フヨウ(芙蓉)の育て方

フヨウ(芙蓉)の基本情報

科名:アオイ科 Malvaceae
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属名:フヨウ属(ヒビスクス属)
   Hibiscus
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学名:Hibiscus mutabilis
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和名:フヨウ(芙蓉)
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別名:モクフヨウ(木芙蓉)
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英名:Confederate rose
   Dixie rosemallow
   Cotton rose
   Cotton rosemallow
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原産:中国南部・台湾
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開花時期:8月~10月
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高さ:2~3m
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耐暑性:強い
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耐寒性:やや弱い
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フヨウ(芙蓉)の特徴

フヨウ(芙蓉)は夏の代表的な花木の一つで、暑さに負けず夏から秋にかけてピンクや白の花を咲かせ続けるアオイ科フヨウ属(ヒビスクス属)の落葉低木です。

花は他のフヨウ属にも見られるように、朝に花が開いて夜には萎む「一日花」ですが、新しい蕾を作りながら秋まで咲き続くので長く楽しめます。

中国原産の花木ですが日本へは古くから栽培されていて、半耐寒性ですが植栽できる地域も広く、温暖地・暖地の地植えはもちろん、寒い地域では冬に枝が枯れ混みますが防寒しておけば毎年花を咲かせることができます。

花はピンクや白の一重花だけでなく、八重咲きの「ヤエフヨウ(八重芙蓉=H. mutabilis ‘Flore Pleno ‘)」や、八重咲きで朝の白花から夕方のピンク花へと色変わりする「スイフヨウ(酔芙蓉=H. mutabilis ‘Versicolor ‘)」などがあります。

また近縁のアメリカフヨウ(アメリカ芙蓉または草芙蓉=H. moscheutos)との交配で多くの園芸品種が作られています。

フヨウ(芙蓉)とムクゲ(槿)の見分け方

なお同じヒビスクス属のムクゲと花が似ているため見分けがつかない場合は花の中央にある「雌蕊」を観察します。

フヨウの雌蕊は上向きに反っているのに対して、ムクゲの雌蕊は真っすぐ伸びています。

またフヨウとムクゲの葉はどちらも切れ込みがありますが、フヨウの方がやや丸くて大きく、葉の表面がざらついてマットな質感がありますが、ムクゲの葉はやや細長く小ぶりで、葉の表面はツヤがあります。

フヨウ(芙蓉)の管理と置き場所

フヨウは陽当たり・風通しの良く、腐植質に富んだ排水性の良い場所で育てます。

ただし極度に乾く土質では生育が悪化するため、もし山砂や真砂土などのような砂質の土壌の場合は適度に保水性を持たせるため赤玉土などを加えて土作ってから植え付けます。

公園の植栽に使われるように管理が楽なので、ある程度土質さえ整えておけば生育上の難点はありません。

生育が旺盛で根も太く鉢栽培では根詰まりしやすいので、基本的に地植えが育てます。

地植えの場合でも樹幅もあり根も張るので、植栽場所周辺にある程度の広さを確保して植えた方が良いです。

フヨウ(芙蓉)の年間管理表
 
フヨウ(芙蓉)の植え替え
植え替え時期

フヨウは半耐寒性なので寒さが過ぎて生育が活発になる間の時期に植え替えた方が良く、およその目安として3月~5月に植え替えた方が良いです。

植え替え方法

株の根回りの大きさにより掘る深さや大きさが変わります。

ポット苗のような比較的小ぶりな苗でも50㎝~60㎝の穴は掘って植え付け、根鉢が大きい場合は根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘って植え付けます。

植え付けの際は、掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。

もし真砂土や山砂のような固く乾きやすい土壌の場合は、堆肥類を混ぜる前に掘り返した土の半量~3割程度の赤玉土を混ぜ保水性を高めます。

フヨウ(芙蓉)の用土の選び方

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

主に庭植えで育てますが、短期的に鉢栽培する場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3を混合した土に植え替えます。

