ソテツ(蘇鉄)の育て方

 ソテツ(蘇鉄)の基本情報

科名:ソテツ科 Cycadaceae
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属名:ソテツ属(サイカス属) Cycas
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学名: Cycas revoluta
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和名:ソテツ(蘇鉄)
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英名:Sotetsu, Sago palm, King sago
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原産:九州南部、南西諸島、台湾、中国南部、東南アジア
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高さ:~8m
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耐暑性:強い
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耐寒性:やや弱い
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 ソテツ(蘇鉄)の特徴

ソテツ(蘇鉄)は、ソテツの仲間(ソテツ目)で唯一日本に自生する種類であり最北に自生している種類で、九州南部から東南アジアにかけて生育しています。成長速度は極めてゆっくりですが、直径50~60㎝になる幹の先端からやや硬質な羽根状の葉を輪生さ、樹高は5~8mに達します。

熱帯植物感のある株姿とヤシのような葉でヤシ類の近縁のように見えますが、被子植物門のヤシ類に対して、ソテツは裸子植物門(あるいはソテツ門)の植物で分類上は大きな隔たりがあります。

上記のように成長は遅いものの、暖地や温暖地などの短期の積雪ならば枯死しない頑健さと比較的病害虫にも強く管理上の手間はほぼ必要ありません。

ソテツ類と「生きている化石」

ソテツ(Cycas revoluta)を含むソテツ類は、古生代二畳紀には現在見られるものとほぼ同じ形態になっているようで、ジュラ紀には大繁栄し、白亜紀末には大半が絶滅しているようです。

太古から大きく形態を変えることなく現在まで生きていることから「生きている化石」と考えられています。

救荒植物としてのソテツ

ソテツは実や幹にデンプンを多く含む植物ですが、ソテツは全草に有毒成分があり一般には食用にされません。

ソテツの有毒成分は水溶性のため、刻んで水にさらして食用にするため琉球王国時代から救荒植物としてソテツが植えられた歴史があります。実際に食糧難の時期などに食用に用いられたこともある一方で、有毒成分を取り除く方法が伝わらず食中毒が起きるなどの歴史もあります。

人との関わり合いという意味でもソテツは興味深い植物です。

 ソテツ(蘇鉄)の置き場所/年間管理

ソテツ(蘇鉄)は年間通して良く陽の当たる屋外で管理します。また排水の良く風通しの良い環境が理想ですが、地植えであれば葉姿等が荒れるもののある程度の日陰や過湿でも生育できます。

ソテツは根に窒素固定能をもつ藍藻類が共生しているため、荒れ地でも生育します。根がコブ状の膨らむのは藍藻類の共生によるもので、病気ではありません。

日本での自生地域は九州南部以南ですが、短期の積雪や霜では枯死しません。ただし積雪期間の長い地域では冬期に葉を落とし株全体をコモを撒き凍害を避けた方が良いです。

ソテツは雌雄異株で、6月~8月に雄株は松かさのような円錐棒状の穂が幹先端から突出し、雌株では羽根状の雌蕊が重なってドーム状に盛り上がります。その後雌株では雌蕊の元に5㎝前後のオレンジの種ができます。

 ソテツ(蘇鉄)の育て方/年間管理
 ソテツ(蘇鉄)の植え替え

植え替えは気温が高くなり始める3月~5月あたりからがお勧めです。

庭植えの場合:株の根回りの大きさにより掘る深さや大きさが変わります。およその目安で、根回りの大きさの2~3倍の広さに穴を掘り、掘り返した土に対して完熟堆肥を2~3割と完熟肥料を混ぜて植え付けて下さい。

鉢植えの場合:比較的乾燥に強いため頻繁な植え替えは必要ありませんが、根が太く根詰まりが起きると生育が遅くなるため、根詰まり対策と鉢土をリフレッシュするために数年に1度は植え替えをしてください。

成長にともない株に対して鉢が小さくなるようであれば、適宜植え替えを行い鉢のサイズを大きくします。苗が大きくなり、鉢のサイズを大きくすることができなくなったら、庭植えにして下さい。

 ソテツ(蘇鉄)の用土の選び方

庭や花壇に植える場合:完熟の牛糞堆肥や馬糞堆肥、肥料などを植えこむ周囲に混ぜてから植え付けてください。

鉢植えの場合:排水の良い用土であればを土質はあまり選びません。市販のサボテン・多肉植物用土、観葉植物用土、樹木用土などを使って植え替えて下さい。

また混合して作る場合は赤玉土小粒:腐葉土=6:4の土、または赤玉土小粒:軽石小粒:腐葉土=3:3:4の土に植え替えが良いです。

 ソテツ(蘇鉄)の水やり・肥料の与え方

水やり:ソテツ(蘇鉄)は、庭植えの場合はほぼ天候任せで、水やりの必要はありません。

一方で鉢栽培の場合は、鉢土の表面が乾いたら鉢下から水がでるくらいたっぷりと与えてください。

肥料やり:肥料を与えなくても生育しますが、肥料を与えた方が成長が若干早くなります。生育が始まる5月から8月あたりまで緩効性の置き肥を株の根元から離して株の周囲に与えます。

 ソテツ(蘇鉄)の剪定

ソテツ(蘇鉄)は古い葉が落下するので、随時落ちた葉を取り除くだけで良いです。ただし葉が繁茂した状態をさけたい場合は、5月~6月の新葉が展開する時期までに葉を全て切り落とすこともできます。

また積雪期間が長い地域では、毎年コモを撒く前に全ての葉を落とします。

 ソテツ(蘇鉄)の増やし方

ソテツ(蘇鉄)は株分け、種まきで増やすことができます。株分け・種まきともに気温の上がる4月~6月以降が良いです。

株分け:ソテツ(蘇鉄)は根元や幹の側部から芽(子株)がでます。子株の基部が5㎝以上(または球形になるまで)に育ったものを親株から折り取り、葉が付いている場合は全て切り落とします。数日間株元を乾かし、鉢または地面に根元を差し込みます。

発根して葉が出るまで数か月~半年くらいの期間がかかる場合もあり、葉が出るまで土の渇きに応じて随時水を与えます。

種まき:種を播種前に1日程度水に漬け給水させます。その後植え替えに使う用土と同じものを入れた鉢を準備し、土に半分~1/3くらい埋まるように種を植えます。以降発芽するまで随時水を与えます。

なお発芽後のソテツの根は直根性が強いため、種植えに使う鉢やポットは深鉢を使った方が良いです。

 ソテツ(蘇鉄)の病害虫

比較的病害虫も少なく管理しやすい植物ですが、近年熱帯産の「クロマダラソテツシジミ」による食害が発生することがあります。

「クロマダラソテツシジミ」は熱帯性のチョウの仲間ですが、日本にも帰化しておりソテツの新芽がでる5月~6月に幼虫により新芽を食害されることがあります。

もし発生した場合は、市販のスプレータイプの薬剤で「観葉植物」と「ケムシ類(アオムシ)」が対象になっているものを使っていけば退治できます。

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