ナノハナ(菜の花)/アブラナの仲間の育て方

 ナノハナ(菜の花)の基本情報

科名:アブラナ科 Brassicaceae
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属名:アブラナ属(ブラッシカ属) Brassica
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学名: Brassica rapa var. nippo-oleifera(=アブラナ)またはBrassica napus(=セイヨウアブラナ)など
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和名:アブラナ(油菜)
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別名:ナタネ(菜種)ナバナ(菜花)、ナノハナ(菜の花)
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原産:北ヨーロッパ~西アジア
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開花時期:2月中旬~4月上旬
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高さ:50㎝~1.2m
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耐暑性:やや弱い
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耐寒性:やや強い
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 ナノハナ(菜の花)の特徴

一般的に「菜の花」と呼ばれているものは、アブラナ(Brassica rapa var. nippo-oleifera)とセイヨウアブラナ(Brassica napus)を主に指しますが、黄色い花を咲かせるアブラナ属の植物の総称として使わることも多いです。用途に応じて名前も様々で、アブラナ(油菜=植物名)、ナタネ(菜種=採油などを目的とした作物名)、ナバナ(菜花=蕾を食用とする場合の野菜名)などがあります。

農耕文化とともに日本に伝わった在来種のアブラナ(Brassica rapa var. nippo-oleifera)は葉が柔らかくナバナとして食用にされるほか、変異の幅も広くミズナ(B. rapa var. nipposinica)、ハクサイ(B. rapa var. pekinensis)などもアブラナの変異種でアブラナ同様に黄色の花が開花しナバナとして食用にもできます。

明治初期に導入され、現在採油用や肥料として栽培されるナタネはアブラナより採種量が多いセイヨウアブラナを栽培することが主です。セイヨウアブラナも食用にされますが、ナバナとして食用にする場合はアブラナより葉質が固いため若い段階の蕾を摘み取ることが多いです。またセイヨウアブラナから改良された「のらぼう菜」という伝統野菜もあります。

アブラナがナバナとして栽培される場合は蕾を収穫されるため、菜の花畑として見られるものの多くはセイヨウアブラナであることが多いです。

 ナノハナ(菜の花)の管理/置き場所

アブラナの仲間は上記の通り目的に応じて管理に若干の違いがでてきますが、ナノハナとしてここでは花を観賞を主として説明します。

ナノハナは陽当たりよく、風通りと排水性の良い土など過湿を避ける環境で育てて下さい。

秋から種を撒き、冬を越して春に開花しますが、開花期は暖かい地域で2月上旬~3月上旬、寒い地域で3月中旬~4月上旬で地域によって開花期に幅があります。

開花が進むとともに種もついていき5月末から6月あたりに種が熟すとともに株が黄化し枯れていきます。

 ナノハナ(菜の花)の育て方/年間管理
 ナノハナ(菜の花)の植え方

9月中旬~10月にかけて種を撒きます。前年ナノハナを育てた場所は連作障害が発生することがあるので避けて場所選びをします。

種まきの3~4週間前に石灰を混ぜ良く耕します。1~2週間前に堆肥や有機肥料を混ぜて再度良く耕し土の準備をします。土が固いと疎らに発芽したり、極端に草丈が低い株になるため、堆肥を混ぜたり耕すなどの作業はしっかり行ってください。また完熟している堆肥や有機肥料、苦土石灰の種類によっては準備期間を短縮することができます。

ペットボトルの底や缶の底などを使って1㎝程度の穴を15㎝間隔くらいであけ、3粒ずつ種を撒いて軽く土を被せます。

種まき後十分に水を与え、発芽後に本葉が2~3枚に育ったあたりで、3粒撒いた芽のうち株のしっかりしたものを残し、残りの芽をハサミで切り取ります。以降残った株を育てていきます。

 ナノハナ(菜の花)の水やり/肥料の与え方

水やり:ナノハナの水やりは一般的な花壇の花の水の与え方に準じます。

芽が出てから気温が下がるまでの間で雨が降らない日が続くようであれば土の表面の乾きを確認しつつ水を与えて下さい。気温が下がる10月あたりからは、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

肥料:ナバナとして収穫する場合は開花時から追肥を与えることがありますが、観賞用にナノハナを育てる場合は概ね元肥だけで十分育ちます。

 ナノハナの増やし方

ナノハナは種まきで増やします。

市販の種を購入するか、晩春に育てた株から種を採種してください。採種する場合は、気温が上がるとともに株が黄化し始めたら刈り取り、逆さに吊り干しして全草を乾かします。

乾燥後に鞘から種を取り出して夏期は冷暗所で保管し、秋から種まきを行います。

 ナノハナの病害虫

ナノハナの病害虫は「アブラムシ」「アオムシ(モンシロチョウの幼虫)」が発生することがあります。

「アブラムシ」は葉裏や蕾などから発生します。風通しが悪い場所や油粕などの窒素肥料過多で発生量が増えることがあるので、あらかじめ育てている環境を整えておくと良いです。

「アオムシ」は種まき後の初秋と翌春に発生します。被害が酷くなる前に捕殺か消毒を行ってください。

どちらの害虫の場合でも、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

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