クロコスミア(モントブレチア・ヒメヒオウギズイセンの仲間)の育て方

クロコスミア(ヒメヒオウギズイセンの仲間)の基本情報

科名:アヤメ科 Iridaceae
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属名:クロコスミア属 Crocosmia
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学名:Crocosmia
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別名:モントブレチア
   ヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙=Crocosmia x crocosmiiflora
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英名:Crocosmia
   Montbretia
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原産:アフリカ大陸南部~東部(南アフリカ~スーダン)
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開花時期:6月~8月
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高さ:50㎝~1m
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耐暑性:強い
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耐寒性:強い
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クロコスミア(ヒメヒオウギズイセンの仲間)の特徴

クロコスミアはアフリカ大陸の南部から東部が原産のアヤメ科クロコスミア属の多年草で、根に球根状の丸い地下茎が数珠つなぎに連なっているため球根植物として扱われます。

クロコスミアの仲間で最も良く見かける種類は、ビビッドなオレンジ花のヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙=Crocosmia x crocosmiiflora)で、フランスで作出された種間交雑種で明治時代中期に日本へ入っています。

旧学名の Montbretia から英語圏でもヒメヒオウギズイセンやクロコスミア属全般に対して「Montbretia」と呼ぶことがあり、日本でもクロコスミアの仲間を「モントブレチア」の別名で呼ぶことがあります。

クロコスミア(ヒメヒオウギズイセンの仲間)の管理と置き場所

クロコスミアは陽当たりと腐植質を含む排水の良い場所が理想ですが、適応力が強く明るい日陰や多少排水性に難があっても育ちます。

耐寒性は高くないですが、球根が凍らなければ比較的簡単に越冬できるため、地表に腐葉土や落ち葉などでマルチングをするか、冬に強い草花を周囲に植えて地面の凍結を防ぐことで越冬できます。

鉢植えの場合は陽当たりの良い場所に置いて育てます。夏場はコンクリートの上に直に置くなどは避け、木製の簀子やポットフィーターなどで地面と直に触れないようにします。

冬期は鉢土が凍らないように新芽が出るまで寒さが直に当たらない場所へ移動します。

クロスコミア(ヒメヒオウギズイセンの仲間)の年間管理表
 
クロスコミア(ヒメヒオウギズイセンの仲間)の植え替え

開花している苗や鉢花は、購入後に二回り程度大きな鉢に植え替えます。

越冬株や球根の植え替えは3月~4月に行います。

球根の大きさの3倍の深さ(10㎝前後の深さ)に球根数個をまとめて植え、地植えの場合は15~20㎝間隔、鉢植えの場合は10㎝前後の間隔で植えます。

鉢植えの場合は一年~二年ごとに植え替えを行います。

地植えの場合は植え替えを行わなくても大丈夫ですが、球根が増えて株が込み合うと葉が徒長し株が倒れたり、病害虫が発生しやすくなるので、数年ごとに株を掘りあげ大きな球根だけ残して球根の数を調整しつつ植えなおします。

また地植えのクロコスミアは増えすぎることがあるので、数年ごとの植え替えの際に球根数を調整して、クロコスミアが広がりすぎないようにすつと良いです。

クロスコミア(ヒメヒオウギズイセンの仲間)の用土の選び方
鉢植えの場合

市販の草花用の培養土で植え替えできます。混合する場合は、赤玉土小粒:腐葉土=7:3の用土で植え替えます。

庭植えの場合

腐植質に富んだ排水性の良い土質に変えるため完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、腐葉土などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

クロスコミア(ヒメヒオウギズイセンの仲間)の水やり
鉢植え

一般的な草花と同じように鉢土の表面が乾いたら鉢下から水がでるくらいにたっぷりと水を与えます。

秋に葉が枯れ始めたら水やりを徐々に抑え、冬期は土を乾燥させて越冬させます。

地植え

基本的に水やりの必要はなく、天候任せで管理します。ただし夏場に雨がない日が続く場合は、夕方にたっぷりと水を与えます。

クロスコミア(ヒメヒオウギズイセンの仲間)の肥料の与え方

植え付け時に、元肥として緩効性の化成肥料を球根下側の用土に混ぜ込んで植え付けます。

地植えの場合は多肥状態だと葉が茂りやすく、株が倒れたり、病害虫が発生しやすくなるため基本的に追肥は施しません。

鉢植えの場合は肥料が切れることがあるので、春以降から開花時まで二ヶ月に一回の頻度で緩効性の化成肥料を与えます。

クロスコミア(ヒメヒオウギズイセンの仲間)の増やし方

クロコスミアは株分けで増やします。

株分け

株分け時期は植え替えと同じく3月~4に行います。

親株を花壇から掘り上げるか鉢から取り出して土を落とし、必要な株数に球根の塊を分割して植えなおします。

あるいは球根の塊から開花しにくい小さな球根を外して整理し、大きな球根のみを残して植えなおすと開花状態が良くなります。

クロスコミア(ヒメヒオウギズイセンの仲間)の病害虫
害虫

「ハダニ」などが発生することがあります。

「ハダニ」は夏期の雨の少なく乾燥した状態で発生しやすくなります。また鉢植えで屋根下のような雨の当たりにくい環境に置いている場合も発生しやすくなります。主に葉裏に発生し、被害が酷くなると葉裏からの吸汁のためカスリ状に葉色が悪くなり、蜘蛛の巣のような糸が葉や枝を覆います。

発生初期は葉裏から勢いよく水を吹きかけて抑えることができます。蜘蛛の巣状に糸が覆っている場合は、葉裏から水を吹きかけた後、消毒をします。

市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と「ハダニ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

またアセフェートやクロアチニジンを含む粒剤を株の周囲に撒くことで予防や退治ができます。

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