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グロキシニア(シンニンギア・スぺキオサ)の基本情報
科名:イワタバコ科 Gesneriaceae
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属名:シンニンギア属 Sinningia
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学名:Sinningia speciosa
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異名(Synonym):
Gloxinia speciosa
Ligeria speciosa など
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和名:オオイワギリソウ(大岩桐草)
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流通名:グロキシニア
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英名:Gloxinia
Florist’s gloxinia
Brazilian gloxinia
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原産:ブラジル
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開花時期:4月末~6月・9月~10月
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高さ:10㎝~40㎝
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耐暑性:弱い
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耐寒性:弱い
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グロキシニア(シンニンギア・スぺキオサ)の特徴
グロキシニアはブラジル原産のイワタバコ科シンニンギア属の塊根(球根)性多年草で、原種は熱帯雨林の岩や崖のような斜面に生えています。
現在ではシンニンギア・スぺキオサ(Sinningia speciosa)としてシンニンギア属に分類されていますが、最初の分類でグロキシニア属に分類されたことから、現在でも流通上は「グロキシニア」として店頭に並んでいます。
多くの園芸品種が作られており、花色は白・赤・ピンク・紫とそれらの複色などカラーバリエーションも豊富で、株姿もコンパクトなことから鉢花として人気があります。
グロキシニア(シンニンギア・スぺキオサ)の管理と置き場所
グロキシニアの原種は上記の通り熱帯雨林の岩や崖に生えており、空中湿度が高く、樹下の明るい日陰と排水の良い環境で自生しています。
グロキシニアの栽培種も直射日光が当たらない明るい日陰と過湿にならない管理を好みます。
自生環境から寒さは苦手で、30℃を超える高温多湿も嫌うため、基本的に鉢栽培し、越冬させて多年草として育てるか、春・秋に開花する一年草として育てます。
生育適温は20℃~25℃で春・秋に生育が活発になり開花するため、屋内のレース越しの光があたる窓辺か、屋外で寒冷紗で遮光した場所に置きます。屋外の場合は、その他に朝日だけ当たる明るい日陰や落葉樹の下などの木漏れ日の場所などにも置けます。
夏の管理
室内が定温に維持される場合は室内でも生育・開花するため定期的な水やりを行いつつ春・秋と同じ管理をします。
一方で日中空調がなく締め切ることが多い場合は、高温で枯れることがあるため屋外に出します。
屋外の場合は日陰で風通しの良い場所に置き、高温多湿を避けます。
直射日光が当たらない風通しの良い樹下は比較的暑くなりにくいため理想的です。特に地面がコンクリートなどの場合は熱でやすいため直置きしないように気を付けます。
冬の管理
寒さが苦手なため冬は室内管理になり置き場所は明るい窓辺になりますが、冬期は室内に陽が入るようになるため葉焼けしやすくなるので、レースのカーテン越しで陽を当てるか朝日だけが入る窓辺に置きます。
室内が定温に維持され最低室温が15℃以上ある場合は生育(環境によっては開花)するため、定期的な水やりを行いつつ春・秋と同じ管理をします。
屋外管理している場合は、夜間気温が10℃を下回る前に室内に取り込みます。
室温が10℃前後の場合は水やりを控えて乾かし気味に管理し耐寒性を上げて冬越しします。室温が5℃を下回る場合は越冬が難しくなるため、最低室温が5℃以上で管理します。
グロキシニア(シンニンギア・スぺキオサ)の年間管理表
グロキシニア(シンニンギア・スぺキオサ)の植え替え
購入後の株は春(4月~6月)または秋(9月)に一回り大きな鉢に植え替えます。
多年草として育てている株の植え替えは、春(4月)または秋(9月)に行い、傷んだ土を取り換えるために1~2年に1回は植え替えた方が良いです。
