キョウチクトウ(夾竹桃)の育て方

キョウチクトウ(夾竹桃)の基本情報

科名:キョウチクトウ科 Apocynaceae
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属名:キョウチクトウ属(ネリウム属)
   Nerium
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学名:Nerium oleander var. indicum
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異名(Synonym):Nerium oleander(=セイヨウキョウチクトウ)
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和名:キョウチクトウ(夾竹桃)
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別名:ハンネンコウ(半年紅)
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英名:oleander
   Nerium
   Rosebay
   Rose laurel
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原産:不確定(地中海周辺地域~中国南部と考えられている)
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開花時期:6月下旬~8月
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高さ:2m~6m
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耐暑性:強い
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耐寒性:やや強い
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キョウチクトウ(夾竹桃)の特徴

キョウチクトウ(夾竹桃)はキョウチクトウ科に1属1種のみの常緑低木~中木で、初夏から晩夏にかけて花を咲かせる夏の代表的な花木の一つです。

世界中の温帯から亜熱帯地域に植栽され、周辺地域にも野生化しているため、厳密な自生地は不明ですが、地中海周辺地域~中東または地中海周辺地域~中国南部までの温帯・亜熱帯地域と考えられています。

江戸中期に編纂された「和漢三才図会」に記載があることから江戸中期には日本に伝わっていたようで、暖地~寒冷地の一部までの幅広い地域で見かけることができます。

特に病害虫に極めて強く大気汚染にも強いことから工場周辺の植え込み・路側帯・公園など幅広く植栽されています。

身近な植物ですが有毒植物でもあるため剪定や枝葉の処分などに注意する点があります。

一方で園芸品種も多く花形は一重~八重、花色は赤・ピンク・白・オレンジなどの花色の品種や、クリーム~黄色の斑入葉品種などもあり、管理の容易さと数少ない夏の花木という魅力も加わると、注意しつつも庭木として魅力のある花木です。

キョウチクトウ(夾竹桃)の毒性と注意点

キョウチクトウは全草に強心作用のある有毒成分があり、葉や樹液を経口摂取した場合は危険です。

また枝や茎が折れると白い乳液が出て、触れるとかぶれることがあります。

小さな子供がいる場合は家庭での庭木植栽は避けた方が良いですが、比較的身近なかつ有名な花木なので極度に恐れたり避けることより、性質を良く知ることが重要です。

作業の注意点

●剪定など樹液が出る作業を行う場合は、手袋・長袖の服・メガネなど直接触れない服装で作業する。

●生木を燃やした煙にも有毒成分が含まれるため、自宅で燃やさず燃えるゴミとして出すか、人が吸い込まないような十分広い空間で燃やす。

●食用の植物を育てる畑を作る場合は、キョウチクトウが植栽されていた場所やキョウチクトウの葉が入った堆肥類を使わないようにする。

キョウチクトウ(夾竹桃)の植栽利用

キョウチクトウは土質をあまり選ばず、大気汚染に強いため工場地帯周辺の植栽や高速道路などの路側帯、公園や市街地緑化などの植栽に多用されています。

またキョウチクトウは、かつて被爆と焦土の広島市でいち早く花を咲かせたことから復興の象徴として広島市の花に指定されています。

キョウチクトウ(夾竹桃)の管理と置き場所

キョウチクトウは直射日光の良く当たる風通しと排水の良い場所で育てます。

また土質はあまり選びませんが極度に乾く土質では生育が悪化するため、もし山砂や真砂土などのような砂質の土壌の場合は適度に保水性を持たせるため赤玉土などを加えて土作ってから植え付けます。

街路樹や公園の植栽に使われるように性質は管理は楽なので、ある程度土質さえ整えておけば生育上の難点はありません。

低木ですが樹高・樹幅ともに良く茂り、根も張りやすいので鉢栽培は行わず地植えで育てた方が良いです。

キョウチクトウ(夾竹桃)の年間管理表
 
キョウチクトウ(夾竹桃)の植え替え
植え替え時期

キョウチクトウの自生地と考えられている地域は比較的温暖なので、寒い時期を避けて春(4月~6月)または秋(9月)に植え替えます。

暖地や温暖地で霜が緩やかな地域は3月~6月・9月~10月での植え替えもできます。

植え替え方法

株の根回りの大きさにより掘る深さや大きさが変わります。

ポット苗のような比較的小ぶりな苗でも50㎝~60㎝の穴は掘って植え付け、根鉢が大きい場合は根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘って植え付けます。

