シルバープリベット(シルバープリペット)の育て方

シルバープリベット(シルバープリペット)の基本情報

科名:モクセイ科 Oleaceae
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属名:イボタノキ属(リガストラム属)
   Ligustrum
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学名:Ligustrum sinense ‘Variegatum’
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和名:コミノネズミモチ
  (小実鼠黐/小実鼠糯=Ligustrum sinense
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別名:シルバープリベット
   シルバープリペット
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英名:Variegated chinese privet
   Variegated privet
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原産:中国・台湾・ベトナム
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高さ:2m~4m
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耐暑性:強い
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耐寒性:やや強い
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シルバープリベット(シルバープリペット)の特徴

シルバープリベットは、中国・台湾・ベトナムにかけて自生するモクセイ科イボタノキ属のコミノネズミモチ(リンガストラム・シネンセ=Ligustrum sinense)の斑入り品種で白斑が華やかな落葉低木~小高木です。

イボタノキ属にはネズミモチなどの樹木も含まれ、英名ではイボタノキ属の樹木類が「プリベット(privet)」と呼ばれます。

日本で樹木名として「プリベット」と呼ぶ場合は、イボタノキ属の中のコミノネズミモチを呼ぶことが多く、語呂が良いためか「プリペット」という表記も散見されます。

シルバープリベットはプリベット(コミノネズミモチ)の白斑品種で、爽やかな葉色を活かしてガーデンの低木として植栽されたり、小さな苗は寄せ植えの花材として使われます。

また剪定後にも芽吹きやすく、刈り込みに強い性質を活かして生垣にも使われます。

シルバープリベット(シルバープリペット)の管理と置き場所

シルバープリベット(シルバープリペット)は陽当り~明るい日陰で風通しの良い環境が良く、土質は選びませんが保水・排水性のバランス土質を好みます。

耐陰性が高く落葉樹の下のような日陰の環境でも育ちますが、病害虫の発生が増えるため極力日の当たる場所に植えた方が良いです。

イボタノキ属の中では落葉タイプに属しますが、暖地や温暖地の一部では完全に落葉せず半常緑樹のように育つ地域もあります。

5月~6月に小さく白い花が開花し、剪定しなければ秋には黒~紫黒色の小さな実ができます。

基本的な管理は定期的な剪定・刈り込み・施肥だけで、病害虫の発生も少なく極めて手がかかりません。

シルバープリベット(シルバープリペット)の年間管理表
 
シルバープリベット(シルバープリペット)の植え替え

植え替えは3月または梅雨時期の6月~7月が適期です。暖地や温暖地の一部では落葉樹とともに冬場に店頭に並ぶこともありますが、土が凍る厳寒期を避けて植え付けた方が良いです。

1本地植え

地植えの場合は、株の根回りの大きさにより掘る深さや大きさが変わります。

およその目安で、根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘り、掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けます。

生垣

苗から生垣をつくるためには、小苗ではなく50㎝~1mくらいの苗を選びます。

植栽箇所全体に完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて、株の大きさによって変わるものの株幅50㎝前後の間隔で植え付けます。

シルバープリベットの枝はしなやかに四方に広がり生垣の形状に育てるためには支柱で樹形を整える必要があるため、枝を支えるフェンスや柵状に支柱を立て、枝を支柱に固定し丈を伸ばします。以降は横枝を刈り込みつつ生垣状に樹を育てます。

