コルチカム(イヌサフランの仲間)の育て方

コルチカム(イヌサフランの仲間)の基本情報

科名:イヌサフラン科 Colchicaceae
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属名:イヌサフラン属(コルチカム属)
   Colchicum
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学名:Colchicum
  (または Colchicum autumnale)
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和名:イヌサフラン(=Colchicum autumnale
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流通名:コルチカム
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英名:Autumn crocus
   Colchicum
   Meadow saffron
   Naked lady
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原産:ヨーロッパ・西アジア・北アフリカ
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開花時期:9月中旬~10月
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高さ:10㎝~30㎝
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耐暑性:強い
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耐寒性:強い
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コルチカム(イヌサフランの仲間)の特徴

コルチカムはイヌサフラン科イヌサフラン属(コルチカム属)の球根植物で、地中海沿岸地域を中心にヨーロッパ・西アジア・北アフリカなどに約160種(「Kew science」の「World Chechlist of Selected Plant Families(WCSP)」の「accepted names」より)あります。

流通するコルチカムは、和名で「イヌサフラン」の名があるコルチカム・オータムナーレ(Colchicum autumnale)やコルチカム・スぺキオサム(C. speciosum)、またはそれらの種を元にした園芸品種などです。

流通種のコルチカムは秋咲きで、気温の低下をとともに花だけを咲かせ葉は春に出るため、むき出しの球根の状態(土に植えていない状態)で開花を楽しむという他の植物にはない楽しみ方があります。

花姿は「イヌサフラン」の名の通りサフランのような形をしていますが、花色はピンク~やや紫がかったピンク、藤色などで、裸球の状態で陽の当たらない室内で咲かせた場合は白~クリーム色のような花色で開花します。

園芸品種が作られたことで野生種のような花色がピンク~藤色の一重咲きだけでなく、八重咲き品種や日差しの下でも白花で咲く品種などがあります。

秋咲きの球根植物として比較的として魅力や他の植物にない咲かせ方ができる魅力などがありますが、コルチカムの仲間はコルヒチンという有毒なアルカロイドを含むので、誤食などに注意が必要です。

コルチカム(イヌサフランの仲間)の年間生育サイクル

コルチカムは土に植えていない状態で開花させることができ、他の花にない特異な楽しみ方ができます。

花は秋に開花しますが、葉は花後すぐではなく春からでるため、他の球根植物と比べると生育サイクルが分かりにくいかもしれないので、以下にコルチカムの生育サイクルを説明します。

