ニオイバンマツリ(匂蕃茉莉)の育て方

ニオイバンマツリの基本情報

科名:ナス科 Solanaceae
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属名:バンマツリ属(ブルンフェルシア属)
   Brunfelsia
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学名:Brunfelsia australis
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英名:yesterday-today-tomorrow
   kiss me quick
   Brazil raintree
   Paraguayan jasmine
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原産:南米(アルゼンチン・ブラジル・パラグアイ)
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開花時期:4月~7月
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高さ:50㎝~3m
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耐暑性:やや強い
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耐寒性:やや弱い
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ニオイバンマツリの特徴

ニオイバンマツリ(匂蕃茉莉)は南米の熱帯地域原産のナス科バンマツリ属(ブルンフェルシア属)の低木で、初夏から夏にかけて香りを強い花を咲かせます。

花は4㎝前後で咲き始めの花色は紫色で、徐々に花色は薄紫へ移り、数日後には白花へと花色が移り変わります。

熱帯植物ですが霜が穏やな地域では地植えでも栽培でき、暖地では常緑低木として育ちますが、温暖地では寒さの程度によって半常緑~落葉低木となります。

ニオイバンマツリは「Brunfelsia latifolia」の標準和名ですが、ラティフォリアには芳香がない種のため、一般的に流通する芳香があり、紫から白に花色が変わるニオイバンマツリは主に「Brunfelsia australis」で、その他には「B. pauciflora」「B. uniflora」などの種や栽培種などがあります。

和名に「茉莉」が入っていることや、香りの強さから、マツリカの仲間(ヤスミナム属)と勘違いされることがありますが、全く異なる種であるだけでなくバンマツリの仲間は全草にアルカロイドを含むため有毒です。

ニオイバンマツリの管理と置き場所

ニオイバンマツリは風通しの良い環境で、保水性のある土壌を好みます。

陽当たりの良い場所を好み、年間通して直射日光の良く当たる環境でも良いですが、夏はやや半日陰になるような環境の方が株の状態が良いです。

地植えの場合は極度に乾く土質では生育が悪化するため、もし山砂や真砂土などのような砂質の土壌の場合は適度に保水性を持たせるため赤玉土などを加えて土作ってから植え付けます。

ニオイバンマツリの年間管理表
 
ニオイバンマツリの植え替え

植え替えは春暖かくなり始めた頃(およそ4月あたり)から行うことができ、気温が高くなる6月あたりまでに植え替えた方が良いです。

庭植えの場合

株の根回りの大きさにより掘る深さや大きさが変わります。

ポット苗のような比較的小ぶりな苗でも50㎝~60㎝の穴は掘って植え付け、根鉢が大きい場合は根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘って植え付けます。

植え付けの際は、掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。

もし真砂土や山砂のような固く乾きやすい土壌の場合は、堆肥類を混ぜる前に掘り返した土の半量~3割程度の赤玉土を混ぜ保水性を高めます。

鉢植えの場合

入手したばかりの苗の植え替えは、根鉢の2~3回り大きなサイズの鉢に植え替えます。

以降は成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、適宜植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。

ニオイバンマツリの用土の選び方

庭や花壇に植える場合は、完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

鉢植えの場合は赤玉土小粒:腐葉土=7:3を混合した土に植え替えます。

ニオイバンマツリの水やり

ニオイバンマツリの水やりは一般的な樹木の水の与え方に準じます。

庭植えの場合

概ね天候に任せた水やりとなりますが、植えた時期から一年間は土の状態を見つつ水を与えます。

特に植え替えた直後にたっぷり水を与え、一年目の夏だけは雨が降らない日が続くようであれば夕方にたっぷりと水を与えます。

9月末から10月以降で気温が下がり始めたら、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

鉢植えの場合

年間を通して鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

水切れを嫌うため土が乾ききる前には水を与える必要があり、水切れしやすい開花期~晩夏までは毎日水やりを行うか、乾き具合を確認する必要があります。

ニオイバンマツリの肥料の与え方

地植えの場合は植えるときに完熟有機肥料と完熟堆肥を元肥として根回りに混ぜ込みます。

もし完熟まで至っていない(発酵や未発酵の)有機肥料や堆肥の場合は、根や根鉢に直接当たらないように混ぜます。

鉢植えの場合は緩効性の化成肥料を混ぜ込んでから植え付けます。

追肥は春~秋までの生育期に株元から離した株の周囲に化成肥料などを置き肥として与えます。

ニオイバンマツリの剪定

ニオイバンマツリは4月~7月に開花するため、剪定は開花後(7月中旬~下旬)に行い、夏前までに行った方が良いです。

ニオイバンマツリの増やし方

ニオイバンマツリは「挿し木」で増やします。

挿し木

時期は4月~9月あたりに行います。その年に伸びた枝(新梢)から挿し穂を作ります。

挿し穂にする新梢は固く充実した枝を選び、枝を5㎝~7㎝でカットします。

土に挿さる挿し穂下側の葉を取り除いた後、良く切れるカッターやナイフで下側切り口を給水しやすいように斜めに切り、挿し穂を数時間水につけて給水させます。

鹿沼土細粒か赤玉土細粒のような清潔な土を準備し、水をかけて湿らせた後、挿し穂を土に挿します。

発根剤などを使うと成功率が上がるのでお勧めです。ビニールなどで覆い保湿しつつ、日陰で水を与えながら管理します。

ニオイバンマツリの病害虫

害虫として「カイガラムシ」などが発生することがあります。

害虫

「カイガラムシ」
葉・葉の根元周辺・茎などに発生しやすく、風通しや陽当たりが悪い場合に発生しやすくなります。

大発生すると葉色が著しく悪くなり、すす病などを併発することがあります。

退治・治療

市販の薬剤またはスプレー剤で「樹木」の登録と「カイガラムシ」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

また草丈が1m以下の場合は、アセフェートやクロアチニジンを含む殺虫用の浸透移行性の粒剤を撒くことで予防・退治ができます。

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