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トウテイラン(洞庭藍)の基本情報
科名:オオバコ科 Plantaginaceae
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属名:ルリトラノオ属 Pseudolysimachion
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学名:Pseudolysimachion ornatum
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異名(Synonym):Veronica ornata
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和名:トウテイラン(洞庭藍)
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別名:ベロニカ・オルナタ
ベロ二カ・オルナータ
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原産:日本(京都・兵庫・鳥取県などの日本海側と隠岐島)
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開花時期:9月~10月
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高さ:30㎝~60㎝
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耐暑性:やや強い
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耐寒性:強い
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トウテイラン(洞庭藍)の特徴
トウテイラン(洞庭藍)はシルバーリーフとスカイブルーの花が美しいルリトラノオの近縁種で、京都から鳥取にかけての日本海側や隠岐島などに自生する日本固有種です。
トウテイランの分類はルリトラノオも含めてルリトラノオ属(Pseudolysimachion)またはクワガタソウ属(ベロニカ属=Veronica)に分類され(※1)、野生個体は少ないものの園芸植物として店頭には多く並びます。
名前の「洞庭」は中国の湖水にちなみ、「藍」は花色が由来となっていて、流通上は和名の「トウテイラン」または「ベロニカ・オルナタ」の名で店頭に並ぶことがあります。
耐寒性が高く陽当たりを好み、夏の多湿が苦手なものの日本在来種のため通排水や風通しを注意して育てれば比較的難しくない植物です。
また株全体がシルバーに見えるほど白い綿毛で覆われているので病害虫被害の少なさも魅力です。
(※1)
トウテイランを含むルリトラノオの仲間は、クワガタソウ属(ベロニカ属=Veronica)の植物と染色体数が異なることなどからルリトラノオ属(Pseudolysimachion)として分類されることもあれば、クワガタソウ属としてまとめられることもあり、どちらを正名(scientific name)・異名(synonym)として扱うかは見解が分かれています。
当ブログではキュー・ミズーリ・王立植物園が作成した「The Plants list」他を参考にルリトラノオ属を正名としましたが、アメリカ農務省の「Germplasm Resources Information Network(GRIN)」の「GRIN Taxonomy」ではベロニカ属を正名にしています。
店頭ではベロニカの名で呼ぶことが通称となっていることもあり、ルリトラノオは「ベロニカ」の名で並ぶことも多く、トウテイランも「ベロニカ・オルナタ」という名で呼ばれることがあります。
トウテイラン(洞庭藍)の管理と置き場所
トウテイラン(洞庭藍)は陽当たり・風通し・排水性の良い環境で育てます。
環境が整っていれば鉢植え・地植えどちらでも栽培でき、初秋または秋から開花し、寒さも強いため多年草として育てることもできます。
一方で梅雨から夏の土の多湿は苦手で、風通しが悪く蒸れる環境だと葉が黄化したり、多湿による根腐れすることがあります。
花付きは落ちるものの明るい日陰でも生育するため、周囲に植物がなく夏の日差しの元では地温が高くなる場合は、やや日陰の場所に植えるか、鉢栽培であれば日差しの弱い場所に移動させます。
