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ムラサキシキブの基本情報
科名:シソ科 Lamiaceae
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属名:ムラサキシキブ属 Callicarpa
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学名: Callicarpa japonica
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原産:日本列島、台湾、朝鮮半島
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観賞期間:9月~11月(開花時期:6月)
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高さ:2m~3m
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耐暑性:強い
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耐寒性:強い
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ムラサキシキブの特徴
ムラサキシキブは秋に青紫色の小実を枝に枝先に実らせます。実の色は鮮やかで、観賞期間も長く、日本近隣の山野に自生する低木ですが観賞用として親しまれています。
ムラサキシキブは北海道から琉球列島まで自生しており変異の幅も広く、園芸種として実の白いシロシキブなどがあります。
また実の大きい変異種にオオムラサキシキブ(Callicarpa japonica var. luxurians)や近縁種のコムラサキ(Callicarpa dichotoma)などがあり、園芸的にムラサキシキブと呼ばれるものはコムラサキのことが多くあります。
ムラサキシキブの管理と置き場所
ムラサキシキブは西日を避けた陽当たりか明るい日陰がよく、風通りと排水性の良い環境で育てて下さい。ただ乾燥は嫌うため砂質の土壌のような極度に乾く環境は避けてください。
落葉低木ですが、冬期は落葉しますが、暑さや寒さに強いため年間通して屋外で育てることができます。
6月に開花し、9月から11月に実が紫に色づきます。
ムラサキシキブの年間管理表
ムラサキシキブの植え替え
ムラサキシキブ植え替えの適期は他の落葉樹と同じく落葉後の休眠期が適期です。
9月~11月に実付きの鉢物や苗を購入した場合は、適期まで待ってから植え替えても良いですが、根が張っている株の場合は水切れしやすいので購入後に一回り大きな鉢、または花壇などに植え替えると良いです。
地植えの場合はその後は特別に植え替えなどは必要ありません。
鉢植えの場合は、成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、年に一度は植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。
ムラサキシキブの用土の選び方
市販の花や野菜用の培養土でも大丈夫ですが、バラの土や観葉植物用の土のような排水の良い用土の方が良く育ちます。
またブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えもできます。
庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。
ムラサキシキブの水やり
庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は概ね雨まかせで大丈夫です。
鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
ムラサキシキブの肥料の与え方
ムラサキシキブは鉢植えの場合は肥料切れしやすいため、開花後の6月と冬期の寒肥を与えます。
地植えの場合はそれほど肥料を必要としませんが、肥料欠乏した際に実付きが悪くなるため上記と同じ時期に与えると良いです。
肥料を与える頻度はお持ちの肥料の説明に準じたほうが良いですが、鉢植えで置き肥を与えるなら月に1度は与えた方が良いです。
ムラサキシキブの剪定・刈り込み
低木のため剪定は必要ありませんが、茂りすぎた場合には剪定か刈り込みを行います。
時期は6月の開花後に行うか、冬に伸びすぎた枝を取り除くように切り取ります。
ムラサキシキブの増やし方
ムラサキシキブは「挿し木」「種まき」で増やします。
挿し木
挿し木は3月あたりに行います。
前年の充実した枝を2~3節ほどで切り取り、挿し穂を水につけて給水させます。
鹿沼土かバーミキュライトのような清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後に挿し穂を土に挿します。発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。
用土に挿した後は日陰で水を与えながら管理します。
新芽が出始めたら発根したと考えられますので、根を傷めないよう土ごと苗を取り出し植え替えします。
種まき
種まきをする場合は、秋に実を採種して果肉を洗い、翌年の3月~4月までに種まきします。
元々山野の木なので、土質さえ合っていればばら撒きでも芽は出ますが、雑草との違いが分からなくなることもあるので、市販の種まき用土か花用の土に撒く方が失敗しにくくなります。
種まきの土や花用の土をポットに入れ、3粒ずつ種を撒いて軽く覆土し、たっぷりと水を与えた後は発芽するまで明るい日陰に置きます。
発芽後に苗の生育にあわせて間引きしていきます。
この間引きの際は土から引き抜くのではなく、ハサミなどで切った方が良いです。
本葉が3~4枚くらいの苗に育ったらポットに植え替えます。ポットで苗を大きく育てた後に定植する際は根が回る前に植え替えします。
ムラサキシキブの病害虫
病害虫に極めて強いですが、日照不足や風通りが悪いと害虫として「カイガラムシ」、病気として「うどんこ病」等の病害虫が発生することがあります。
害虫
「カイガラムシ」
通常カイガラムシの退治では親虫の退治に時間がかかるため、消毒の前に柔らかい布や使い古しの歯ブラシなどで親虫をある程度取り除いてから薬剤をかけます。
ただ地植えの場合は株が大きく育っていて手作業で取り除くことが難しくなるため、消毒薬を満遍なく噴霧することで退治した方が良いです。
病気
「うどんこ病」
葉の表面に粉状の白い斑紋が発生します。被害が酷いと葉が委縮したり、光合成に悪影響を及ぼします。
陽当たりと風通しが悪い場所(陽当たりと風通しが悪い枝)に発生しやすいため、剪定などで環境改善を行うことで、発生しにくい環境づくりも大事になります。
退治・治療方法
各病害虫が発生した場合は、市販の薬剤またはスプレー剤で「樹木(類)」の登録と対象病害虫が記載されている薬剤を使って退治します。