

また草丈が1m以下での害虫類の場合は、アセフェートやクロアチニジンを含む殺虫用の浸透移行性の粒剤を撒くことで予防ができます。特にハマキムシの予防・退治に向いています。

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