冬は地上部の葉を残して地上部の茎などは枯れて休眠し、翌年地際から茎が伸びて生育します。
トウテイラン(洞庭藍)の年間管理表
トウテイラン(洞庭藍)の植え替え
苗を入手後になるべく早く地植えまたは一回り大きな鉢か寄せ植え等に植え替えを行います。
越冬後の鉢植え株の植え替えは、3月~4月に行います。
トウテイランの株は一年間で大きく育つので、鉢栽培の株は基本的に毎年1回は植え替えます。
植え替えの際は根鉢表面の細かな根を解して軽く土を落として植え替えます。
地植え株の場合は植え替えの必要はありませんが、株が大きくなって植栽のバランスが崩れる場合は数年に1回掘り上げて株分けを行うと良いです。
トウテイラン(洞庭藍)の用土の選び方
地植え
完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、腐葉土、完熟有機肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けます。
粘土質などの排水が良くない土壌の場合は、上記堆肥類の他に軽石小粒・山砂・パーライトなども混ぜ込み排水性を改良します。
また植え付け周囲を盛り土するか、レイズドベッドと呼ばれる土を一段盛り上げた花壇を作ると過湿になりにくく良く育ちます。
鉢植え
市販の花用の培養土でも育ちます。
夏越しのためには保水性・排水性に加え通気性もある用土が良いので、土質によっては市販の培養土に赤玉土小粒・軽石小粒をそれぞれ1割ずつ混ぜて植え替えます。
混合する場合は、赤玉土小粒:鹿沼土小粒:腐葉土を等量混合で用土を作ります。
トウテイラン(洞庭藍)の水やり
地植え
植え付けた後にたっぷりと水を与えた後は基本的に天候任せで水やりをする必要はありません。
ただし夏場で晴天が続くようであれば、表土の乾きを確認しつつ夕方にたっぷりと水を与えます。
鉢植え
春~晩秋までは表土が乾いたら鉢下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
夏・冬も表土が乾いてから水を与えますが、生育が止まって吸水量が減っているため過湿になりやすいので水の与え過ぎに注意します。
鉢植えの場合は、梅雨時期の連続する降雨で根腐れしやすくなるため、南向きの明るい屋根下などに移動し土の多湿を避けた方が良いです。
トウテイラン(洞庭藍)の肥料の与え方
土質改良のための堆肥類とともに完熟の有機肥料または根を傷めにくい緩効性の化成肥料を混ぜてから植え付けます。
追肥は開花から翌年の芽が作られる9月~11月に緩効性の化成肥料を株元から離した株の周囲に与えます。
トウテイラン(洞庭藍)の手入れ
刈り込み
花が咲き終わった枝葉は冬に枯れるため、地上部が枯れたあたりで地際の葉を残して枝を刈り込みます。
トウテイラン(洞庭藍)の増やし方
トウテイランは「株分け」「挿し芽」「種まき」で増やします。
株分け
株分け時期は3月~4月に行います。
鉢植えであれば根鉢を取り出し、地植えであれば掘り上げて、株の中心を境に各株に根が付くように分割するか、地上部の葉と根がセットになるように切り分けます。
挿し芽
挿し芽の時期は6月に行い、新芽を使って挿し芽します。
新芽先端から3~5㎝を切り取り、挿し穂の下側1/3の葉を取ってから水に漬けて給水させます。なお親株に前日たっぷりと水を与えておくとより効果的です。
育苗トレーや鉢などに湿らせた挿し芽用の土やバーミキュライトなどの清潔な用土を入れ、挿し穂の1/3が埋まるように土に挿します。
なお挿し穂に発根促進剤を付けたり、活力剤を水に加えることで発根率が上がります。
種まき
こぼれ種でも翌春芽がでますが、取り撒きする場合は4月~5月に種まきします。
育苗トレーに種まき培土を入れて十分湿らせ種が重ならないようにバラ撒きして5㎜程度軽く覆土します。
発芽後から移植できる大きさに育つまで適宜間引きをしながら育て、本葉数枚育ったころにポットに移植するか花壇に植え付けます。
トウテイラン(洞庭藍)の病害虫
シルバーに見えるほど葉表面を綿毛が覆っているため病害虫被害があまり発生しませんが、害虫として「アブラムシ」が発生することがあります。
害虫
「アブラムシ」
新芽・蕾周辺などの綿毛が少ないところに発生します。
陽当たりや風通しが悪い場所やで発生量が増えることがあるので、育てている環境の改善も行うと良いです。
退治・治療方法
「アブラムシ」が発生した場合では、市販の薬剤またはスプレー剤で「花き」の登録と対象病害虫の記載があるものを使っていけば退治できます。