ヒルデウィンテラ・カラデモノニス(クレイストカクタス・ウィンテリ・カラデモノニス)の育て方

ヒルデウィンテラ・カラデモノニスの基本情報

科名:サボテン科 Cactaceae
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属名:クレイストカクタス属
   Cleistocactus
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学名:Cleistocactus winteri subsp. colademono
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異名(Synonym):
   Cleistocactus colademononis
   Hildewintera colademononis
   Winterocereus colademononis
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原産:ボリビア(フロリダ州 セロ・エル・フライレ山)
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高さ:~2.5m
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耐暑性:やや強い
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耐寒性:やや弱い
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ヒルデウィンテラ・カラデモノニスの特徴

白く柔らかい棘が茎を覆い、動物の尻尾を思わせるような姿で育つサボテンの一種です。英名ではモンキーズテイルカクタス(Monkey’s Tail Cactus)やラットテイルカクタス(Rat Tail Cactus)でやはり国に関わらず尻尾をイメージするようです。

最初期に付けられた学名はヒルデウィンテラ・カラデモノニス(Hildewintera colademononis)でしたが、2006年にはクレイストカクタス属の一種としてまとめられ、現在のところはクレイストカクタス・ウィンテリ(Cleistocactus winteri)の亜種としてクレイストカクタス・ウィンテリ・カラデモノ(Cleistocactus winteri subsp. colademono)の学名が正名となっているようです。ただし現在でもヒルデウィンテラの名で店頭に並ぶこともあります。

ボリビアのフロリダ州にあるセロ・エル・フライレ山固有種で標高1300~1500mあたりの岩などに垂れ下がるように自生しているようです。

ヒルデウィンテラ・カラデモノニスの管理/置き場所

ヒルデウィンテラ・カラデモノニスは陽当たり良く、風通りの良い環境が理想です。白く長い棘が日差しを弱める効果があるため、光量が少ない状況では著しく生育が悪くなります。

自生地の標高が高いため暑さを嫌いそうですが、夏の35℃の環境下でも十分生育しています。

ただし水やりなどで多水ぎみに管理している場合は、茎が肥大し茎表面が直射日光にさらされ葉焼けを起こすことがあります。

密に茂る棘もあり比較的寒さにも強い方ですが、株の痛みを避けるため最低気温が5℃を下回るまでには屋内の陽当たりの良い場所へ移動します。

開花は5月末から6月で、下垂する茎に朱赤~赤色の花が咲きます。

ヒルデウィンテラ・カラデモノニスの年間管理表
 
ヒルデウィンテラ・カラデモノニスの植え替え

春から夏までの期間で、鉢が手狭な場合や株のバランスが悪くなり転倒しやすい場合などは植え替えを行います。

9月~10月に植え替えも可能ですが、冬が間近に迫る時期なので性急に植え替える理由がない場合は翌春以降に行うか、植え替える場合でも鉢のサイズアップは一回りまでにした方が良いです。

ヒルデウィンテラ・カラデモノニスは地表を這うか枝垂れるように茎を伸ばすため、ハンギングポット(吊り下げ鉢)などで育てると管理しやすいです。

また置き鉢で管理している場合でも茎が伸びてバランスが崩れ転倒しないよう固定する工夫が必要です。

ヒルデウィンテラ・カラデモノニスの用土の選び方

ヤシ繊維のような通気性の良い材質で植え替えが良いです。またヤシ繊維は軽いためハンギングポットの重量を軽くできる利点もあります。

ヤシ繊維の粒径は粉末状より粒が視認できるくらいの大きさのものが排水が良く根腐れが起きにくくなります。

ヒルデウィンテラはサボテンの仲間ですが、市販のサボテン用の培養土で目の細かい砂質の物の場合は、ヒルデウィンテラにとっては保水性が良すぎるため使用を避け、粒径の荒いものを使用した方が良いです。

もし市販の観葉植物用の培養土の場合は、サボテン培養土と同じく保水性が良すぎるため軽石や鹿沼土の小粒をそれぞれ2割程度混ぜると排水が良くなり根腐れなどの失敗が少なくなります。

