「植物化石 5億年の記憶」LIXIL出版

当サイト名は「リンネの庭」です。

リンネはご存知の通り分類学の父で植物学者で博物学者だったカール・フォン・リンネ(Carl von Linné)から名を借りしています。

元々このサイトで植物を扱おうと思っていたのですが、管理人の趣味から博物よりになりそうだったので、リンネの庭にしました。

植物の楽しみ方は、もちろん花の美しさや葉の面白さなど観賞という面白さがありますよね。現在ある植物たちの「今」の姿です。時間の流れを「今」で輪切りにして色んな植物を眺めている感じです。

これとは別に時間を立て切りしたときの植物の楽しみかたもあります。

そんな楽しみ方のために、

LIXIL出版の

「植物化石 5億年の記憶」

LIXIL出版(出版)

 化石の魅力

化石には学術的な意味がありますが、その学術的なところを別にしても、化石そのもののもつ魅力というものもあります。

それは、その命が確かにあったという証しという切なさかもしれませんし、生物の形態進化の挑戦的なデザイン性を知る驚きかもしれません。

またデザイン性というならば、個人的には化石はそれ自体がデザインとして素敵なものもあります。ドイツのゾルンホーフェンで発見されたアーケオプテリクス(始祖鳥類)の化石も素晴らしいと思いますし、シダやソテツの化石は飾っても良いくらいだと思っています。

この「植物化石 5億年の記憶」は多彩な植物の化石の写真があるので、日頃化石を目にすることがほとんどない私達の生活で、写真とともに植物史を楽しめる一冊です。

 植物史という楽しみ方

私たちが見て楽しむ花や植物にはその姿になった理由が大なり小なりあります。

なので今ある植物たちの面白さの根本のあたりには、今ある植物がどうしてこうなったかという理由と深い関わりが出てきます。

彼らが辿ってきた進化の流れがあって、その流れは遡れば遡るほど今の植物からイメージできないくらいの姿になっていきます。それでも「生きている化石」がいるようにどこか繋がる部分のあって、見たこともない遠い時代の植物たちを少し身近に感じれたりもします。

化石を載せている本は大体図鑑のようになりがちですが、「植物化石 5億年の記憶」はページ数も本編だけでp43くらいで読む(見る?)ことが容易く、植物史を通しで読むことができるのも良いところかもしれません。今ある植物たちや「生きている化石」といわれる植物たちが一本の線で結ばれていくような面白さを体験してもらえたらと思います。

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