植え付けの際は、掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。

もし真砂土や山砂のような固く乾きやすい土壌の場合は、堆肥類を混ぜる前に掘り返した土の半量~3割程度の赤玉土を混ぜ保水性を高めます。

キョウチクトウ(夾竹桃)の用土の選び方

完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

一時的に鉢栽培する場合は、赤玉土小粒:腐葉土=7:3を混合した土に植え替えます。

キョウチクトウ(夾竹桃)の水やり

キョウチクトウの水やりは一般的な樹木の水の与え方に準じます。

概ね天候に任せた水やりとなりますが、植えた時期から一年間は土の状態を見つつ水を与えます。

特に植え替えた直後にたっぷり水を与え、一年目の夏だけは雨が降らない日が続くようであれば夕方にたっぷりと水を与えます。

9月末から10月以降で気温が下がり始めたら、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

キョウチクトウ(夾竹桃)の肥料の与え方

植えるときに完熟有機肥料と完熟堆肥を元肥として根回りに混ぜ込みます。

もし完熟まで至っていない(発酵や未発酵の)有機肥料や堆肥の場合は、根や根鉢に直接当たらないように混ぜます。

植えて数年経った株やある程度育った樹の場合は、2月の間頃に寒肥を施します。

樹の周囲(樹冠の真下あたり)の土を掘り返し、完熟堆肥や完熟肥料を混ぜ込みます。この際に土と一緒に根も切ることで、新根の発生も促すようにします。

キョウチクトウ(夾竹桃)の剪定

キョウチクトウは春から伸びた新梢に花を咲かせるので、剪定や刈り込みは花が咲き終わった9月あたりから寒くなるまでの間に行います。

暖地や温暖地でも霜が緩やかな地域であれば厳寒期を除く9月~3月に行います。

なお剪定時に出る白い乳液に触れると被れるので、手袋・長袖・メガネなどの肌に樹液が触れないような服装で作業を行います。

キョウチクトウ(夾竹桃)の増やし方

キョウチクトウは挿し木・採り木・株分けで増やします。

挿し木・採り木・株分けなどの作業も剪定と同じく樹液が肌に触れないように手袋などを着用して作業します。

挿し木

時期は6月~7月あたりに行い、その年に伸びた枝(新梢)から挿し穂を作ります。

挿し穂にする新梢は固く充実した枝を選び、枝を15㎝前後でカットします。

土に挿さる挿し穂下側の葉を取り除いた後、良く切れるカッターやナイフで下側切り口を給水しやすいように斜めに切り、挿し穂を数時間水につけて給水させます。

鹿沼土細粒か赤玉土細粒のような清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後、挿し穂を土に挿します。

発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。ビニールなどで覆い保湿しつつ、日陰で水を与えながら管理します。

採り木

時期は挿し木と同じく6月~7月に行います。

取り分けたい枝の境にある部分の長さ数㎝・枝一周分の樹皮をカッターなどで一周剥がします。

剥がした箇所に湿らせた水苔で巻き、さらに透明または半透明のビニールなどで覆って上端・下端をゴムや紐で縛って留めま。

以降は水苔が乾かないように適宜湿らせて数か月管理し、ビニール表面に根が確認できたら切り取って植え替えます。

株分け

キョウチクトウは株が大きく育つと地際から芽を出して株立ちになります。

4月~6月に地際から生えている枝を根が付くように1本~複数本分掘って取り分けます。

なお取り分けの際に地下の茎や枝は固くて手で分けることが難しいのでノコギリや剪定バサミなどで切り分けます。

キョウチクトウ(夾竹桃)の病害虫

病害虫に強くあまり悩まされることはありませんが、害虫として「アブラムシ」、病気として「炭疽病」などが発生することがあります。

害虫

「アブラムシ」は春から黄色~オレンジ色のキョウチクトウアブラムシという種類のアブラムシが新芽に発生します。

被害が酷いと枝の成長が止まり花が咲かなくなったり、すす病などの病気を併発します。

風通しが悪い場所や油粕などの窒素肥料過多で発生量が増えることがあるので、育てている環境の改善も行うと良いです。

病気

「炭疽病」は糸状菌(カビ類)による病気で、黒褐色の病斑から始まり病斑が大きくなると中心は灰褐色に変わります。

発生は春から始まりますが、湿度が高くなる梅雨あたりから発生量が増えることがあります。

込み入った枝葉を切り取り風通しを良くすることで発生を抑えることができます。

退治・治療

「アブラムシ」「炭そ病」が発生した場合は、市販の薬剤で「樹木」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

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