フヨウ(芙蓉)の水やり

フヨウの水やりは一般的な樹木の水の与え方に準じます。

概ね天候に任せた水やりとなりますが、植えた時期から一年間は土の状態を見つつ水を与えます。

特に植え替えた直後にたっぷり水を与え、一年目の夏だけは雨が降らない日が続くようであれば夕方にたっぷりと水を与えます。

9月末から10月以降で気温が下がり始めたら、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

フヨウ(芙蓉)の肥料の与え方
元肥

植えるときに完熟有機肥料と完熟堆肥を元肥として根回りに混ぜ込みます。

もし完熟まで至っていない(発酵や未発酵の)有機肥料や堆肥の場合は、根や根鉢に直接当たらないように混ぜます。

追肥

7月~9月にリン酸が多めの緩効性の化成肥料か有機肥料を1ヵ月に1回の頻度で株元から離した株回りに与えると、花付きが良くなります。

寒肥

植えて数年経った株やある程度育った樹の場合は、2月中旬~3月中旬(暖地は12月~2月)の間頃に寒肥を施します。

樹の周囲(樹冠の真下あたり)の土を掘り返し、完熟堆肥や完熟肥料を混ぜ込みます。この際に土と一緒に根も切ることで、新根の発生も促すようにします。

フヨウ(芙蓉)の手入れ

フヨウの開花は春から伸びた新梢に花を咲かせるため、剪定を行う場合は落葉後から芽が動く3月~4月までに剪定を行い、芽が出る場所が残っていれば剪定の程度によらず開花します。

関東以西の暖地・温暖地では落葉後の枝が生きたまま越冬して芽を出し、寒地は枝が寒さで枯れ込み地際から芽を出すので、枝が枯れ混む地域は根元を防寒する必要があります。

剪定

温暖地や暖地などの冬に地上部が残る地域は、落葉期に株全体を見ながら込み合った枝を剪定します。

特に込み入った箇所は太い幹でも地際からノコギリなどで切り取り、株全体に陽が当たるようにします。

樹高を抑えたい場合は、株元周辺(地際20㎝前後)だけを残し刈り込むことで樹高・樹幅を大幅に抑えることができます。

防寒

冬に枝が枯れ混む地域は、株元(地際から20㎝前後)の枝を残して刈り込んで、株元が隠れるように藁や落ち葉などで覆って防寒します。

フヨウ(芙蓉)の増やし方

フヨウは挿し木・種まきで増やします。

挿し木

フヨウは当年の新枝で挿し木をしますが、暖かい地域では前年枝を使った挿し木も行えます。

当年枝で挿し木をする場合は5月~6月・9月~10月に行い、前年枝で挿し木をする場合は3月~4月に行います。

なお5月~6月に挿し木を行う場合は、全体的に枝が若いため枝を選ぶ際は固く充実した枝を選ぶようにします。

当年枝・前年枝ともに15㎝前後でカットし、当年枝の場合は葉を5枚前後残して挿し穂下側の葉を取り除きます。

葉からの蒸散を抑えるため各葉を半分に切って、茎は良く切れるカッターやナイフで下側切り口を給水しやすいように斜めに切り、挿し穂を数時間水につけて給水させます。

鹿沼土細粒か赤玉土細粒のような清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後、挿し穂を土に挿します。

発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。ビニールなどで覆い保湿しつつ、日陰で水を与えながら管理します。

種まき

開花後にできる実の中に綿毛が少し生えた種ができます。実は熟すと茶褐色に変色し割れて種が散るため、種が散る前に実から採種します。

取り出した種は、すぐに種まきするか、乾かないように湿らせた土中で保管し翌年の3月に種まきします。

土質さえ合っていればばら撒きでも芽は出ますが、雑草との違いが分からなくなるため、市販の種まき用土か花用の土に撒くことをお勧めします。

種まきの土や花用の土をポットに入れて、1~3粒ずつ種を撒き、軽く覆土します。たっぷりと水を与えた後、発芽するまで明るい日陰に置きます。

複数の種を撒いた場合は、発芽後に苗の生育にあわせて間引きしていきます。この間引きの際は土から引き抜くのではなく、ハサミなどで切ります。

本葉が3~4枚くらいの苗に育ったらポットに植え替えます。ポットで苗を大きく育てた後に定植する際は根が回る前に植え替えします。

フヨウ(芙蓉)の病害虫

害虫として「ハマキムシ」などが発生することがあります。

害虫

「ハマキムシ」はハマキガという蛾の幼虫で、一枚~複数枚の葉を巻き取って幼虫が葉の内側から食害します。

巻いた葉の内側にいるため薬剤で直接退治が難しいため、被害葉を虫ごと除去するか浸透移行剤で退治します。

退治・治療

「ハマキムシ」が発生した場合は、市販の薬剤またはスプレータイプの薬剤などで「樹木」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

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