エンゼルストランペット/キダチチョウセンアサガオの育て方

 エンゼルストランペットの
 基本情報

科名:ナス科 Solanaceae
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属名:キダチチョウセンアサガオ(ブルグマンシア)属 Brugmansia
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学名: Brugmansia
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原産:熱帯アメリカ
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開花時期:5月~10月
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高さ:1㎝~3m
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耐暑性:強い
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耐寒性:やや弱い
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高さ3mの木立となりラッパのような大型の花を垂れ下がらせるように咲かせ「エンゼルストランペット」という名が付いています。夜に香りを放つ種類もあり人気もありましたが、ダチュラ(チョウセンアサガオ)と同じく毒性が意識され流通量は少なくなりました。ただ庭先に咲いているのを見かける機会もあり、比較的なじみのある花です。

以前はダチュラ(チョウセンアサガオ)属の一種でしたが、現在はブルグマンシア(キダチチョウセンアサガオ)属として独立しています。ただ現在でもダチュラの名がついていることもあります。ダチュラは一年草~多年草の草本植物なのに対して、ブルグマンシアは中木から低木性の木本性植物という違いがあります。

 エンゼルストランペットの
 管理/置き場所

エンゼルストランペットは直射日光を好み、比較的暑さ寒さに強いので、屋外のよく陽の当たる場所で育ててください。ただ葉が大きく強風にあおられると傷むため、風の強く吹き込まない場所に植えると良いです。

熱帯アメリカ原産ですが、やや高地に自生しているため猛暑の場合は夏の生育が悪くなることがあります。一方で寒さにもある程度耐えることができるため、寒冷地や温暖地でも寒さが厳しい地域を除けば地植えで育てることができます。

高さが2~3mに及ぶため鉢植えもできますが、寒さの厳しい地域でなければ地植えで育てる方が管理は楽です。

 エンゼルストランペットの
 育て方/年間管理
 エンゼルストランペット
 毒性と注意点

ダチュラ(チョウセンアサガオ)と同じく全草にスコポラミンまたはヒヨスチンとよばれるアルカロイド系の毒物などを含む有毒植物です。

江戸時代に薬用植物としてチョウセンアサガオとして導入され、麻酔薬として使われるなどの経緯がありますが、薬効が強い植物の常として毒性も強く、誤食など摂取した場合に、ふらつき、幻覚や妄想、悪寒などの症状がでます。

蕾をオクラと間違えての誤食、根をゴボウと間違えての誤食などの中毒例もあり注意が必要です。基本的に摂取など体内に取り込まなければ問題はありませんが、エンゼルストランペットを手入れの際に傷口から液汁が入るなどが起きないよう、手袋を着けるなどの対応はした方が良いです。

 エンゼルストランペット
 植え替え

エンゼルストランペットは高さが3mに達するだけあって根張りがよく、鉢植えの場合は年に一度、または定期的な植え替えが必要です。

苗が小さい場合は株が大きく成り次第、随時鉢のサイズアップを行ってください。最終的には12号(直径36㎝)前後の鉢のサイズは必要になります。

また庭へ植える場合は完熟の牛糞または馬糞堆肥、肥料などを周辺に混ぜ込んで、根が張りやすい環境を整えてから植えてください。

 エンゼルストランペットの
 用土の選び方

排水の良い用土で植え替えてください。一般の花と野菜の培養土で植えても構いませんが、培養土に赤玉土の小粒や軽石の小粒等を2割混ぜるなど排水性を上げて植え替えると良いです。ブレンドする場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3の土に植え替えてください。

 エンゼルストランペットの
 水やり/肥料の与え方

エンゼルストランペットは一般的な花苗の水の与え方に準じますが、根を張る性質で夏場の水の渇きが激しくなりますので注意が必要です。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えてください。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、梅雨前までは晴天が続く場合のみ水を与えて下さい。一度根を張ると夏までは水やりをしなくても元気に育ちます。一方で夏場は晴天の日の夕方あたりにたっぷりと水を与えてください。

花・葉ともに大きく、生育期はよく成長するため肥料は必要です。特に鉢植えの場合は肥料が切れやすく、花付きの悪化だけでなく、葉色や株の状態が悪化するため適宜与えます。

肥料を与える頻度はお持ちの肥料の説明に準じたほうが良いですが、植えるときの元肥を土に少量混ぜて植え込み、鉢植えで置き肥を与えるなら月に1度程度与えた方が良いと思います。

 エンゼルストランペットの
 剪定/刈り込み

温暖地の場合でも冬場は地上部が枯れて、春に地際から新しい芽を出し成長しいます。地上部の枯れた枝を秋か春に切り取ってください。

寒冷地や温暖地で寒さが厳しい地域では、冬場に寒さの当たらないところに取り込みます。剪定は10~11月あたりで取り込む際に地上部を切り取ってください。

 エンゼルストランペットの
 増やし方

エンゼルストランペットを増やす場合は挿し木を行います。時期は4~6月あたりが良いです。

枝を30~40㎝に切り取って挿し木します。その際に切り口が大きくなるため、切り口から腐るのを防ぐよう切り口に殺菌剤を付けたり、挿し木用土や赤玉土の小粒など清潔な土を準備してください。ポットなどに土を入れ、湿らせた後、挿し穂を土に挿します。発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。

日陰で水を与えながら管理します。新芽が出始めたら発根したと考えられますので、根を傷めないよう土ごと苗を取り出し、植え替えします。

 エンゼルストランペットの
 病害虫

「ハダニ」「アブラムシ」「コナジラミ」などが発生することがあります。

「ハダニ」は通常屋外では大発生はしにくいですが、雨が降らない日が続いたり、屋根下で育てている場合などで発生しやすくなります。

「アブラムシ」は花の蕾や新芽に発生しやすいです。被害が酷いと花が委縮して咲いたり、その他の病気を併発します。

「コナジラミ」は幼虫・成虫ともに葉裏に発生します。株を触ると白い小さな成虫が舞い飛ぶので判別できます。

どの場合でも、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と上記の病害虫が対象になっているものを使っていけば退治できます。

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