ブレンドする場合は硬質赤玉土小粒:軽石小粒:鹿沼土小粒:ヤシ繊維=4:2:2:2の土に植え替えもできます。

土類を使った植え替えは重量がでるため吊り下げる場合にはやや難がありますが、置き鉢の場合は転倒しにくくなるという利点があります。

ヒルデウィンテラ・カラデモノニスの水やり

冬期は屋内で水やりを控えぎみに管理し、春から秋までは屋外で鉢土の渇きに応じて水やり・肥料やりを行っていきます。

冬期の屋内管理では、使用している用土によって変わりますが、鉢土が乾いてから10日~2週間後に水を与えます。

暖房の状況(特に床暖房や夜間も暖房をつけ続けている場合)は鉢土が乾いてから5日~1週間くらいに水やり周期が短くなることもあります。

春に屋外に出した後は、鉢土の表面の乾きを目安に徐々に水やりの頻度を増やし、夏期は鉢土の乾きに応じて水を与えます。

注意としては梅雨時期の長雨時は屋根下に移すなどの対策をした方が良いです。

雨量が多いと茎が太くなり茎表面が露出するため、梅雨明け時の直射日光で葉焼けを起こしやすくなります。

秋に向かって気温の低下に合わせて水やりの頻度を減らし、室内管理の水やりへ移行します。

ヒルデウィンテラ・カラデモノニスの肥料の与え方

肥料やりは抑えぎみの方が美しく育ちますが、植えこみ材料がヤシ繊維の場合はやや保肥力が落ちるため、5月~9月までの生育期は月に一度の置き肥を与えます。

ヒルデウィンテラ・カラデモノニスの増やし方

ヒルデウィンテラ・カラデモノニスは挿し木で増やします。

挿し木適期は5月~9月の生育期が理想です。枝を10㎝以上の長さで切り取り、挿し穂を日陰で風通しの良い場所に4~5日くらい置き切り口を乾かします。

なお置くときは、切り口が周囲に接触して雑菌が付かないように気を付けます。

切り口が十分乾いたら植え替えに用いる材質と同じものに、挿し穂の1/3の長さまで差し込みます。

差し込み後に茎が倒れないように軽く植え込み材を押さえて固定し、明るい日陰に置いて水を与えて管理します。

ヒルデウィンテラの根は切り口より茎の側部から出るので、長めに切り取った挿し穂または親株から切り離さず茎をそのまま土の上に置いて針金などで固定することでも根が出ます。

挿し木用の土はベラボンのようなヤシの繊維でも可能です。雑菌が少なく排水・通気も良く失敗が少ないです。

挿し木後1年間は茎はあまり伸長しませんが、翌シーズンからは親株同様の成長を始めます。

画像を含む詳しい説明は以下のリンク先を参照してください。

 

ヒルデウィンテラ・カラデモノニスの病害虫

病害虫に強いですが、「カイガラムシ」「ネジラミ」が発生することがあります。

害虫

「カイガラムシ」は数㎜程度の小さな茶褐色の斑点が広がり、被害が酷いとカサブタ状に被害後が残ったり、すす病を併発します。

白く長い棘で守られているためか被害頻度を高くないですが、棘で見えにくいため一度発生すると被害が悪化するまで気が付きにくいという欠点もあります。

陽当たりや風通しの悪い場所では特に被害が酷くなりやすいので注意が必要です。

「ネジラミ」は地上部では変化に気づきにくいですが、植え替えの際に根や鉢の内縁に白い綿状や粉上の付着物があることで気づくことができます。

いづれの害虫も吸汁して植物の体力を奪いますので、気づき次第薬剤で退治するか、あらかじめ予防をして下さい。

長い棘に妨げられスプレータイプの薬剤の効果がでにくいですが、アセフェートやクロアチニジンを含む粒剤などを鉢内に撒くことでどちらの害虫も予防と退治ができます。

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