シルバープリベット(シルバープリペット)の用土の選び方

シルバープリベット(シルバープリペット)は多くの場合は庭植えにするため、植栽場所の土質を改良した上で植栽します。

前項と同じく土質を改良するための完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。

新築の庭で山砂や真砂土などの土質の場合は、堆肥類以外にも黒土や赤玉土なども1~2割程度混ぜ込み保水・保肥力も改善した方が良いです。

鉢植えにする場合は赤玉土:腐葉土=7:3の土で植え付けます。

シルバープリベット(シルバープリペット)の水やり

シルバープリベット(シルバープリペット)の水やりは一般的な樹木の水の与え方に準じます。

庭植えの場合は、植えた直後にたっぷりと水を与えた後は、おおむね雨まかせでも大丈夫です。

植え付け1年目で夏場に雨が降らない日が続くようであれば夕方あたりにたっぷりと水を与えます。

鉢植えの場合は基本的に鉢の表面が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。

シルバープリベット(シルバープリペット)の肥料の与え方

シルバープリベット(シルバープリペット)は肥料を与えなくても良く育ちますが、植えるときの元肥、冬期の寒肥を与えると生育悪化のリスクを減らせます。

元肥は土質改良のための堆肥類とともに完熟の有機肥料を株回りに混ぜ込んでから植え付けます。

追肥は2月~3月に固形油粕などの有機肥料を株元から離した株の周りに与えます。

シルバープリベット(シルバープリペット)の剪定

シルバープリベット(シルバープリペット)は、前年夏に花芽ができるため花も楽しむ自然樹形と樹形が重視される生垣の場合で剪定時期に違いがでます。

生垣の剪定

生垣としての形状を維持するために年に数回は剪定する必要があるため、開花量は少ないか花が咲かないことが多いです。

剪定時期は新梢の生育が止まる7月あたりに1回行い、11月~12月上旬に2回目を剪定を行います。

自然樹形

翌年開花する花芽は、当年の夏までに生育・充実した新梢に付きます。

そのため剪定は花後すぐに行った方が良く、剪定時期が遅れると、新梢が夏までに充実した枝まで育つことができず花芽が付かないことがあります。

開花後すぐの剪定では芽がある枝を残せば刈り込みを行っても充実した枝に育ちます。

一方で夏以降は不要な枝(込み合った枝・徒長枝など)のみを剪定し、当年枝を残しながら剪定します。

シルバープリベット(シルバープリペット)の増やし方

シルバープリベット(シルバープリペット)は「挿し木」「種まき」で増やします。

挿し木

時期は6月~7月・9月に行い、その年に伸びた枝(新梢)のうち固く充実しつつも木質化していない枝を使います。

枝を10㎝前後で切り取り、挿し穂を数時間水につけて給水させます。葉を挿し穂上部から3~4枚残し、挿し穂下側の葉を取り除きます。

湿らせた赤玉土の小粒や鹿沼土の小粒など清潔な土に挿し穂を挿します。また挿し穂の給水に活力剤を使ったり、発根剤を付けることで成功率が上がります。

日陰に置き、土が乾かないように水を与えつつ、発根して新芽が成長するまで管理します。

種まき

秋に実を収穫し、果肉を洗いおとしてから種まきします。

種まきの土や花用の土をポットか育苗トレーに入れて、種を撒き軽く覆土します。たっぷりと水を与えた後、発芽するまで明るい日陰に置きます。

シルバープリベット(シルバープリペット)の病害虫

害虫として「メイガ」「カイガラムシ」、病気として「斑紋病」などが発生することがあります。

害虫

「メイガ」
マエアカスカシノメイガというメイガの幼虫に食害されることがあります。

新芽周辺などいくつかの葉を巻き取って食害するため、株の見た目が悪くなるため、消毒とは別に巻き取られた葉を除去した方が良いです。

「カイガラムシ」
枝・葉裏・葉の付け根などに発生しやすく、陽当たりや風通しが悪い環境で発生しやすくなります。

被害が酷くなると葉が黒く汚れる「すす病」を併発することがあるため注意が必要です。

親虫は殻があるため退治に時間がかかるので、鉢植えならば消毒の前に柔らかい布や使い古しの歯ブラシなどで親虫をある程度取り除いてから薬剤をかけます。

生垣などの場合は手作業で取り除くには株が大きいため、消毒薬を定期的に満遍なく噴霧することで退治した方が良いです。

病気

「斑紋病」
黒色~暗褐色の斑点が発生し、斑点が広がりながら繋がり病斑が大きくなると中央部が枯れて破れます。

陽当たりや風通しが悪い環境で発生しやすく、施肥により窒素量が多くなった場合も発生しやすくなります。

感染源になる病葉は取り除き、剪定などで風通しを良くすることで発生を抑えることができます。

退治・治療方法

市販の薬剤またはスプレー剤で「樹木類」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。

また害虫については、株が1m以下の場合はアセフェートやクロアチニジンを含む粒剤を株の周囲に撒くことで予防や退治ができます。

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