開花

徐々に気温が下がる初秋から花芽が活動し始め9月中旬~10月に花だけ咲きます。

土に植えていない状態では根がないですが、土に植えている場合は湿度を感じて発根しています。

葉の芽吹き

開花の時点では葉がなく、開花後に葉が芽吹きますが、ヒガンバナのように開花後すぐに芽吹かず、早春あたりから葉が出ます。

葉はその後気温が上がる初夏まで展開します。

休眠

初夏あたりまで出ていた葉は、気温が上がるとともに黄化・枯れていき晩夏まで休眠します。

土質によって植えたままでも大丈夫ですが、葉が枯れた時点で掘り上げて日陰で保管した方が良い場合があります。

なお土に植えたままでは新根が早くでるため、植えない状態で花を楽しむ場合は休眠に入った時点で掘り上げます。

コルチカム(イヌサフランの仲間)の管理と置き場所
球根状態(土に植えていない状態)の管理

球根の状態(土に植えない状態)で開花させる場合は、どんな場所でも気温が下がれば開花しますが、陽が当たる場所では花が色づき陽が当たらない場所では花が白くなります。

また球根に水をかけてしまうと発根することがあるので、球根の状態で咲かせる場合は全く水を与えません。

開花後または植え付け後の管理

入手後はすぐに庭・花壇または鉢に植え付けるか、球根の状態で花を楽しんだ場合は開花後なるべく早めに植え付けます。

コルチカムは陽当たり・風通り・排水性の良い環境が良く、特に休眠期の過湿で球根が傷むため、植えたままで越夏させる場合は排水性に気を付けて植える場所を選びます。

葉は早春から芽吹いて気温が上がる初夏まで出ていて、その後葉を枯らして休眠します。

次の開花シーズンに掘り上げた状態で開花させる場合は、葉が枯れた時点で掘り上げ、土をきれい洗いに落として(できれば消毒し)日陰で風通しの良い場所で保管します。

コルチカム(イヌサフランの仲間)の年間管理表
 
コルチカム(イヌサフランの仲間)の植え替え

入手後はすぐに庭・花壇または鉢に植え付けるか、球根の状態で花を楽しんだ場合は開花後なるべく早めに植え付けます。

地植え

球根を掘り上げることなく植えたままで周年管理する場合は、休眠期の高温多湿を避ける必要があります。

また酸性土壌では病気が発生しやすくなるため、堆肥類を混ぜる1週間前に予め苦土石灰を土壌混和して中和します。

中和後に盛り土または斜面などの排水の良い場所に植え付けるか、排水を改善するために堆肥類や軽石小粒・パーライトなどを混ぜ込み排水良く作り替えて植え付けます。

植え付ける際は地表部は夏場に地温が上がりやすいため、球根1~2個分の深さ(およそ10㎝前後)くらいのやや深めに植え付けます。

なお毎年掘り上げて管理する場合でも、上記と同様の植え方をしておけば問題ありませんが、極力前年と同じ場所を避けて植えた方が良いです。

鉢植え

コルチカムの花芽は、他の球根類のような球根内部中央ではなく球根側底部の突起部分にあります。

1個の球根に付く花芽の数は球根の大きさによって変わるため、鉢植えの際は花芽の数(球根の大きさ)によって鉢のサイズが変わります。

およその目安で花芽3~4個(大きい球根なら1個、小さい球根なら3個くらい)で、鉢のサイズは6号(直径18㎝)あたりの大きさが必要です。

鉢栽培では毎年新しい土に入れ替えるため、休眠期は土から取り出して晩夏~初秋に植えなおします。

もし土替えができない場合は、夏場の休眠期間中は風通しの良い日陰に置き、完全に断水して夏越しさせます。

コルチカム(イヌサフランの仲間)の用土の選び方

鉢栽培の場合は、市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫です。また環境や管理によっては観葉植物用の土のような排水の良い土で植えた方が多湿による根腐れなどが起きにくくなります。

土をブレンドして作る場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

コルチカム(イヌサフランの仲間)の水やり

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

また土に植えない状態で開花を楽しむ場合は水を全く与えないようにします。

球根が水で濡れてもすぐに乾く状況ならば問題ないですが、継続的に球根周囲に水や湿気がある状態では発根がはじまるため、以降は水やりを続けるか土への植え替えが必要になります。

コルチカム(イヌサフランの仲間)の肥料の与え方

コルチカムは、根の活動が始まる9月~10月と葉が展開する3月~4月にそれぞれ肥料をあたえます。

地植え

毎年掘り上げて植えなおす場合は、9月~10月の球根を植え付ける際に元肥として堆肥類とともに根が傷まないような緩効性の化成肥料を土の中に混ぜ込んで植え付けます。

以降は追肥として葉が芽吹く3月~4月に緩効性の化成肥料を株元から離した株回りに与えます。

掘り上げない場合は、9月~10月・3月~4月にそれぞれ緩効性の化成肥料を株元から離した株回りに与えます。

鉢植え

9月~10月の球根を植え付ける際に元肥として根が傷まないような緩効性の化成肥料を土の中に混ぜ込んで植え付けます。

以降は追肥として葉が芽吹く3月~4月に緩効性の化成肥料を株元から離した株回りに与えるか、液体肥料を月に2~3回与えます。

コルチカム(イヌサフランの仲間)の手入れ

環境が整っていればほとんど手入れは必要ありませんが、気温が上がり休眠に入る初夏に枯葉取りを行い、掘り上げて保管する場合は枯葉取りの時期あたりに球根を土から取り出します。

なおコルチカムの子球根は、親球根の側底部の花芽があったあたりにできます。

そのため掘り上げの際は、前年球根を植えた場所より二回り広め(葉が出ていた場所より一回り広め)に掘り上げて、子球根を気づ付けないようにします。

コルチカム(イヌサフランの仲間)の増やし方

コルチカムは球根を「分球」して増やします。

分球

コルチカムは前年の親球根は消失し、子球根はそれぞれ分かれた状態でできます。

そのため球根を分割する作業は必要なく、掘り上げた時点で別れた状態の子球根として手に入ります。

コルチカム(イヌサフランの仲間)の病害虫

土の過湿を主な原因として害虫では「ネダニ」、病気では「白絹病」が発生することがあります。

害虫

「ネダニ」
ネダニは主に高温期にでやすく、根や球根回りに寄生して加害します。特に土が過湿状態で発生しやすく、毎年同じ場所に植えることで発生しやすくなるため連作障害のひとつでもあります。

夏期は掘り上げて保管しておけば被害はありませんが、植えたままで育てる場合は梅雨~夏に多湿ならないような排水の良い土作りが重要です。

また前年植えた場所を避けることでネダニの被害を抑えることができます。

病気

「白絹病」
一般的に地表・土壌内有機物や未発酵堆肥などを原因として起きることが多く、コルチカムの場合は梅雨~夏の過湿で枯葉や前年の親球根の残骸が白絹病の原因になることがあります。

発生すると球根に水浸状の病斑と白い菌糸が広がります。

掘り上げて保管し、前年とは異なる場所に植えることで発生を抑えることができます。

また高温期の過湿で発生しやすく酸性土壌でも発生しやすいため、排水の良い土作りと苦土石灰などを土壌混和して中和し発生を抑えことができます。

退治・治療方法

「ネダニ」が発生した場合は球根掘り上げ時に「花き類」と「ネダニ」が対象になっている薬剤に浸漬して退治します。

「白絹病」は発生後の治療薬がないため、病原となる発生株を抜き取り破棄します。

また周囲は白絹病が発生しやすいので、消毒に「白絹病」が対象になっている薬剤を土壌混和するか、病原菌が減るように数年間は植え付けないようにします。

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