春の植え替えは、新葉が出始めた時期であれば土を多く落とすことができるため、根鉢を取り出し塊根のみ残して土を落とします。新しい鉢に新しい用土を入れ塊根が半分埋まるくらいに植えこみます。
秋の植え替えは、鉢から根鉢を抜き取り土を半分~1/3くらい落として、新しい鉢と土で植え替えます。植える際は塊根が半分土の上にでるように植え付けます。
グロキシニア(シンニンギア・スぺキオサ)の用土の選び方
グロキシニアは保水・排水のバランスが良い用土で植え替えます。
市販の花用培養土を使う場合は、赤玉土小粒や軽石小粒などを1~2割程度混ぜて排水良く作り替えると良いです。
ブレンドする場合は赤玉土小粒:調整ピートモス:軽石小粒=5:3:2の混合土に植え替えもできます。
いずれの用土の場合でも、根腐れ防止のために珪酸塩白土を混ぜて植えるより育てやすくなります。
グロキシニア(シンニンギア・スぺキオサ)の水やり
グロキシニアの水やりは花・葉に水がかかると灰色かび病などが発生しやすくなるため鉢土のみに水を与え、春~秋は一般的な草花と同じく土の表面が乾いたら鉢下から水が出るくらいたっぷり水を与えます。
一方で生育が止まる冬場は乾ききらないくらいに水やり頻度を抑え耐寒性を上げて越冬させます。
冬期への移行期間になる早春(生育期への移行期間)と晩秋(生育停止状態への移行期間)は徐々に水やりの量や頻度を変えていきます。
冬期の水管理は、住宅の状態やエアコンの機能により住環境が違うように屋内での管理にも違いがでます。以下に室内管理の想定できる代表的なパターンで説明します。
室温が低い(10℃前後)場合
冬期に室温が低い場合は水やりを減らし、土を乾かし気味に管理することで耐寒性を上げて越冬させます。なお日中は室温が高くても夜間は室温が低い場合は生育が止まるため水やりを抑えます。
鉢土の表面が乾いてから5日~10日後を目安に水を与えるか、鉢を持ちあげて軽く感じるまで期間をあけて水を与えます。
室温が高い(15℃以上)場合
夜間温度も含め定温維持できる気密性が高い住宅の場合は冬でも土が乾きやすくなります。
設定温度で水やり頻度が変わりますが、鉢土の表面が乾いてから3日~7日後を目安に水を与えるか、鉢を持ちあげて軽く感じるまで期間をあけて水を与えます。
グロキシニア(シンニンギア・スぺキオサ)の肥料の与え方
グロキシニアの施肥は植えるときの元肥や開花中の追肥を適宜与えます。
植え替えの際は、根を傷めない緩効性の化成肥料を元肥として土に混ぜて植え付けます。
追肥は生育・開花する春(4月~6月)・秋(9月)に1ヵ月に1回の頻度で緩効性の化成肥料を株元から離した株回りに与えるか、1ヵ月に1~2回薄めた液体肥料を与えます。
グロキシニア(シンニンギア・スぺキオサ)の手入れ
花摘み・枯葉取り
開花が終わった花弁や枯れた葉を放置すると灰色かび病などの発生源になるため、萎れ始めた花柄や株元の枯れ葉などは適宜摘み取ります。
グロキシニア(シンニンギア・スぺキオサ)の増やし方
グロキシニアは「種まき」「葉挿し」で増やします。
種まき
撒き時期は8月下旬~9月に種を撒いて春から開花させるか、4月(または加温して2月から)に種を撒いて秋から開花させます。
グロキシニアの種は微細な好光性種子のため、種まきに使う用土もピートバンや種まき培土などの土質が細かいものを使い覆土せずに種を撒きます。
育苗トレー予め湿らせた種まき用の培養土を入れるか、水で膨らませたピートバンを準備します。
土表面に凹凸が少なくなるように軽く均してから、種が重ならないようにばら撒きします。
発芽後に密に生えたところは間引きを行い、本葉が出たあたりでポットに1苗ずつ移植します。
葉挿し
株分けと同じく6月~7月・9月~10月に行います。葉挿しする場合は、葉に少し葉柄を付けた状態で切り取り、バーミキュライトや挿し木用の土などの無菌の土に挿します。
保湿のためにビニール袋で覆うか衣装ケース内に入れ、日陰で管理します。葉の根元から新芽が出てきたら鉢上げして育てます。
グロキシニア(シンニンギア・スぺキオサ)の病害虫
害虫として「オンシツコナジラミ」、病気として「灰色かび病」などが発生することがあります。
害虫
「オンシツコナジラミ」
葉裏などに発生し、葉裏から吸汁するため葉色が悪くなり、株を触れると白い小さな羽虫が舞うようになります。また大発生すると葉が黒く汚れる「すす病」を併発することがあるため注意が必要です。
病気
「灰色かび病」
終わった花柄や枯れた葉に発生します。灰色~灰褐色のカビが伝播していくため、花柄や枯れ葉は早めに除去します。
退治・治療方法
「オンシツコナジラミ」「灰色かび病」ともに風通しが悪い場所で発生量が増えることがあるので、育てている環境の改善も行うと良いです。
「オンシツコナジラミ」「灰色かび病」が発生した場合では、市販のスプレータイプの薬剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。
また害虫については殺虫用の浸透移行性の粒剤を撒くことで予防や退治をすることができます。