ツルコケモモ/クランベリーの育て方

 ツルコケモモ/クランベリーの
 基本情報

科名:ツツジ科 Ericaceae
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属名:スノキ属 Vaccinium
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学名: Vaccinium oxycoccos
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和名:ツルコケモモ(蔓苔桃)
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原産:北アメリカ、ヨーロッパ、アジアなどの北部地域
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収穫時期:9月~10月
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高さ:~20㎝
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耐暑性:弱い
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耐寒性:強い
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 ツルコケモモ/クランベリーの特徴

クランベリージャムやクランベリーソースなどで名前を耳にすることがあるけれど実物を見る機会は少ないかもしれないクランベリーですが、店頭に実付きの鉢物などが並ぶので実は見るだけでなくお家で育てることもできます。

クランベリーと呼ばれる果実はツルコケモモ(Vaccinium oxycoccos)、ヒメツルコケモモ(Vaccinium microcarpum)、オオミコケモモ(Vaccinium macrocarpon)の3種を指すか、アクシバ(Vaccinium japonicum/Vaccinium erythrocarpum)の仲間を含めた4種を指します。

近縁種にコケモモ(Vaccinium vitis-idaea)という種がありますが、ツルコケモモよりも暑さを嫌うため平地での栽培は難しく店頭に並ぶことはほぼありません。

どの種類も香りは良いですが酸味が強く、生食よりはジャムや砂糖漬け、ソースなど加工食品に向いています。

 ツルコケモモ/クランベリーの
 管理/置き場所

基本的に寒冷地の果樹のため寒さには強いですが、夏の暑さは嫌います。暖地・温暖地の平地の場合、夏場は直射日光を避け明るい日陰で風通しの良い場所へと移動させた方が良いです。

夏場を日陰にするので、秋から春は十分日光に当たる場所で育てて株の充実させます。

花は5月~6月あたりにピンクの小さな花を咲かせて着果し、1㎝くらいの小果実へと育ち、9月~10月にかけて赤く色づきます。暖地・温暖地では果実が育つ夏の時期に日陰で育てることになるので、寒冷地ほどの風味はでないようです。実際に育てて食べた経験からは香りはある程度ありましたが酸味はやや薄いように感じました。

 ツルコケモモ/クランベリーの
 育て方/年間管理
 ツルコケモモ/クランベリーの
 植え替え

植え替えの適期は3月~4月で、鉢に対して株が大きくなりすぎた場合は一回りから二回り大きな鉢へと植え替えます。およそ2年に一度の頻度では植え替えた方が良いです。

また根が細かいため根詰まりを起こした株を植え替えると、根が外へと伸びていかない場合があります。根詰まりの場合は、鉢やポットから外した状態での鉢土の下部や上部を少しだけ解してから植え替えを行ってください。

 ツルコケモモ/クランベリーの
 用土の選び方

ツルコケモモを含むツツジ科の仲間は酸性の土を好み、ツルコケモモも寒冷地の湿地帯や水苔等が生える酸性地に自生しています。ブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土:鹿沼土小粒:無調整ピートモス=4:2:2:2の土に植え替えるか、ブルーベリー用の培養土のような酸性に調整された培養土での植え替えが良いです。

寒冷地や温暖地の高地の場合で庭や花壇に植える際には、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥とともに鹿沼土やピートモスのような酸性にできる土質改良剤を混ぜてから植え付けてください。

 ツルコケモモ/クランベリーの
 水やり/肥料の与え方

基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。

根が細かいため根詰まりを起こしている場合に土へ水が通りにくくなります。また植え込み時に混ぜるピートモスは一度乾ききると水が染み込みにくくなります。もし根詰まりや乾きすぎた場合は、鉢を浸水させて鉢内に十分水を染み込ませるなどを行ってください。

鉢植えの場合の肥料は2月、6月~7月、9月に一度ずつ有機肥料などを与えて下さい。庭植えの場合は2月、9月にそれぞれ有機肥料を与えて下さい。

 ツルコケモモ/クランベリーの
 増やし方

ツルコケモモは株分けか挿し木で増やします。

株分け・挿し木ともに3月あたりに行います。株分けは植え替えのタイミングに合わせて行うと良いです。鉢土を1/2~1/3で分けて植え替えを行いますが、分ける際にそれぞれに数株残るように分けた方が良いです。

挿し木は前年の充実した枝を10~15㎝ほどで切り取り下葉を取ります。その後、挿し穂を水につけて給水させます。鹿沼土のような清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後、挿し穂を土に挿します。発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。

日陰で水を与えながら管理します。新芽が出始めたら発根したと考えられますので、根を傷めないよう土ごと苗を取り出し、植え替えします。

 ツルコケモモ/クランベリーの
 病害虫

病害虫に極めて強く、特別な対策は必要ありません。

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