フリージアの育て方

フリージアの基本情報

科名:アヤメ科 Iridaceae
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属名:フリージア属 Freesia
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学名:Freesia
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原産:南アフリカ
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開花時期:11月~4月
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高さ:20㎝~80㎝
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耐暑性:弱い
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耐寒性:やや弱い
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フリージアの特徴

春に香りのよい花を咲かせ、切花としても人気のある半耐寒性の球根植物で、菖蒲のような平たい剣状の葉から細い花茎を伸ばし穂状に10輪前後の花を咲かせます。

花色は白、黄、オレンジ、薄紫、ピンク、赤など幅広く、特に白花と黄花の香りは強いです。

南アフリカのケープ地方を中心に16種の原種(アノマテカ属7種も再分類され現在23種)が自生しており、交配を重ねて150種以上の園芸品種があります。

日本には明治期に入ってきたようで、草姿から「アヤメズイセン(菖蒲水仙)」という名や、香り高く切花生産の多い黄花の種類について「アサギズイセン(浅黄水仙)」という名が付けられています。

学名のフリージアの名の由来は、デンマークの薬剤師で植物収集家であるエクロン(C.F, Ecklon)が南アフリカで採集した植物に、友人であるドイツの医師で植物学者のフレーゼ(F.H.T. Freese)に敬意を表し名付けられています。

フリージアの管理・置き場所

フリージアは陽当たりよく、風通りと排水性の良い環境で育てます。

自生地では夏場に雨が少なく乾燥し、冬も氷点下まで寒くならないため、日本の夏の多雨多湿と冬の雪・霜は苦手です。

暖地や温暖地でも雪・霜が穏やかな地域では地植えできますが、寒冷地では基本的に鉢栽培になります。

また地植えの場合は土上に腐葉土などでマルチングをすることで凍害を抑えることができます。

球根は秋から販売されますが、気温が高い時期に植え付けると芽が出て、冬の寒さで芽が傷むことがあります。球根の植え付けは最高気温が15℃以下になってから植え付けた方が良いです。

フリージアの年間管理表
 
フリージアの植え替え・植え付け

上記の通り秋から販売される球根や前年の球根を植え付ける際は、最高気温が15℃を下回ってから植え付けます。

またアヤメ科の植物は連作障害(同じ場所で同じ仲間を植え続けることで発生する生育障害)が起きるため、前年フリージアやアヤメ科の植物(ダッチアイリスなど)を植えた場所は避けて植え付けます。

庭植えの場合は排水の良い土質に変えるためにも、完熟堆肥や腐葉土などを植え付け場所に混ぜ込み土づくりを行います。

鉢植えの場合は5号鉢でおよそ5球~8球植え付け、庭植えの場合は5~10㎝間隔、深さ5㎝で植え付けます。

フリージアは草丈が80m~1mに達することもあり、花茎が伸びあがる時期から倒れやすくなるので、植え付けて芽が出た後で増し土を行い倒れにくくするか、支柱をします。

庭植えの場合では周囲にある程度草丈がある植物を植えることで、不自然さをなくしつつフリージアを支えることもできます。

翌シーズンに植える球根を残すために、開花後は花茎を取り除き葉が枯れるまで育て続けます。

葉が枯れ始めたら堀り上げて、球根に付いた土などをある程度取り除き、ネットなどに入れて日陰で風通しの良い場所で保管します。

フリージアの用土の選び方

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けてください。

鉢植えの場合は、市販の花や野菜用の培養土でも育ちますが、フリージアにとっては保水が良すぎて球根を腐らせることがあります。

市販の培養土に赤玉土や軽石の小粒を1~2割ずつ混ぜて通水を良くして植えると良いです。

またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土:バーミキュライト=6:3:1の土に植え替えもできます。

フリージアの水やり

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

春以降で葉や茎が伸び始める中で雨が降らない日が続くようであれば水を与えますが、多湿は球根を腐らせることがあるため極力乾かし気味に管理します。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

フリージアの肥料の与え方

地植え・鉢植えともに植え付ける前に元肥として緩効性肥料を植え付け場所の周囲に施します。

開花が始まる3月あたりで液体肥料などで追肥を与えます。翌シーズンに球根を植える場合は、開花後にカリウムが多めの肥料を与えると球根が充実します。

フリージアの増やし方

フリージアは球根を分球することで増やします。

分球は堀り上げる6月あたりか、植え替えの時期の11月あたりに行います。

小さな球根では開花せず親球根から栄養を取るため、子球を取り外し大きな球根だけ残して植えた方が良いです。

フリージアの病害虫

害虫として「アブラムシ」、病気として「菌核病」などが発生することがあります。

害虫

「アブラムシ」は新芽・花芽など生長点付近から広がるように発生しますが、特に極度の日陰などで発生しやすくなるため、環境改善も重要になります。

病気

「菌核病」は地際の葉から水が染みたような褐色の斑点が表れ、株を腐らせていきます。土中にいる菌核病の原因となる糸状菌の増殖が原因で、多湿や連作により発生しやすくなります。

退治・治療方法

「アブラムシ」の退治は市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と「アブラムシ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

「菌核病」は連作を控えることで発生を抑えることができます。一度発生死した場合は、株を抜き取り処分し、同じ場所に数年間は植えないようにします。

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